ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369396

感想・レビュー・書評

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  • やっと学校内裁判が開廷して、よし、あとは散りばめられた伏線の華麗な回収手腕を拝むだけ!と気楽な気持ちで読み進めるも、予想されるラストがあまりにも胸に痛いので、、、この裁判が、誠実でひたむきな彼らの一生に響く傷にはなりませんようにと、願うばかりです、、、

    大人社会の裁判にはないであろう、優しさや労り(甘さでもある)が溢れていて、微笑ましいというか羨ましいというか、失った尊いものを見ているよう。次巻で彼らとお別れなのが寂しいです。

    あと井上くんほんっっっと良いキャラしてる、好き。

  • 面白いが…

    中学生がこんなに上手く裁判を進められるものなのか‥
    そんな所が気になってしまった。



  • 2019/12/7 Amazonより届く。

  • ついに学校内裁判開廷!
    進み方が違うからか、最初はこれまでと比べ
    やや動きが鈍いような感じがしましたが、
    意外な人物が登場したり、裁判とは直接関係ないところでの
    それぞれの思惑が絡み合ったりして、また別の面白さがw。
    ラスト一冊、クライマックスに向けての流れが楽しみです。

  • 5冊目読了

  • ついに裁判が始まった。

    涼子も神原くんも頭の回転が早くて中学生とは思えない。

    また、ただ真実を述べるだけでは真実だと受け取ってもらえないということを痛感した。

    自分の証言を真実だと認めてもらうには、信憑性や、戦略が必要になってくる。

    本当の真実なんて存在しない。
    それぞれの目に映る真実は感情や主観によって歪められてしまう。

    その中でも真実を掴もうとする両者と、判事、陪審員の攻防が楽しみだ。

  • いよいよ『ソロモンの偽証』も第3部〈法廷〉編へと入り、学校内裁判という疑似裁判ではあるが、そうであるがゆえに本来の裁判とは異なる趣を備えた法廷の場が展開されることとなる。本来の裁判と最も異なるのは、通常の裁判では避けられない予定調和がここではいとも容易に覆されるところだろう。
    あらかじめ供述調書やもろもろの裁判証拠を提出し、法廷から承認された証人を粛々と喚問し、裁きの場で尋問を繰り返すのが本来の裁判である。しかし、学校内裁判ではこの原理はいともたやすく破られる。事前に申請されなかった証人が抜き打ちで登場することさえある。この意外性が楽しい。
    そしてまた、法廷で繰り広げられる尋問も、最初は冷静さを装って始まるものの、しばしばそれは中学生らしい感受性を露呈し、時として感情に支配されてしまう。中学生が行う裁判でなければ、こうした展開は鼻白んでしまうのであろう。だが、中学生という思春期真っ只中の生徒たちが必死の攻防を繰り広げる法廷だからこそ、こうした描写も好ましいものとなる。そうなれば法廷は、傍聴人も含め、時としていわゆる「不規則発言」のオンパレードとなるが、そもそも学校内裁判の目的は、「誰かを裁く」ことよりも「真実を白日のもとに引きずり出す」ことにあるので、その意味でも本来の裁判が備えるべき形式的な作法には、さほど厳密に準拠する必要はないと思われる。
    こうしたワイワイガヤガヤとした尋問という形式の「会話」から、少しずつ真実にアプローチするさまに、読む者は(少なくとも私は)強く引き込まれた。これまでの第1部、第2部も楽しく読み進んだが、その集大成としての第3部〈法廷〉は読むにつれて本当に心躍るものがある。
    長い物語に潜む「宮部マジック」にすっかり魅了されてしまったと言っていい。そして、物語は次の第3部の下巻で大団円を迎える。おそらくすぐ目の前まで来ている「真実」がどのように明かされるのか楽しみに最後の巻を読んでみたいと思っている。

  • いよいよ学校内裁判が始まる第3部の上巻。傍聴席に座る大人の視点、廷吏の役割を務めるヤマシン君の視点、陪審員を務めるまり子の視点。地の文の語り手が変わることで裁判の様子や「証人」の様子が立体的に見えてくる。「証言」の内容から「事件」の様子も立体的に、そして多角的にも立ち上がってくる様子が素晴らしい。一体どこに落ちるのか分からない状況が続いたまま下巻、最終巻へ。神原弁護人の謎が気にかかり続ける。

  • いよいよ学校内裁判が始まって、
    物語の一番大事な部分になってくるのだけど、
    ここにきてどんどん読んでて白けてきてしまった。

    やっぱり中学生には無理がありすぎ。
    1,000歩ぐらい譲って高校生にしても・・・
    いや大人でもなかなか難しい気がするなぁ。

    人並外れて優秀な生徒にしてもやっぱり無理がありすぎて、
    もうラノベみたいに思えてしょうがない。
    作家さんが力があるので、
    面白く読めはするけどもどうにも違和感はぬぐえない。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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