光の犬

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103328131

感想・レビュー・書評

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  • 北海道、枝留に生きた一家の3代に渡る記憶。
    同じ血を引き、同じ家に暮らしたのに
    まったく異なる8人。

  • 一気に読みましたが、犬はあんまり出てきません。一気に読んだわりにあまり面白くなかった!

  • 小説を読んだ充実感が得られた。
    好きな感じの小説だなととてものんびり読み進めていたが、歩の病気以降、一気に読んだ。
    歩の死がとても悲しかった。一惟との関係は美しかった。あり得ないような、割とあるかもしれないような。
    充実した生を、一緒に生きてるような感じで読んでたのが、こんなところで終わるのかい、えーあんまりだーととり残された感じがした。
    眞二郎と三姉妹の老後の生活は身につまされた。
    眞二郎の最期も辛かった。一般的な死に方などないとは思うが、現代の老人の死に至る過程は多くの場合こんな感じなんだろうなと思えた。
    みんな生まれて死んでいく。
    幸せな読書の時間が過ごせた。

  • お久しぶりの松家さんの小説。とても好き。

  • 様々な人物の恋や老いや祈りや諦めのエピソードが、時間軸にとらわれずランダムに綴られる。胸がつぶれそうになる場面の後に、その人の青春時代の煌めくひとコマが現れた時、嬉しいや悲しいが散りばめられた人生の眩しさを俯瞰できた。それは、別れも出会いも等しく遠ざかったかつての思い出がいつも美しいのとよく似ていました。

  • 松家さんの火山のふもとで、沈むフランシスにつぐ3作目
    前2作ともとても好きなので、だいぶ前に購入していたのだけど
    静かに、落ち着いて読む気持ちになかなかなれず
    5日頃からやっと読み始めて、少しずつ読み続け、幸せな時間を過ごした
    ハッピーエンドとか、推理小説とか、全然そういうことはなく
    淡々と家族それぞれの視線でそれぞれの人生を書いてあるのだけど
    たくさんのことを考え、感じる小説だった
    変わった旅をした気持ちにもなったな

  • 多様なジャンルの知識がてんこ盛りで、勉強になる、かつ、しんどい。それはそのまま、登場人物達の人生を思わせる。消失点という表現が素敵。陳腐な言い方だけれど、大河ドラマを見終えた気分だ。

  • 冒頭の一文に惹かれて購入。北海道の一家の歴史、人と犬と家族を淡々と描いている。静かな中にも起こる人生のうねり、行きつ戻りつする時間の流れにいつの間にか引き込まれて、一気に読んでしまった。感動とはまた違う、じわっとした波紋が心に広がる一冊。言葉にするのが難しい…。

  • ポップに北海道犬の話だと書かれていたので読み出したが、サブストーリーで描かれるだけでメインではなく残念。もっとあったかくて天気の良い時期に若い人が読んでたらまた違った読了感だったんだと思われる。上手いですし、テンポよく最後までスルリといけました。北海道東、枝留の添島一家の人々を中心に関係者が死んでいく物語。リアルに凹みます。助産婦だった祖母の話をもっと読みたいモヤモヤした。メットでの短い旅行の件だけは知っている場所なので印象にのこったが、バンダービルドさんが出てくるところで、ンなわけあるかい、と現実感が霧散(あはは)、まぁ、あるかもしれんけどねぇ。結局どうなったんやろか、と思う箇所多く微妙にスッキリしないまま流れていくが、だいたいリアルライフも結局どうなったんかよくわからんままに忘れされれてよくわからんようになって死んでいくんかと。ネコイラズ中毒死、凍死、死産、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、軟部肉腫が身体中に転移、レビー小体型認知症、アルツハイマー、老老介護に介護の末に一人残される還暦老人。どれが一番ましかなぁ、とか、考えさせられた。

  • 北海道東部の架空の町枝留(えだる)。そこに根付いた添島家親子孫三代の、明治期から現在にいたるまでのそれぞれの人生の断片を描き出す物語。

    章の途中でも語りの目線が変わったり、時代も行きつ戻りつで慣れるまでなかなか大変だった。大きな事件が起こるでもなく、貫くテーマがあるわけでもない。
    でも、結局人生ってこんな何気ない毎日の積み重ねなんだと人生50年も過ぎた今だからこそ、実感をもってわかるのかもしれない。
    急がず、じっくりこの物語の世界に身を置いて、大切に惜しむように読んでいった。ところどころに現れる、人生の真実を言い当てるような言葉に心を震わせながら、光の中で、闇の中で添島家の一員になったような気持ちで読み進んだ。
    特に、始の姉の歩が愛おしくてたまらなかった。
    歩の生き方、愛、無念を思うとき涙が出そうになる。
    そうして全てを読み終わったとき、こみあげてくる得も言われぬ感動に言葉もなく、レビューさえ書けず、そっと表紙を眺めてため息をついた。

    あ~私はこの作家が好きだ。「火山のふもとで」に続いて良作を読ませてもらった。

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著者プロフィール

1958年生。大学卒業後、新潮社に勤務し、海外文学シリーズの新潮クレスト・ブックス、季刊誌「考える人」を創刊。2012年、長編『火山のふもとで』で小説家としてデビュー、同作で読売文学賞受賞。第二作は北海道を舞台にした『沈むフランシス』。本書が小説第三作になる。


「2014年 『優雅なのかどうか、わからない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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