この世の春 下

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750147

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった、確かに面白かったし、時代小説でこの題材って珍しいのでは。
    とは思いつつも、御霊繰とかちょっと風呂敷を広げすぎというかうーんという気もする。
    狭間の九蛇や桐葉の部分は、読んでるこちらも背筋が寒くなるほどで、
    どうやって防げばのか途方に暮れてしまうところ。
    でも、結局は当の本人はあれなわけで、ちょっとここぞ!という流れでトーンダウンのような。
    由依の方は素敵だったし、美福院さまも重興さまの事を考え抜いた結果の対応も、なるほどという感じでほどよくご都合主義な部分がないところが良かった。

  • 相変わらず読みやすい。初めて「レベル7」を読んだときのことを思い出しながら、中断して再開するたびに楽しく読み進めた。
    恋愛要素のようなものが織り込まれてはいるが、最終章でその決着後、男三人が真相を語らう場面を見て、こちらの方が筆が乗っているように感じたのは気のせいだろうか。それにしても白田医師の現代精神科医ばりの開明さには参った。好き。

    惜しむらくは自分の時代劇経験の浅さ。そのせいで、「犯人」の動機であった狭間と陰廻の統合がどうしてあそこまでの憎悪をたぎらせることになったのか、その点がつかめずじまいだった。

  • 2021/11/4読了。

  • 上巻は辞書を片手に言葉を逐一調べながら読みましたが、下巻は夢中になってどんどん読み進めることができました。

    サイコ&ミステリーな時代小説として読んでいましたが、重興乱心やその背景の謎が解き明かされてくる後半は、重興と多紀の恋心も明確に描写され、途中までの重苦しいストーリーを払拭する清々しい結末を迎えます。

    新潮社版装丁の話で恐縮ですが、最初、少女漫画のような人物の絵に違和感がありました。が、多紀のお館様を想う気持ちと重興の多紀への労わりの気持ちが、恋心へと転じていくのを表しているのだと思いました。
    重苦しく暗い背景で二人を背中合わせに配した上巻と、明るく桜が咲いた神鏡湖畔で二人が向かい合って佇む下巻。よく考えられていると思います。

    作家生活30周年記念作品とのことで、作者の魅力が詰まった渾身の一作といった感じでした。
    また、作者の長編作品を読みたいと思います。

  • 予想がつかない展開で、久しぶりに寝る間を惜しんで読みました。
    でも、結末が…ハッピーエンドだから良しとするのか。何となく、拍子抜け感あり。

  • ざまをみろ。父を殺したとき、そして、刺客を討ち取ったとき、北見重興が発した言葉。元藩主とは思えぬその言動に、どんな因果が秘められていたのか……。
    名君と仰がれた今望侯の狂気。
    根絶やしにされた出土村。
    城下から相次いで失踪した子ども達。
    すべての謎は、重興の覚醒とともに真実へと導かれる。

  • 上巻が割とダラダラした感じがあったけど、下巻は一気に!内容的に何かモヤモヤする嫌な感じの話だったから、あんまり読後感は良くなかった。

  • 下巻は、何だか怨念めいてばかりだった。
    この時代に人間の精神の有り様を、分析する
    医師なんて、と 思ったけど。
    最後はどのように終わるかな、どんでん返しが
    あるかと期待したけど、ハッピーエンドだった。
    タイトルに疑問を持ったけど、彼らと地域の
    未来が発展する気配を感じて、、、少し納得。

  • 湖の髑髏はやはり神隠しにあった子供のもの、父親が子供を苛んだ理由も分かった。結局村の焼き討ちの件は誰が首謀者だったのか分からなかった。なんか最後は恋愛小説みたいになって、ちょっと残念。

  • 上巻を読んだ後、取り憑かれたように下巻を読み進めた。読み終えてからは何となく肩の力が抜けたような、程よい爽快感があった。ドキドキする場面もあり面白かった。
    しばらくしたらもう一度読んでみようかな。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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