小澤征爾さんと、音楽について話をする

  • 新潮社
4.11
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感想 : 280
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534280

感想・レビュー・書評

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  • 小澤征爾と村上春樹の組み合わせにびっくりしたが、村上春樹のインタビュワーとしての誠実さ・率直さ、音楽に対する深く真摯な愛情が、小澤征爾をその気にさせ、極めて良質の本を作り上げている。小澤征爾と一緒に色々なベートーベンピアノ協奏曲3番をききながら、あれやこれやいい、カラヤンやバーンスタイン、マーラーについて語り尽くす・・・。何とも贅沢な一冊である。
    それにしても、村上春樹の「音楽もの」は素晴らしい。どんなそのへんの音楽評論家の言葉より、その音楽の「核」のようなものを伝えていると思う。本当に音楽が好きで、その好きな気持ちを自分の言葉でしか語らないからであろう。自分は村上春樹の影響でジャズ(ポートレイト イン ジャズ)が好きになり、フルニエ(海辺のカフカ)の大ファンになった。

  • どちらもすごい知識。

  • 世界の小澤と村上春樹氏の対談形式のインタビュー本、非常に面白く愉しく読了。

    小説は同じ村上でも春樹より龍 派ですが、今作に至ってはもう村上春樹 一体何者なの?!という程の音楽知識量、また聴き込み方で驚きました。
    何しろ小澤さんとオケの細かいディテールや音楽的な聴き分け諸々を、対等に語り合っている。
    もともと音楽好きとは知っていたけど、この聴き方はもう確実にマニア。脱帽です。

    小澤さんのフランクで熱く芯の通った性格の良さが会話の端々に浮彫になっていて微笑ましかったです。

    自分自身も音楽を勉強してきましたが、ピアノ科だったのもあり、マエストロやオケの関係や繋がり、各楽器の名プレイヤーなどはあまり詳しくなかったので、その辺の流れも多くの人々と共演されてきた小澤さんの語り口でとても勉強になり楽しく読めました。

    読みながら、是非BGMとして会話に出てくる作品をかけてみるのをお勧めします。
    そうすると音楽がより身近に楽しいものになるかと。

  • 小澤征爾×村上春樹
    小澤征爾さんと、音楽について話をする

    内容は、その名の通り、 
    指揮者 小澤征爾さんと、小説家 村上春樹さんの対談です。
    村上春樹さんの奥さんと、小澤征爾さんの娘さんが友達らしく、そこから交流がはじまったそうですが、
    初めは2人とも、音楽についてきちんと話してこなかった。

    音楽=仕事だから、2人の時はそれ以外の会話の方がいいだろうと思っていたようですが、
    小澤さんが病気になり、音楽生活から離されたころから、本格的に2人で音楽について語りだした。
    その記録です。

    この本で、何より驚いたのが・・・
    村上春樹さんのクラシック+ジャズに関する知識のすごさ!
    本人は素人だと言っていますが、そんなのはるかに超えています。(後で知りましたが有名な話らしいですね)

    小澤さんより、村上さんにびっくりした空音でした(笑)

    ちなみに空音は村上小説を読んだことはありませんですが・・・(爆)

    色々な指揮者+ソリストの
    ベートーヴェン:ピアノ協奏曲を流しながら、それについて語ったり、

    ブラームス交響曲1番を流しながら、それについて語ったり、

    オペラを流しながら、それについて語ったり。。。

    曲に対する小澤さんの思い出話や、レコーディング秘話など満載です。

    ニューヨークフィル、ボストン交響楽団、カラヤン、バーンスタイン・・・

    マーラー、サイトウ・キネン、シカゴ・ブルーズ、森進一(笑)・・・
    盛りだくさんです。


    この本に出てくる言葉で、一番よいと思ったこと。
    ====================
    「レコードマニアについて」
    お金があって、立派な装置を持って、レコードをたくさん持っている人
    そういう人は、やれ、フルトヴェングラーだ、グレングールドだといっているが、
    そういうお金持ちのマニアって、忙しいから、音楽自体はちょこっとしか聴いてくれない。

