豆の上で眠る

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 563
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103329121

感想・レビュー・書評

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  •  本が好きで身体の弱い姉・万佑子は、8歳の時に失踪し、その2年後、記憶喪失となって帰ってきた。だが、この姉は本物の姉なのだろうか?
     消えない違和感を抱えたまま、13年の歳月が流れた。帰省した妹・結衣子は、駅前で姉の姿を見かける。その隣には、失踪以前の面影のある万祐子としか思えない女性が……?

     図書館本。
     うぉああああ……マジでイヤミス、いや、イヤな話っすわ。毒親警報発令!
     母親がク◯過ぎて。同じタイプに困らされている方、精神安定グッズをご用意下さい(笑)。
     “ミス”の方は……何が起こったのかは、読み進めて行くとある程度見えてくるのでは。ミステリー部分にはあまり期待しない方がよろしいかと。

     イヤミスの女王の作品ということで、暗いトーンの話ではあるが、主人公・結衣子の人柄や行動で時々クスッと笑わせてくれる。
     フルーツソース入りのアイスを変な食べ方で食べるとか、洗剤のCMの俳優が本物の両親として空想の中に登場するとか。
     さりげなく、自然な流れで主人公に親しみを持たせる手法、上手いなあと感じる。
     それだけに、真相部分が単なる説明文になってしまったのが残念。

     また、結衣子・万佑子の母親の強烈な性格はどうやって培われたのか、その辺りをちょっと掘り下げてほしかったかも。
     あの祖母の性格で、こんな自己愛満載の娘に育つの?と、ちょっと違和感があったので。

  • 第4章までがとても退屈だった。でもオチが知りたくて、最後まで我慢して読んだものの、想像以上とはいかず、期待はずれでがっかり。究極のミステリーというわりに、珍しくない設定だったし、急に下り坂を転がり落ちるみたいに謎が解けて、主人公が哀れなほどに追い詰められる。後味の悪さは、さすがは湊かなえという感じ。

  • 面白かった。ミステリーだけど、最後の種明かしであれよあれよと情報が出てくる感じ。
    後味が良くない。真実が分かっても主人公の心は晴れないし。。。本もの って、何?
    優しいお姉ちゃん幻想を抱くのは小学一年生までであれば当然かもしれない。けどそこまで予想して本にしちゃって、最後に裏切るのは凄いし怖い。


    あとなっちゃんが怖い。お茶の水女子大には行けなかったのね。

  • 行方不明になっていた姉が二年後に帰ってきた。
    しかし、行方不明前の万佑子ちゃんと帰ってきた姉は果たして。。。。
    久しぶりのミステリー小説。
    なかなか面白かった。
    物語後の主人公たちがどういう行動とるのか気になる。
    これって続編あるのかな??

  • 題名を見た時に
    昔読んだおとぎ話のことを思い出し、
    興味がわいて読むことにした。


    元のお話を読んだ時
    本物のお姫さまって
    ちっちゃな豆粒にも気づいちゃうんだ、
    すごくデリケートなんだなぁ、という印象が
    強烈に子供心に残っていて
    読み始めは懐かしく思った。

    姉の帰還まではおもしろく読めたけど、
    最終章はちょっとうーーん…という感じ。

    話が複雑になりすぎ、
    最後、誰にも共感できなかった。。

    お姫さまのお話を読んだあの頃ほどのインパクトを感じられず、
    残念。

  • 結衣子が小学1年生の時、姉の万佑子が行方不明となってしまう。2年の月日がたった頃、その間の記憶をなくした姉が発見されるが、結衣子には元の姉だと思えない違和感が。その後、DNA鑑定までして証明されたものの、素直に受け入れられないまま大学生に。母の入院で実家へと帰る途中、“姉”と見覚えのある“姉の友達”を見かけるが・・・
    読んでいて、こちらがなぜ大人になっても隠すのだろうか?という違和感を感じた。信じられなかったのか、信じてもらえなかったのか?が微妙なところではあるが、いまひとつすっきりせず。

  • 最近独白系から脱皮したと思いきや、本当にこのひとは地の文が下手なんだなと思わされた。
    なんでこんなレベルで売れてしまうのか本当に謎である。
    ドラマの原作と言ったほうがまだまし。


    小学生の頃、数年誘拐された姉が帰ってきてからも、本当の姉なのか信じられない妹が当時を振り返り、事件の真相にたどり着く。
    この「姉が行方不明になった」ことと「姉が別人じゃないかと疑っている」状況の書き方が下手で、最初姉が今も行方不明なのかどうかはっきりせず混乱した。
    無駄に思わせぶりな書き方である。

    とにかく冗長で何が言いたいのか。
    終わり方もすっきりしない。
    でもこれ映画化とかされると売れるんだろうなあというもうどうでもいい感じ。

  • アンデルセンとは関係無いか、、、

    新潮社のPR
    「小学生の時の姉失踪事件。今も妹の心には違和感が――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 「価値観」を激しく揺さぶる長編ミステリー。」

  • 読むのに苦労した作品。過去の話と現在の話がクルクル代わってついていくのが難しかった。

    最後の数ページで混乱をして、誰が誰か考えながら一応読み切ることができたけど、スッキリはしなかった。

  • 主人公の過去の回想がメインで、現在と過去の話を行き来する。

    タイトルが、この物語のテーマを端的に表していて良いなと感じた。
    終盤まで、事件の謎と主人公の心理描写の丁寧さで、物語に入り込めた。現在と過去の切り替わりが曖昧なのも、ふと気づいたら過去に意識が行っているという感覚に近く、面白い構成だと思った。
    一方で真相は一気に説明され、気がついたら終わっていたという感じ。主人公以外の家族の心情を知りたかったとも思う。
    放り出されて終わった感覚は真相を知った主人公と同じ気持ちともいえて、モヤモヤと面白さが混じった不思議な読後感だった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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