千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105900601

感想・レビュー・書評

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  • アメリカ在住の中国人の、英語で書かれた中国小説の翻訳小説。ややこしい?(^^;)
    つい最近、芥川賞の候補になった「ワンちゃん」って作品も日本語で書かれた中国人による小説だし、ここ数年、日本でも母国語じゃない日本語でレベルの高い文章を書く外国人が多く出てきますよね~?
    これ、NHKの「週間BOOKレビュー」での書評を聞いていてとても惹かれて読んだのですが、うん、よかったね~。あの共産国もたいがいな資本主義になってきたことで、実際の中国の本当のところの匂いってのが感じれる1冊ですかね?
    でも、やっぱり本国では書けないのかな~・・・?そこはまだまだ共産主義?
    たしかアメリカで賞を取ったため話題になった1冊です。

  • 会話に出てくる毛沢東とマルクスの使われ方が興味深い。
    天安門事件から20年。戦車の前の当時の若者を思い出す。
    ※中国の人とこの本について語る。

  • 中国で生まれた作者が、英語で中国を綴り、それを日本語で読んで
    改めて国の違いを考える。言葉を考える。
    人が生きているのはどこも同じなのだけど。

  • 中国人の作者が英語で描いた中国。
    言語が変わると距離感が変わってくる。
    乾燥した大陸の大地が伝わってくる。

    現代の日本に住む私から見ると、登場人物達の価値観はかなり異なる。
    時代遅れとも違う、資本主義と社会主義の違いが大きく横たわる。
    平等といいながら、支配する者と支配されている者の関係がある。

    それを平民の側で見ながらも肩入れする事はなく、あくまで第三者の視点になっているから構図がより明確に見える。

  • うつくしいです。

  • 中国を舞台にした短編が十編、収められている。
    著者は中国に生まれ、優秀な成績をあげてアメリカに渡り、現在もアメリカに暮らすインテリ中国人だ。
    そのプロフィールと作品世界は切り離せない。どの編も、中国に生まれ、外からあの国を見なければ書けないような物語ばかりだ、と思う。
    あの国の貧しさや痛ましさ、抑圧やあきらめが、感傷にぶれない乾いた視点で、淡々と語られている。声高な主張はない。そのぶん、ひたひたと沁みてくるものがある。
    哀惜、寂寞、という言葉がぴたりとくるのに、妙なセンチメンタリズムはない。どこか視点が客観性を帯びているからだろうか。
    似たような印象に、同じく中国人の楊逸がいるけれど、彼女の著作よりも立ち位置がぐっと引いて、品のある、いい意味で醒めている感性があるように思った。

  • わかりました。

  • この方は中国人ですが、英語で文章を書きます。

    中国語で書くと「自己検閲してしまう」からだそうで。                       

                                                      

    毛沢東の文化大革命のち天安門事件をへて、レーニン主義 が崩壊しつつあるなか経済のみを資本主義化するという道をえらんだ中国。

    て・わたし歴史よく知らないのでなんとなくですが。。。                         

                                                              

    まあ、そんな時代を背景とした短編集です。

    まさに大きな時代変革のうねりのなかを生きる様々な人たち。

    抱え込んだ孤独のあまり偏った愛や思想を抱く彼らの日常が、

    まじで?と思うくらい淡々とした文章で描かれます。                           

    知らぬ間に入り込んでしまうこんな文章は初めて読みました。

  • 角田光代さんのお勧めの本。 中国文学ですが、人生の機微がよく描かれています。 特に表題作の『千年の祈り』が心に響きました。

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著者プロフィール

1972年北京生まれ。北京大学卒業後渡米、アイオワ大学に学ぶ。2005年『千年の祈り』でフランク・オコナー国際短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞などを受賞。プリンストン大学で創作を教えている。

「2022年 『もう行かなくては』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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