- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103020325
感想・レビュー・書評
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これこそ、あたしがずっとレビュー書きたかった本なんですよ!w
今年の3月に月刊誌「新潮」に掲載された作品です。
主人公は小学生の女の子で、舞踏家の父と父子家庭生活を送り、よく大人に混じって舞踏の世界と向き合ってる、どこか深くておませな子です。
クラスの中でもちょっと違う世界にいて、でもやっぱり普通の女の子みたいにちっちゃいことで怒ったり、未熟な恋愛をするあたりはぐっとリアリティに引き寄せられます。
これが小説だっていうところが一番面白かったです。
ラストの畳み掛ける展開と、大きな舞踏の世界とたくさんの大人たちに囲まれた広い世界で始まった物語が、最後は公衆電話同級生の男の子に収まったところの絶妙な上手さがあります。
ただ、相変わらず島本理生はスキルでストーリーを押し切らない、あったかい書き手だっていうのを強く感じました。
これは絶対にもう一度読みたい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無理に事件をつくる感じが好きじゃない話。微妙な気まずい雰囲気の表現はうまいと思いますが、作者の他の本を続けて読むとどれも同じと思ってしまう。
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野宮朔、12歳。
舞踏家の父と二人暮らし。
母親から「捨てられた」と思っている、小学6年生の女の子。
父を含む、ちょっぴりおかしな大人の中にいる状態がニュートラル。
周囲の子より大人びて、でもやっぱり子供な女の子。
ようやく現れた、甘えさせてくれる大人の人が豹変したとき、彼女はひとつの選択をする・・・。
なーんか怪しいと思いつつ、おはじきをくれた時の佐倉さんはちょっぴり好きだったんだけどなぁ・・・。
詭弁を用いて子供をいいようにしようとする姿に嫌悪感。
あんな男に傷つけられたりしないで、ばばーんと本を出版させちゃいなさい!朔ちゃん!!
クラスメートの田島くんもねー、まだ小学6年生なのだからして。
これからの頑張りに期待しようではないの!
ちょこっと書き方にくせがあったけれど(子供視点でも、文末はですます調で統一してほしかった)この作者の本にしてはさらっと読了。
すごく好き、という話ではないけれど、
「電柱と電柱を繋いだ電線は、暗い空をいくつにも切り分けて月や星をつかまえながら、となりの街へと伸びています。」
って個所を読んだ時は、この人やっぱり天才だーと思いました。 -
相変わらず文章は好きだけど、どうもこの本は実験的な作品のように思えてしまった。
試行錯誤しているような…
題材も重くて痛いものだし、読み返すことはないと思う。 -
小学生の女の子が主人公。
主人公の年齢層が低いのは珍しいな、と思いながら読み進める。
変わったお父さんや、個性の強いともだちを持ちつつも
平凡に日常が進んでいく話。
と思ったら、半分過ぎたあたりから大変なことに。
せつないというか、苦しくなる話です。 -
後味悪い。そして内容忘れていることにびっくりした。
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展開の読める話
軸が乱立してる感じで、ぐだぐだしてて、正直あんまりおもしろくなかったです。その辺ナラタージュぽい。 -
舞踏家の父親と12才の少女の2人暮し。帰宅の遅い父、孤独になってゆく少女。父が無断外泊をした時、思い出したくもない出来事が起った。少女の復讐は・・・。12歳と言う、見た目は大人。だけど考えはまだまだ子供。少女が大人になってゆく、心と身体の揺れが伝わる作品。
本のタトルくらい、もっとパンチの効いた復讐の方が読んでいて、面白味があったと思うけど。。。復讐と言うより、仕返しと言う方がしっくりくるなかぁ。 -
島本さんの他の作品に比べたら、イメージが悪い作品かもしれません。
ですが、性は客観的に見れば気持ち悪いものだし
現実に、このように心を殺して生きなきゃいけない子や大人は沢山いると思います。
島本さんは綺麗な悲しさを作るから、たまにはこういう突き刺さるような圧迫感もいいなって感じました。 -
舞踏家の父と暮らす12歳の少女が主人公。12歳という時期に彼女を襲った、突然の暴力。そして、少女が選んだたった一つの復讐のかたち。
読み終わった後に、なんともいえない気持ちだけが残る。こんな12歳いるんだろうか。いたとしたら、すごく悲しい。