その街の今は

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 327
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103018315

感想・レビュー・書評

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  • 何も起きないし、もしかしたら何もはじまってないかもしれない。

    読み終わって本を閉じた、その後、今にもはじまりそうでした。
    そのぶん勝手に想像膨らまして胸が膨らむっていうか…ふふ

    こういう何気ない日常を上手く切り取ったのってスキです。
    現実なんて毎日そんなドラマチックなことが起きるわけないんだし。


    柴崎さんの街の描き方が、自分が街を歩くときの視点と近くって勝手に頷きながら読んでました。
    昔、まさにその心斎橋でバイトしてたから、夜の喧騒のなど懐かしくてまぶたに浮かぶようでした。


    そうそう、
    昔の本だと思って図書館で手にとったら、実は新刊で、今月のSTUDIO VOICEにもでっかく載ってるじゃありませんか。
    そうか、売れっ子だったのか。どうりでおもしれーわけだ。
    他のも借りてみようっと。

  • 大阪弁が何とも言えない。ぼくはこの作家さんが好きです。時間の流れがとてもゆったりしてるし、何だか癒されます。


    何の事件も起こらないし、突飛押しもないことも起こりません。でも、引き込まれる文章です。会社を首になったOLのありふれた日常です。

  • 今当たり前に見ている景色は昔からあって、そのころはどうだったのだろう…と思うことがあるので、親近感の湧く内容でした。昔にこの場所にいた人はどんなことを思ったかな、と想像すると何だか奥深いです。

  • わたし、昔の大阪の写真見るのが好きやねん。その、どきどきの中毒みたいな
    感じやねん―。過ぎ去った時間の上に再生し続ける街の姿に、ざわめく28歳の
    気持ちを重ねて描く。

  • 同じ大阪で同じ年代(ちょっとオイラの方が上だけど)恋に仕事に古い写真集め、どれもパッとしないけど、現代女性を等身大に描いたのだろう。評価は前後に読んだ作品との兼ね合いがあるので覚悟して下さい。

  • 馴染みのある風景がいっぱい!いいじゃん恋。コイ。こーい。と久しぶりに思いました笑日常のなんでもないことのなんでもなさを忘れてしまいたくないものです。

  • 28歳のカフェでバイトしてる女性の、何ていうこともない大阪の日常の話です。<br>特別なことが起きるわけでもなく、感動することがあるわけでもないけど、ちょっと爽やかで好感がもてました。

  • 28歳の主人公の女性が大阪の町ですごすなんて事のない日々。
    いきなり合コンの失敗から始まったのでなんやなんやと思ったけれど、
    ゆっくりとした時間が流れていく。
    もうじきくるだろう一人暮らし、そして良太郎との関係などを残しながら
    終わった。
    ふ〜んで感想は終わる。

  • こないだ読んだ『また会う日まで』がよかったので、今度はこちらを読んでみました。主人公が自分と同い年だったので親近感をこめて読めましたね。でも年齢のわりにガツガツしてなくて、なんか「こんな感じでもよいのか」とホッとしたりしました。あいかわらず時間がゆるくて、日常の一端を切り取ったような内容がよかったです。実際、日常というのはよくある小説のように劇的な変化なんてそうあるもんじゃなく、こんな風に自分でも気付かないほどに少しづつ変化していっているものなのかなと思いました。このオチがないかんじが気に入っております。

  • 飽きさせないようにちょこちょこエピソードを挟んでいる感じだった。
    主人公の趣味に少し共感。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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