- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103750147
感想・レビュー・書評
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上巻から時間があいてしまった。メインが藩内の内輪もめにしては、真相がわかったときにはすべてが終わっていた肩すかし感がある。ミステリーと恋愛もようをどちらも楽しめる、爽やかな読みやすい作品だ。個人的には、偉大な藩主の裏の顔とかを想像していたので、わかりやすい悪人がいることでわかりやすくすっきりしたな、と思わなくもない。すべての性的虐待が呪いのせいなら、どんなにか救われるだろう。
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辛くて苦しい場面と
明るくて救われる場面が交互にやってくるので、
心折らずに読めた。
でも、長いなぁ、やっぱり。
上巻で結構主要人物では!と思っていた人が
全然出てこなかったりして、
久々の長編におののいている。
由衣の和歌の意味をきちんと
理解する御館様ってすごいっす。
それだけ二人の心がきちんと通じ合っっていたからということ
ええ話やぁ、ってなったから
やっぱりもとに戻ってほしかったなぁ。
由衣にも幸せになってほしい。
魅力的なキャラは複数出てきたけれど
私は織部じぃが好きだわ。 -
なるほど。そういう結末か……。藩を揺るがす、という話ではあるけど、そこまで大事件ではないな、という気もしてきた。当人たちにとっては、死んでしまうような気持ちの話だけど……。
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いや~さすがは宮部氏!最後はきちんと優しく美しい幕切れでした。多重人格を単に”物憑き”で終わらせずに医学的見地でもってきちんと向き合い、治癒できたくだりは時代小説にあって異色であり非常に面白いと思ったのですが…そもそもの引き金として「仮面の呪具」が出てきたときに、ちょっと残念な気がしてしまいましたよ。とはいえ、たくさんのキャラクターを生き生きと丁寧に描写しきるあたりはやはり宮部氏、ページをめくる手が止まらなかったのは久しぶりです。でもなー、重興と多紀の新枕はもうちょっと焦らして欲しかった(笑)ということで、☆4.5
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下巻。
幽閉されていた先代藩主・重興の口から、幼少時代の耳を疑うような出来事が語られ、過去を知る人物を探すために多紀たちは江戸へ向かう。そして、重興の人格にたびたび登場する女の正体と、連続少年失踪事件の関係が明らかになる。
長いあいだ重興たち北見藩主を襲った呪いの真相に迫っていった訳だが、なぜ犯人たちがそこまでして三十年も怨念を燃やし続けたのかは最後までよくわからなかった。作者もそれに気付いたようで、有能な家臣の口からいったん謝罪の言葉を吐かせ、裏で糸を引いている黒幕がいそうな書きぶりになったが、あえてそこまで踏み込まず、ぐいっと大団円に向かわせていく。
いくつか疑問の残る点もあったのだが、それを補ってあまりあるストーリーテリングは堪能できた。ともに表舞台から立ち去った日陰者として心を通わせる重興と多紀、五香苑で働く人々との心情がむつまじい。あざといが、案山子の使い方も泣かせる。 -
いろいろな謎が解けていきましたが、まだ解き明かされないままの謎も残り、それが残念。
最後は良いことずくめなのもちょっと物足りなかった。
なんかうまいこと行き過ぎ?
そういうひどいことは言うたらあかんのかなぁ。 -
重興公の治療が進むとともに謎が次々と明らかになっていく。
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上下巻なのに余り長さを感じる事なく引き込まれた。
最近は心の病は普通だが、この時代だと物の怪に
憑かれたという事になるんだろうな。
最後は多紀の思いが報われて良かった。