写楽・考 (新潮エンターテインメント倶楽部SS 蓮丈那智フィールドファイル 3)
- 新潮社 (2005年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106026584
感想・レビュー・書評
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写楽最後だけですか
その謎が読みたかった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表層に囚われては、未知を射抜くことはできない。理性に拘泥しては、あり得べき真実に至ることはできない。想像を放棄しては、歴史を覆すことはできない。まったく新しい切り口で「あの絵師」の謎に迫る、民俗学ミステリ、シリーズ最新刊。またしても暴かれる歴史の闇。異端の民俗学者が、日本美術史上最大の謎、「あの絵師」に挑む。
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「憑代忌(よりしろき)」「湖底祀(みなそこのまつり)」「棄神祭(きじんさい)」そして表題作の「写楽・考(しゃらく・こう)」。先の三篇ともに五十頁程度なのに対し、最後の「写楽・考」は百頁ほどの量。
最後の話、あまりに長いんで驚いた。もう一篇あるとばかり思っていたからな。けど、その文話に膨らみがあって面白かった。
那智先生の活躍、読みたいなぁ。 -
三國さんの弱気度が更に上がった気がする。
先生と助手の女性陣二人が強力過ぎるのか読んでいてちょっと可哀想になることがしばしば…。
狐目の人の名前が3冊目にしてようやく明かされたのが一番印象強かったです…。話的には人が死ななくても民俗学的謎解きで十分面白いんじゃないかな、と思うようになってしまいました。 -
うーん?
北森鴻の本好きなはずなんだけど、期待感が大きすぎたか。 -
異端の民俗学者・蓮丈那智とその助手・内藤三国がフィールドワーク中に出会った事件を集めた短編集。
「憑代忌」「湖底祀」「棄神祭」「写楽・考」の4編収録。
ついに最終巻です。
そして、気になっていた狐目の彼の名前がついに出てきました。
それを見て、やっぱりこれが最後なのだなぁ、と寂しくなってしまいました。
大学に流布した都市伝説と憑代(よりしろ)の変換についての「憑代忌」
湖の底で発見された鳥居についての「湖底祀」
日本書紀に出てくる保食神(うけもちのかみ)と破壊される神についての「棄神祭」
式家に伝わるという絡繰箱と洋人画、そして仮想民俗学についての「写楽・考」
「憑代忌」の憑代の変換についてと「写楽・考」のラストにでてくる発想は面白かったです。
ただ、ところどころで読んだことがあるような気がしたのです。
「棄神祭」で出てくる御厨(みくりや)家と「写楽・考」に出てくる絡繰箱の正体から洋画家と絵師についてなど、なんとなく覚えがあるのですけど・・・。
ちょっともやもやしています。。。
でも全体的に、民俗学的には『Ⅱ』のほうが面白かったかなぁ。
しかしこれで最後なのですね。
長編が読んでみたかったなぁ。 -
こんなにあっさりした話だったっけ?久しぶりに読むからかな?いつも以上にミクニくんが活躍(?)してます那智先生あんまり出てこない印象に
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相変わらずの中編連作民族ミステリー。
もう3作目だけど、まったく飽きない。
正直民俗学だけで語ってくれて全然かまわないほどの密度の濃さで、ミステリーなんかいらない。人死ななくていい。 -
蓮丈那智シリーズ。相変わらず民俗学に関する考察も多く、読んで勉強になる作品。今回は別シリーズのあの人も登場! ……というか、最近の北森作品シリーズものは、ことごとくキャラがリンクしてるなあ。豪華で嬉しいけど。
この中では「憑代忌」が好き。もうどろどろで恐ろしい物語。事件そのものもそうだけど、三國の写真の謎が……あまりに怖いよなあ。さらにその行動がたいした「悪」として捉えられてはいないだろうところが、最大に怖いお話。