ソロモンの偽証 第II部 決意

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (715ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750116

感想・レビュー・書評

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  • 宮部さんのビルドゥングものというと、ブレイブ・ストーリーが筆頭だろうが、あれが子供に読ませたい本なら、こちらは保護者のための作品かもしれない。

    中学生は本当に難しい。 子育てに正解はない、というけれど、 中学生は思うようにならず明後日の方向に行ってしまうし、かといってそれが悪いわけでもない。
    わからん、時間もかかる、運を祈るしかないのが幼児の難しさとは違う。

    第二部は校内裁判に向けての調査編、だが、一部に続いて登場する子供達の家庭状況や心理状態が濃やかに綴られる。
    絵に描いたようなお手本家庭のお手本生徒も出てくるのは、重責を負わせるためか。
    表面的にはわかりにくい欠損を抱えた家庭で育つ子たちの事情が興味深い。その瑕にとらわれずに生き延びようとする子たちがもがき苦しむ様はリアルで熱い。

    初出は小説新潮 2006年11月号から2007年4月号で連載。
    第一部、第三部に較べると短期集中。

  • 第一部から時間があいてしまったがやっと二部へ!
    第一部で事件がおこり、三部では法廷が開かれるということで法廷準備のための第二部。

    事件の真実を探るため法廷を開くことを決意した涼子。反対意見も出るが、家族や友人の応援もあり着々と準備をすすめる。裁判に加わることになった他校の神原くん、大出家の謎、森内先生の濡れ衣は、、事態は一歩一歩真実へ!


    も〜やっぱり一気に読ませる!第一部と同じ分厚さくらいなんだけど、もうどんとこい!という感じ。

    特に今回は物語の中心の中学生たちを後ろから見守るような気分で読んだ。

    涼ちゃん、やりすぎなんじゃ!と焦るところもあり、健一くんはどんどん格好よくなるし、樹里は全くどうなっちゃうのか、そして新たなキーマン神原くんの意味深な言動、、はらはらどきどきの素敵な時間を過ごさせてもらいました。

    残りはあと一冊!終わるのが寂しい気もするけどそれ以上に楽しみ!!

  • 卒業制作の話し合いから同級生の事件を取り扱うことに。
    本当のことを知りたい。
    それはそう思う。
    だけど、ここまで行動に移せるところがすごい。
    決まれば勢いがあるなぁ。
    ただ、和彦がとても気になる。
    何か隠しているの?

    図書館から2冊借りてきたんだが、これ3冊あるのね〜。
    ガックリ!!!
    続きが気になって図書館へ行ってみたけど、第3部はまだ返却されてなかった。
    無性に読みたい。

  • ボリュームがあったが、一気読み。
    様々な噂や、報道の渦に翻弄されながら、子どもだからと、真実からは隔離される。
    そんな中学生たちが、自らの手で切り開こうと、動き始める。
    読み手にも思い込みがあったと気づかされた。
    最後まで、目が離せなかった。

  • 宮部みゆき『ソロモンの偽証』〈全三冊〉|新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/solomon/

    新潮社のPR
    https://www.shinchosha.co.jp/book/375011/

  • 映画化するらしいですね!神原和彦役はすごい演技力いるんじゃないかな~
    柏木卓也の死の真実を見つけるため生徒達による学校内裁判が行われる。
    中学生の時ってこんなに賢い人いたっけ…涼子達が高校生なら納得がいったけど。Ⅲ部へと続く伏線がどう回収されるのか期待!

  • 過去最高の一冊。

  • 第3部にまとめて。

  • 暗く重く、そして辛い第1部とは打って変わって、全体を通して明るいトーン。でも時々、薄気味悪い空気が漂う。その落差にゾッとする。

    それぞれの登場人物も、健一は家族との問題を乗り越えて、柏木兄は別の生きがい?を見つけて、俊次は本音を語れるようになってきて・・・など、みんな少しずつイキイキしてくる。
    さらに登場人物の数は増えるが、キャピキャピした女子や、明るいスポーツマン、ヤンキー少女、空手男子など、物語に華を添えるようなキャラクターが次々登場。
    登場人物は多いし、負のイメージを負わさせられている場合もあるけれど、誰一人として使い捨てにされていないところが、宮部さんの温かさ、手腕だなぁ。

    そして、何より第1部で登場した神原和彦。どことなく王子様キャラでジャニーズなカンバラ君は、本作最大のキーパーソン!映画化したら、誰が演じる?神木龍之介かな?それくらいしか思いつかないなぁ!
    でもたぶん、彼には一番重たい荷物が背負わさせられてる。あぁ、先を読むのが辛い。

    何というか。これは、これは、予想以上にハマっております。

  • 学校で起きた事件と言うのは実際のニュースなどでも曖昧な部分が多く、真実を公表しているとは思い難い。そんな状況では子供たちが学校や親の対応に不信感を持ってしまうのも仕方がないように思う。
    この作品もそんな子供たちの側に立って、自分たちで真実を究明しようと学校内裁判と言う驚く行動に出ようとする。第2部はその裁判の準備の様子が中心なのだけれど、それだけでも十分読みごたえありました。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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