忍びの国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 577
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349770

感想・レビュー・書評

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  • 万城目氏の「風太郎」のおかげでここのところ忍び萌えがつづいていたりして。
    いいよね、忍びって。(といわれても)
    なんかこう、きゅんとくるんのです。
    ストイックでプロフェッショナルかと思いきや、思いのほか欲にまみれて意地汚かったり。
    人でなし呼ばわりされるのも然りなんだけど、義理人情や忠誠心に左右されないあたりはそれなりの美学を感じます。

    時は戦国、天下人は織田信長という時代のお話です。
    信長二男の信雄率いる伊勢の軍勢が伊賀攻略を目指して攻め入り、金のために信雄に伊賀攻めさせて儲けようと策略する伊賀の忍びたち。
    最高の忍びの腕を持ちつつ、女房のお国には頭が上がらない無門が、何とも人間臭くてほほえましい。
    戦の凄まじさや忍びの術の迫力よりも、無門の一途さに心打たれました。

  • ひさしぶりの歴史物。エンタメ性ゴリゴリ忍法小説かと思いきや、切ないところもしっかりあっておもしろかった〜

  • 織田信雄が伊賀国を攻め、惨敗した第一次天正伊賀の乱、そして織田信長軍が総出で伊賀国を攻め滅ぼした第二次天正伊賀の乱ほ題材として、伊賀忍者や信雄配下の強者武士の活躍を描いた忍者活劇。スリリングでスピーディーな展開。超人的な忍術使いが活躍するストーリーは宮本昌孝の「風魔」に似てるかも。

  • 面白かった!!インスタグラムのフォロワーさんからおすすめして頂いた本。今まで忍者ものの作品はほぼ見たことなかったので、伊賀忍者の生活風景や価値観を知ることが出来た。あと歴史の勉強も出来た!後半の戦闘シーンは戦国無双のようで臨場感あり。主人公の忍びが地獄楽の画眉丸にめっちゃ似てて、これ絶対モデルやん!と思った(^^)

  • 臨場感あふれる忍びの話が面白かったけど、再度読むには気が重くなるような感じ。

  • 全375頁

    ①8.5
    ②6.5
    ③7.5
    ④7.5
    ⑤8.0
    ⑥8.5
    ∑46.5


    映画から入りました。
    作中に出てくる人物の中でも
    銭のためなら人を欺き殺すことが“普通”だと思う伊賀者
    伊賀者でありながらそれは狂ってると言う“変人”たちが
    とてもいい味を出してます

    卑怯な忍びの術に対し苦戦する信雄率いる伊勢の軍勢が
    知恵を使い戦うシーンはめくる手が止まらないです!
    マイベストシーン!やっぱ原作の方がいいね( ¨̮ )

    そして、特に大膳が好き!
    主人公の伊賀唯一の凄腕の無門も素敵なのですが
    大膳が繰り広げる頭脳戦と武士たる心構えは最高です
    武器が強弓というのもめちゃくちゃかっこいいです


    映画ももう一度見ようと思います^^*
    全人類におすすめしたい✩


    筆者が伝えたかったことは
    人を想うということを忘れないでほしいということかな。

  • テンポ良し。一気読みしたほうが良い。ただ人物名や人物像が曖昧で読み進めると後悔する。私は後悔した。史実の紹介が合間にあり、戦国時代の伊賀の乱を知るには丁度良い。

  • 2022年3月6日読了。

    戦国の時代。
    伊勢国を完全掌握した、かの織田信長ですら容易に手を出せない国があった。
    それこそが隣国『伊賀』
    忍びの軍団である伊賀者の尋常ではない強さを察知し、「虎狼の族が潜む秘蔵の国・伊賀には手を出してはならん。」と過剰なまでに慎重を期していた。

    しかし、その言葉を裏返しの意味、つまりは『お前の力で伊賀を討ち取ってみせよ』と受け取った男が1人。
    信長の次男・織田信雄。
    信雄は重臣どもの不満を感じ取りながらも、日置大膳・長野左京亮・柘植三郎左衛門らを引き連れ、伊賀攻めを決める。