    だからこの対談はそいういうマニアのためにはやりたくない。
    マニアの人には面白くないけど、本当に音楽の好きな人にとって、読んでいて面白いものにしたい。
    =====================

    まぁ、語られている内容はかなりマニアックなのですが、
    逆に言うと、やもすればマニアにしかうけないような内容を、マニアでもない人間が読んでも面白いそんな本になってます。

    私はマニアではないけれど、しっかり楽しめました。

    オススメ。

  • とにかく村上春樹のクラシック音楽についての知識がすごい。
    曲を知らないと面白くないかもしれないけれど、もう一度聴き返してみたい曲、欲しいCDが増えた。

  •  非常に面白かった。知性的、情感的な言葉にあふれ、クラシックを多少かじったぐらいの私でも、豊かな学びの時間になった。小澤征爾でなければ見えない音楽の世界を、村上春樹がナビゲーターになり導き出す。驚くのは、春樹のクラシックに対する造詣の深さ。それは知識といえど、人間と世界に対する並ならぬ洞察と感心、シンパシーがなければ勝ち得ることができないものであろう。
     そんな二人のやりとりが、心躍るように楽しかった。人間と世界の深みにもう一歩はまっていった読書の時間だった。

    15/7/24

  • 小澤さんと対等に語り合う村上さんの音楽の知識の豊富さには驚きます。オーケストラを聴きに行きたくなりました。

  • 村上春樹氏の音楽への造詣の深さとシロウトっぽさが絶妙で小沢征爾氏の話を深いところまで掘り起こしている様な気がした。小沢氏の振られた曲の数々、いろんな音楽家とのエピソードが本当に面白い。そして、言葉がわからなかったから残念なこともあったけれど、またそれで得をしたこともあると言う、小沢氏の飄々としたお人柄がきっとみんなに愛されたのだろう。最後の章での、若い人の育成に力をそそがれるところも素晴らしいと思った。

  • 2010年11月から翌年の7月にかけて、様々な場所で(東京からホノルルからスイスまで)機会を捉えて、ここに収められた一連のインタビューを行った。

    「サイトウ・キネンはどんなところで録音しているんですか?」
    「ごく普通の劇場(長野県松本文化会館)でやってます。だから音が硬いっていうか、そんなに残響がないんです。わーんがない。今いちばん良いのは墨田区のトリニティホール。あれが今、東京の中では、レコーディングするにはいちばん良いホールだと思います」

    2010年12月サイトウ・キネン・オーケストラ カーネギーホール公演
    「管楽器といえば今回のホルンの人、とてもよかったですね」
    バボラーク 「彼は今、サイトウ・キネンと水戸室内管弦楽団と、両方に来てくれているんだけれど、僕とすごく気が合う。今はベルリンをやめて、チェコに帰ったっていう話を聞いていますが」

    ミラノで浴びたブーイング

    楽団の演奏者たちはみんな僕を温かく応援してくれました。日本風に言えば、いわゆる判官贔屓っていうのかな、「この若いの、東洋から一人でやってきて、みんなにいじめられてかわいそうだ。俺たちがひとつ盛りたててやろう」みたいな。

  • 飛び出す名前はクラクラするほどの偉人ばかり。興奮さえ覚えるほどで、同タイトルのCDを聴きながら、行きつ戻りつ堪能しながら読み終えた。世界に誇る指揮者と作家の対談が実現した事が奇跡に思える。時折は村上さんの知識の羅列がうっとしく感じる所もあるのだけど、小澤さんからこれだけの事を聞き出せたのは、その知識があったからこそだろう、と思う。多少クラシックを知らないと読みにくいとは思うけど、馴染みのある人には珠玉の一冊でしょう♪暫く買っただけで満足して飾り物にしてたなんてバカだった!欲しいCDが7枚増えた…。

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