結婚詐欺師(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425344

感想・レビュー・書評

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  • 最後の刑事の妻の言葉がこの本全体の救い、というか希望のように感じる。

  • こんなの、現実では騙されるか!という人こそ、こういう詐欺師に騙されたりするんです(笑)
    自分は大丈夫という心のスキに詐欺師は潜りこんでくる。
    みんな自分は大丈夫だと思ってるのに騙される。そういうことを、よくここまでリアルに表現できたなと思った。
    作品中の被害者女性が現実世界に存在したとして、この本を読んだとしても、「こんな男に騙されるなんてありえない」と口を揃えて言うだろう。

  • 女たちに夢を与えていると豪語する橋口。そんな男に女たちはどんどん騙されていく。女は夢を語り、夢をみる男を好むのか?たとえそれが嘘だったとしても…

  • ろくでなし男だけれど、彼言い分も、理解できないでもない。。。
    でも、やっぱり、人をだまして、不幸のどん底に陥れてしまう彼の行動は許せない!

  • 別段、つまらないとは思わない。
    どちらかと言えば面白い部類だとは思う。
    しかしどうにも面白いと言い切れない一因は、
    登場人物たちの魅力の無さのせいだと思う。

    松川にしろ阿久津にしろ
    それぞれ違う意味で魅力が無く、感情移入のしようがない。
    強いて言うならば美和子がまだしも自分と近いようには感じた。
    彼女が阿久津と別れた理由として、
    夢をあげていた それについては唯一共感できた。

    心理描写に優れているという評価らしいのだが
    共感出来ない以上私とはどうも相容れないらしい。
    結婚詐欺師がいて、刑事がいて、捕まえる。
    言ってしまえばただそれだけの話だ。
    ストーリー展開にミステリーらしいどんでん返しでもあるか
    と期待したが、一切無かった。
    先が予測出来るミステリーというのは、私の中では微妙な位置づけだ。

    また、女性である筆者が、女性が騙される話を書くのは
    一体どんな思いでなのかいまいち読み取れなかった。
    女性に注意を喚起したいのか、
    そうは言っても松川は夢をくれるし、夢を与える男が魅力的だと言いたいのか





    金を騙し取られるのはまだしも、
    妊娠して捨てられたり、流産したりというのは
    同じ女としてあんまりに感じる。

    松川も、どうせなら最後まで夢を見せて
    君のことが大好きだけれど抗えない理由で分かれなければならなくなった
    という設定で別れてやればいいのに。
    そうすれば尚更女たちは夢を見続け
    良い思い出として、松川のことを訴えようなど思いもよらないだろう。

  • 【練習場で橋口に声をかけられた江本美和子は、その強引な誘い方に驚くが、結局デートに応じる。一方、阿久津らの捜査から松川と橋口が同一人物であることが判明した。だが被害者の中にかつての恋人、美和子がいるのを知り、阿久津は愕然とする。あのしっかり者の彼女がなぜ…。橋口と被害女性、そして阿久津の心模様を丹念に追い、現代の結婚観を浮き彫りにした傑作サスペンス】

    そんなに先が気になる訳ではないのに、
    読みやすくて飽きないので一気に読んでしまいました。
    結婚詐欺師と刑事の両方の視点から見れるので、
    双方の動きを知ることができ、
    「どっちが早い!?」とドキドキしながら読む場面もあって楽しめました。
    橋口はマメで慎重で勉強家。
    そんなに頑張れるなら他で才能を発揮すればいいのに・・と思いましたが
    入ってくる金額が半端じゃないですもんね。
    真面目に働く気になれないのも分かるような気がします。
    やっぱり大金って人を駄目にするよな・・・
    騙されたのに騙されたと思いたくない気持ちは分かるが、
    なんでそこまで信じるの!?と思いたくなる場面が多々ありました。
    「私なら騙されない!」と思うのですが、
    やはりプロの手にかかると騙されてしまうのだろうか?
    騙されたくはないですが、ちょっと気になるところです。

  • 上を読んだら下も読むのですよ。

    もちろん面白いです。
    自分の頭の中で、詐欺師を空想しながら読むのがお薦めです。

  • ストーリーは、タイトルから想像するままの世界ですが、上下二巻を先へ先へ読ませていく筆力。さすがに「凍える牙」の作家です。

  • 禿げていない詐欺師の主人公が良かったかな(副主人公が刑事)。解説代わりの編集部研究は奇異。

  •  カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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