    一方、その伊賀国。
    他国ではその地域を支配する戦国大名が生まれている中、伊賀国では領主というものが存在せず、66人もの小領主(地侍)が乱立し、常に互いが互いを討ち滅ぼそうと小競り合いを起こしているような国であった。
    討伐・殺戮を好み他人を思いやる気持ちなど微塵も持たず、親子親戚であろうがお構いなく騙し、出し抜く事を至上とする伊賀忍者の巣窟であるこんな国にも一つの掟が存在する。
    『伊賀惣国一揆』なる同盟が結ばれ、「他国の者が伊賀に入った際は、惣国一味同心してこれを防ぐこと」

    66人の地侍から選出された『十二家評定衆』と呼ばれる12人は、隣国『伊勢』を制圧した織田軍が伊賀へ攻め入ってくる事を懸念していた。
    十二家評定衆の1人である・百地三太夫は「敢えて攻め込ませ、織田軍を打ち破る事により、伊賀の武名を天下に轟かす。さすれば、他国からの下人どもの注文が増え、我らは儲かるということよ」と策略を練る。

    その百地家の下人である、1人の忍び。
    伊賀一の腕と評される、通称『無門』
    腕が良いのをいいことに、非常ななまけもので、主の三太夫の命令すら断る有様。
    更に、西国から攫ってきた美女・お国には稼ぎの少なさを咎められ頭が上がらない。
    そんな不甲斐ない無門もまた、十二家評定衆の謀略に乗せられ、戦へと駆り出される事になっていく。


    初の和田竜氏の作品。
    「竜」と書いて「りょう」と読む事を今回初めて知った。
    普段まったく読まない時代物へのチャレンジ。
    しかし、時代物という事をほとんど感じさせず、とても読み易かった。
    そして何より一言、とても面白かった。

    実際にあった『天正伊賀の乱』という史実に沿ったストーリー展開。
    異様な伊賀忍者達の心理や、様々な忍術描写や解説。
    人と人との心情の変化や葛藤。
    スリリングな戦闘シーン。
    無門とお国のコミカルな会話。
    まったく期待していなかったが、ここまで楽しめるとは思わなかった。

    織田信雄と日置大膳。
    長野左京亮と柘植三郎左衛門。
    仲違えしていた状態から、互いに分かり合う場面は胸熱展開。

    天下一の織田信長という男を父に持った事への重圧・自責の念を信雄が吐露する場面は目頭が熱くなった。

    無門が主役であり伊賀サイドが正義であるはずなのだが、信雄サイドに感情移入してしまい織田軍こそ正義として読み進めていた。

    参考文献の量もとてつもなく、歴史的勉強にもなったし、『葉擦れの術』や『骨格を自在に操る術』等、忍術の知識も蓄える事が出来た。
    忍びの術の基本中の基本は嘘であり、人の「心」を読み解き、その「心」につけ込むことで勝ちを得る事こそが忍びの術の真価なのだそうだ。

    無門の強さが最早、スーパーヒーロー過ぎる点など気になる所もあるが、今まで毛嫌いして手を付けずにいた時代物というジャンルの裾野を広げてくれた一冊として高評価を付けたい。
    『のぼうの城』『村上海賊の娘』など、著者の他作品も読みたいと思う。

  • 戦国時代に戦国大名を持たず、小領主たちが乱立していた伊賀国。戦力を延ばす織田信長ですら手出しを禁じていたその国の攻略が始まった。
    忍びの技と知恵、武力との熾烈な争いに伊賀一の忍び・無門は巻き込まれていく。

    無門の人間離れした技の数々、そのくせ惚れた女にめっぽう弱く人間くさい人柄にすっかり取り込まれてしまった。
    歴史小説としての史実を元にしたスリリングな内容と、登場人物たちの人間ドラマのバランスが絶妙なのはさすがとしか言いようがない。

  • 二年ぶりの和田作品。前回は『のぼうの城』でしたな。

    今回は『天正伊賀の乱』と呼ばれる織田軍勢が伊賀を攻める戦いが舞台です。そして無門と呼ばれる架空の忍者が主人公。文吾(石川五右衛門)や木猿(猿飛佐助)などが出てきて、ちょっと楽しい。伊賀忍者の人情ではなく、お金で動く的なところが物語を面白くさせている。関西にいるうちに読んでおけばよかったぜっ!って感じの本でした。それにしても無門。かっこいいなぁ~。

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