隠蔽捜査

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103002512

感想・レビュー・書評

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  • クセになる。

    本シリーズが傑出しているとは思わない。

    本来の意味での隠蔽捜査は一作目だけ。

    警察小説でありながら、恋愛要素を強く孕んでいる巻があり、コメディ要素もところどころに散りばめられていたりする。

    ぬるい、ぬる過ぎると感じる人も多いかもしれない。それでも、僕には愛着が残る。

    どの巻も読もうとすればスッと読めて、この作品の世界観に浸っていること自体が心地いい。

    竜崎伸也という風変わりで周りの人たちを魅了する主人公のせいかもしれないし、

    彼と伊丹との掛け合いのシーンや、お決まりのパターンが楽しいのかもしれないし、

    彼を支える妻、冴子のさっぱりした人柄が群を抜いて魅力的なせいかもしれない。

    僕の親父の年代は、『水戸黄門』を毎週、楽しみにしていた。子供だった僕にはその歓びが分からなかったが、これなら分かる。

    『隠蔽捜査』と竜崎伸也。

    今野さんが、理想の官僚、キャリア像として世に送り出した本作。

    極上のシリーズとは言えないが、それでも僕はずっと、虜であり続けるだろう。

    隠蔽捜査シリーズ
    (巻数に小数点の付いているものは、主人公竜崎伸也以外の視点から書かれたスピンオフ短編集)
    隠蔽捜査1/果断 2/疑心3/初陣 3.5/転迷4/宰領5/自覚5.5/去就6/棲月7/清明8/探花9/審議官9.5/一夜10
    【2024.4.21現在、9.5まで読了】

  • 警察キャリア官僚を主人公に置いた警察小説。隠蔽捜査シリーズ第1弾。とにかく読みやすい。親の心子知らずというか、息子が犯罪に手を染めており自分の経歴に傷が付くことも厭わない潔さとぶれなさが竜崎さんの魅力。

  • 警察官僚竜崎は正義と信念を貫く堅物。
    警察組織を揺るがす殺人事件。犯人判明するも事件は隠蔽されようとする。刑事局方針に逆らい,事件迷宮入を阻止するため奮闘。普通のミステリーと着眼点が違う。

  • 警察庁のエリート官僚の竜崎が事件と家族の問題に立ち向かう話。めっちゃくちゃ堅物で融通の利かない一方、真っ直ぐで筋を通す竜崎のことをいつの間にか応援してしまう。警察内のいざこざに事件にと盛り沢山で面白い。この先の竜崎が気になるからシリーズ読んでいこう!

  • これは文字通り「警察」小説である。ただし現場の捜査員などではなく、キャリアの目から見た警察が浮き彫りになっている。読んでいて難しい情報で埋もれそうなものを今野はわかりやすく噛み砕いて提示してくる。続きが気になる作品である。

  • 今野敏の隠蔽捜査を読みました。
    主人公の警察官僚の竜崎は、真っ直ぐに生きていて変人扱いされています。
    同期で幼なじみの伊丹とのやりとりも面白かったです。
    息子がヘロインタバコを吸っているのを見つけてしまいました。
    夜中に目が覚めてから一気に読んでしまいました

  • 教場の風間のようなお堅い主人公。
    そして、個人的に教場と並んでとても面白い!
    次作を読むのが楽しみだ。
    他の登場人物も濃いキャラが多くて、次はどんな濃いキャラが出るのか、それも楽しみ。

  • 隠蔽捜査シリーズ第一弾。
    警察官僚の人間関係、殺人事件、主人公である長官官房の総務課長である竜崎伸也の家族の問題も、同時に進行していく。
    変人と言われる竜崎の警察組織と家族を守る行動に感動すら覚えてしまいます。

  • 常にうまく部下を使う方法を考え、同時に、いかにして上司を動かすかを考えなければならない。上に立つ者は、常に判断を強いられる。

    問題が起きたときに、まず何をすべきか、何ができるかを、必死で考えているだけのことだ。無能な上司は、何か問題が起きたときに、それが誰のせいかを追求したがる。有能な上司は、対処方法を指示し、また何かのアイディアを部下に求める。

  • ここまで正と悪を自分の中ではっきりさせ、行動できる人間って強いんだなぁ。と、思いました。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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