葬られた王朝: 古代出雲の謎を解く

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030232

感想・レビュー・書評

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  • 著者の本を読むのはこれが初めて。『ヤマタノオロチは、ヤマトの三輪山に住む大蛇ではないかという自分の考えは根拠なき妄想であって、いま改める』等々、自分の考えは間違ってましたゴメンナサイという潔さが印象的。私は『古事記』『日本書紀』に関する本を読むのはこれが初めてなので、少し難しかった。最初に読む本はもう少しくだけた感じのものがよかったのかな、と思う。
    とはいえ写真も豊富で、出雲に行ってみたい、もっと記紀に関する本を読んでみたいと思わせてくれた一冊です。

    ただ、この本は重い。通勤に持ち運ぶのはかなり不適。

  •  出雲大社の巨大な柱跡の発見や、膨大な数の銅剣銅鐸の発掘から
    「出雲王朝などなかった」とした自説を撤回し、葬られた王朝として
    の出雲王朝の実在に迫った著作。島根県出身者としては出雲王朝には
    関心大ありなのだが、どうもこの本は核心に迫ると言うよりは、表層
    をひっかきながら旅行を楽しんだ紀行文に思えてしまう。まだまだ
    研究の余地はあるということだろう。

  • 「神々の流竄」を読んだのは40年前になるのか…

    「法隆寺の謎」など梅原史学ひひきこまれてから40年か…

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00158670

  • 記紀編纂の時代に、何がかは解らないが、誰かの作為があったであろうことは間違いない。

  • 古事記に描かれた古代出雲王国、学説的には虚構と言われてきたそうです。梅原先生も出雲王国を否定してきたそうですが、この本で、やっぱり出雲王国は実在します、今まですみません、と男らしく大転換。古事記と出雲ファンには嬉しい一冊です。やっぱり出雲王国はあるでしょう!

  • 失われた古代の文明は誰でも心おどるものである。特に、出雲王朝のように存在すら怪しい文明ならなおさらである。

    筆者は古事記や日本書紀などの記述を元に出雲王朝の1)いつ2)だれが3)なんのために4)どこに、という謎を解明しようとしている。
    文章の解釈だけでなく、フィールドワークも重視しており、本書の至ることろに写真が掲載されていてイメージもつきやすい。

    我々は日本に住んでいながら、あまり日本創生についての伝記を知らない。せいぜいヤマトタケルノミコトがヤマタノオロチを成敗し、しっぽから草薙の剣が・・・・という事くらいしか知らない。
    当然ながら、これらを知るためには日本書紀や古事記を紐解くが一番であるが、手っ取り早くかつ最新の知見もあわせて知りたい人は良い一冊であると思う。

  •  「神々の流竄」で出雲神話は大和に伝わった神話を出雲に仮託したものという説を展開した梅原氏。実はまったく間違っていました、すいません。というのが本書である。法隆寺の聖徳太子怨霊封じこめ説など、キャッチーな理論で歴史に興味持つ人を増やしてきたし、自分もその一人だった。法隆寺に行った時のロマンはいまだに覚えている。
    出雲についても、怨霊封じこめ理論はあり、また王朝があったとするのも妥当性が高い。その中で、批判されることが無かったというものの、相手にされなかったという方が正しいだろう。最終的には、やっぱり間違いは間違いですと気持ち良いくらいの展開。
     出雲の国に起きたドラマは、大和との壮絶な戦いの歴史であった。それだけでも、出雲に行くときの気持ちが変わる。歴史はロマンだなあと思う一冊。

  • いまさらなに
    ぼけたか

  • 大国主神スキーとしては満足な一冊でした。他の本だと大体名前と簡単な紹介くらいしか出ない少名毘古那神ともやり取りも出てました。思わず「おまいらww」と突っ込んでしまうようなことをやってたんですね。
    考古学的資料、いわゆる土器や土偶についての考察も興味深かったです。なるほど土偶ってそういう意味なのか~と納得しました。
    記紀についてもそういう説は聞いたことはあるものの、実際読んだことはなかったので、新鮮でした。よくここまで考えられたな~と。言われてみれば確かにそうかも、と思えるような内容で、色々な方向に手を伸ばしたくなりました。

    写真も掲載されているものはフルカラーで綺麗でしたし、久しぶりに良い本を見つけました。

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著者プロフィール

哲学者。『隠された十字架』『水底の歌』で、それぞれ毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞。縄文時代から近代までを視野に収め、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する〈梅原日本学〉を確立の後、能を研究。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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