- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103020325
感想・レビュー・書評
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信用していた相手がいきなり裏切る絶望感。
舞踏家の父を持つ12才の主人公。
お兄さんのように慕っていた佐倉さんに性的ないたずらをされる。
好意を寄せていた同級生がやっぱり子供なのだと思い知らされる。
いつも弱い女の人ばっかり登場する島本理生の作品の中で、めずらしく強い主人公なのが良かった。
これから時間をかけて復讐していく、というような話のラストに主人公の強さが感じられて清々しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もったりした作品が読みたいときに選ぶ作家さんのひとり。
期待どおりでした。文章はあっさりしているのに、物語はさすが、じっとりとした感じ。
主人公の心の機微を表現するのが本当にうまくて、朔ちゃんと同じように舞い上がったり怯えたり考えたりしながら読んでいました。
わたしは島本さんらしいこのストーリーの重さが好きです。ハッピーエンドではないかもしれないけど、強く生きていくんだろうなと思える最後で良かった。 -
年上のおにいさんとのすてきなお話だと思って読み進めていたら、そっちかよー!って。救いがないというわけではないのだけど、もっとあったかい、もしくは痛い感情を期待していた。
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まだ世界が狭いからこそ自分には居場所がそこにしかないように思うし、その人たちみんなに見捨てられたらもう生きて行く場所がないように思える。
子供であるということ。女であるということ。一個人であるということ。
誰かに好きといってもらえること。誰かに思いを寄せられること。
内緒にするということ。
『大人』として扱われることと『女』として見られることは違う。 -
タイトルから感動的な恋愛モノかと思いきや…少女の復讐。それが分かった時のゾッと感。なかなか印象に残る作品でした。
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大人びているのは大人だからじゃなく
精一杯の背伸びしてるから。
内容はダークなのに、
さらりと流れるような文体によって
それほど嫌悪感なく読めた。 -
苦しいなぁ…。
中途半端なデスマス調は、「朔ちゃんの作品」だからなんだね。
「18歳になったら結婚しよう」までは、素敵な物語だと思ってたんだけどなぁ。
結局、恋愛に性が持ち込まれると、ロクなことにならない。
後味悪いなぁ…。 -
幼い少女の目線に、背徳的な香り。
どこか突き放すような淡々とした文章で、冬の夜のような冷たさを感じる。
人の感想を聞いてみたくなる本だなあ。 -
島本理生は恋愛モノがすきなのになぁ。
でも彼女のブラックな部分に触れるのは新鮮で悪くないね。
12歳って不安定なんだなぁ。
おとなの影響力ってすごいなぁ。
子供は責任がないからなにしてもいいっていうのは、理不尽な不幸を受け入れなきゃいけないってことなんだ
っていう一文がこのお話の核心な気がした。