天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書 2295)
- 中央公論新社 (2014年11月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022950
感想・レビュー・書評
-
天災の恐ろしさ、それへの対策の仕方について、古文書から読み取り現代に生かそうという本。
とても参考になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
記録に残っている範囲でしか研究対象とすることができないため、地球の歴史という大きな時間軸で見ると、範囲が狭くなってしまうのが残念。
そのため、そこから導かれる天災予測も明日の行動の指針になるような明確なものではない。
ただ、災害時に身を守るのは、結局自分しかいないという事実は改めて納得。極限状態で、あれもこれも考えるのではなく、とにかく自分の身を守ることだけを考えるべきという力強いメッセージがそこにある。
忘れ物を取りに帰るといった安直な行動は厳に慎むべき。 -
20150308読了
-
天災から身を守るためには歴史から学べるものが多い。天災をどのように防ぐか。前兆の記録や対処法を古文書から引っ張り出し、その教訓を読者に訴えます。
こういう本の内容は一般的には解説書風になってしまいがちですが、本書はドキュメンタリー仕立てになっていて、その文章の迫り来る気迫さたるや、戦慄を覚えます。
僕の住む宮崎は、日向灘地震が来ると昔から言われています。本書を読んで、地震・津波発生時の対処法を再認識させられました。とにかく高いところへ逃げる。荷物を取りに戻らない。先ず自分が助からないと他人も助けられないから、自分の安全を最優先する。等。先人の誤ちを繰り返さないよう、肝に命じます。
文章に引き込まれて一気に読めました。僕の評価はA―にします。 -
2015年2月新着
『武士の家計簿』の著者、または「忍者研究学者」、そして「災害史研究学者」として知られるイソダ先生の新書。秀吉・家康あたりから江戸の宝永期(元禄直後)、そして幕末、明治から現代へと、時にはその史料を追い求める先生自身のエピソードもまじえて内容たっぷりに詰め込まれている。東日本大震災のおり、神社は流されずに残ったところが多かった。それは、過去の歴史に支えられた知恵だったなど、先生が災害史に取り組む情熱の根源が見える。まだ余人は踏み込んだことのない分野を切り開くのは、やっぱり熱意なのだな、と実感。 -
「武士の家計簿」の原作者が何故防災?と思い読んでみた。がしかし、作者は日本防災史(そんな学問があるかは不明)の大家であった。後半の昭和南海地震の津波被害は、南海トラフ対策に取組む上で非常に重要な情報であった。東北震災の堤防高さの話もあったが、どんな規模の災害が来るのか?津波の高さ?発生する被害?は科学的解析予測も大事だけど、歴史的事実ほど説得力がある根拠はないだろう。作者の丁寧な情報収集に敬意!森繁久彌の話も良かった。
-
参考までに。「日本災害史」という分野があります。(2011年以降盛んになってきた分野です)
磯田さんが大家かどうかは分かりませんが、古代史...参考までに。「日本災害史」という分野があります。(2011年以降盛んになってきた分野です)
磯田さんが大家かどうかは分かりませんが、古代史では北村優季さん、近代史では北原糸子さんが災害史研究では有名です。
北原さんは元英文学者から転向して、歴史学の専攻を始めたというちょっと変わった経歴の人物ですが、災害社会史分野では白眉といっても過言ではないでしょう。
是非、ご高覧してみて下さい。2015/03/24
-
-
長年、地道に資料を調べた成果だと感心した。古文書でここまでわかるんだなぁ。
-
にち10を聴いて購入。
次に異動する事があれば、災害の歴史を踏まえた住居選びをしよう。 -
勉強になりました。