この世の春 下

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750147

感想・レビュー・書評

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  • あー・・・いや~、さいご、こうきちゃいますか!ww

    途中、物語が壮大になりすぎて、いろいろ面倒くさっ!と気持ち的に中だるみしそうになったけど・・・

    なんか、ちょっと力入っちゃって、盛り込み過ぎな気がしなくもないけど、そこはさすが宮部サン、ってことでw

    おもしろかったけど、再読する気力はないかな、たぶんwww

  •  宮部さんが、この作品はハッピーエンドで終わるとおっしゃってる通り、めでたしめでたしでした。

     ただ、その終わり方にちょっと違和感。この内容でみんなよかったねで終わるの?虫が良すぎる結末でした。

     

  • サイコ&ミステリーというので、
    怖いのはちょっと苦手だから身構えて読んだのだけど
    怖いというよりは、悲しく切ないミステリーだった
    上下巻あるのに、結構分厚いのに
    どんどん引き込まれ、読み進めていってしまう
    これはもう、とっても好きなミステリー

  • 一気読みしてしまった。多数の登場人物が絡み合って、続きがどうなるんだーとどんどん読んでいたら、気がついたら山場が終わっていた不思議。
    それにしても重興さま強い…敵全部ひとりでやっつけてる…。ここまで事件の規模が大きくなったのはやっぱり国のトップが関わっていたからなのか。敵父娘が恨みを抱いた対象がお殿様でなければもっとスケールの小さい話になっていたのかも。多紀のロマンスももちろん良かったけど、個人的には親子の絆みたいなものがいろんな形で描かれていたのが良かった。ハッピーエンドで安心した…

  • さすがに宮部さんと云う作品。前半よりもどんどん面白くなって一気読みだった。このテーマで時代物って、あって不思議はないんだけど、その組み合わせに感心する。メインの登場人物だけでなく、その回りに出てくる各キャラクターがそれぞれ魅力的に描かれている。改めて、さすが、宮部さん!

  • 時代ミステリー小説。

    上巻の伏線を無理なくつなげて真相解明しているのは見事です。
    江戸時代ということで科学的検証ではなく証人の証言で解明していくことで、ご都合主義に陥っていないと思います。
    それにしても、そこまで過去の事件の真相究明をするのかと思わないでもないですが、この追求姿勢が宮部さんらしいですね。
    最後は恋愛物語となっていて感動的でした。
    最後の一文を読み終えた後、悲劇の廃村に積もった雪が融け、花が咲き、動物がいて、その中に二人が仲良く幸せに暮らしている姿が目に浮かびました。

  • 上半期のモヤモヤを吹き飛ばしてくれる傑作だった。一気読みしたい衝動を抑えながらわざと引き伸ばして読書したのはいつ以来だろう。

    ホラーの雰囲気をまといながらも、連続した不審事件と並行していくストーリー。作者の時代小説では、この世の理を超えた現象がしばしば描かれるので、合理的に割り切れるのか怪談として決着するのか、読者は最後まで翻弄されることになる。

    医学的アプローチによる心の分析がメインとなる後半では、陰惨な過去の因縁が浮かび上がり、一気にサスペンス色が濃くなってくる。倫理的思考によって明らかになる凄まじいまでの怨念という展開に圧倒されて、合理主義と非合理世界が混在するお話もアリだなーと納得してしまった。因縁の要因に強引さを感じないでもないが、この着地は確かに割り切れる。

    キャラ造形の巧みさについては言うまでもないが、それでもやっぱり素晴らしい。身分や立場は違えども、逆境に抗い懸命に生きる人々の清清しさに感じ入って共感しまくり。そんな中で自然と形成されていくチームによる謎解きは正に本格ミステリで、にやけ笑いが止まらない。

    たまには時代小説も読もう。

  • 初読。図書館。謎が徐々に解き明かされながら、ラストを一体どちらに転がすつもりなのかドキドキした。宮部さんらしい温かく泣かせる結末なのか、もう1回どんでん返しして背筋の凍る恐怖の結末なのか。どちらも書ける作家さんだからなあ。結果は温かいほうだった、わずかに闇の謎を残したまま。困難な未来が予想され、手放しで単純には喜べない結末だからこそ、これまでの苦悩の深さと、立ち向かう人の強さと、物語の味わい深さが感じられた。さすが宮部様です。
    下巻の帯は「前代未聞の大仕掛け、魂も凍る復讐劇」でした。これも上巻同様煽り過ぎでは?

  • 心の傷を負った重興を五香苑の面々が癒し再生していく物語。
    上巻で感じた謎を紐解いていく下巻でした。重興自身のやさしさと、周りの人間のやさしさがあってこその再生。
    北見藩に降りかかった呪いの、最初の被害者となった重興のやさしさが、被害の拡大を食い止め発覚を防ぎます。しかし、彼一人が抱え込むには大きすぎるために、心身の負担となり別人格の発現という怪異・乱心、そして押込になってしまいます。
    その先に待っていたのは、過去との対峙と決別。そして、新しい未来。

    タイトルは、読み終えてこそしっくりきます。上巻ではなぜこのタイトル?と思うのですが。
    読み終えた後の、重興にしっくりきます。

    でも、タイトルの心情に一番近いのは爺でしょうね。

  • 重興の辛い過去が明らかになっていく。市井の男子を巻き込んだ呪いに怒りが湧き哀しみをおぼえる。呪うという事に踏み出した者たちの怨みのもとは理解しきれなかったけれど、心を縛る呪いを解きつつある彼にほっとする。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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