- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024282
感想・レビュー・書評
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参院選に読了が間に合わず!
それにしても、今回の参院選は事前の想定通りで、与党の勝利という結果となった。この本に書かれている通り、しぶとい強さを発揮している。
それにしても、下野した時に対民主党戦略として、右傾化した政策を打ち出したとは知らなかった。その後の民主党及びその成れの果ての政党の状況を見るにつけ、何のための政権交代だったのか、さらに自民の右傾化まで招いたとしたら返って状況を悪化させただけとも思える。
若い世代の自民支持率が高いことも理解できないが、ちゃんと政治に向き合ってこなかった我々世代の責任なのだろうと感じる。 -
自民党の歴史をなぞりながら現在の自民党を考察する。
どちらかといえば読み物というよりは資料的な印象か。
自民党は決して固定票だけでない。政治改革以降は組織票には陰りが見えるが、風+固定票としての強みはまだ生きている。
しかし、こうやってみると政治改革や二大政党制ってなんだったのだろうなぁ。。。総括が必要。 -
結論は穏当ながら説得力に富んでいる。
友好団体の章の経団連と宗教団体、そして、地方組織と後援会の章は知らないことが多く、興味深い。
#整理
・中選挙区制度は派閥を必要としたが、金権体質を産み、小選挙区制度が求められ、首相の権限の強化と相まって、派閥の弱体化に繋がった。
・選挙においては、1.無党派層獲得のための強い党首、2.固定票としての自公連携 -
第1章 派閥―弱体化する「党中党」
第2章 総裁選挙とポスト配分―総裁権力の増大
第3章 政策決定プロセス―事前審査制と官邸主導
第4章 国政選挙―伏在する二重構造
第5章 友好団体―減少する票とカネ
第6章 地方組織と個人後援会―強さの源泉の行方
終章 自民党の現在―変化する組織と理念
著者:中北浩爾(1968-、三重県、政治学) -
現在、圧倒的な強さを示している自民党について、その組織がどのように動いているのかという点から理解できるように書かれています。歴史的な成り立ちについても書かれていますが、それよりも、いまの戦い方(直近の戦い方)に重点が置かれていると思います。派閥とは何なのか。派閥政治からの脱却がもたらしたものは何か。そこから最近の自民党の強さと、脆さを知ることができます。これからの日本政治を知るために。一党独裁になるにしても、二大政党制になるにしても。この自民党という戦後政治を作ってきた存在を学ぶことは避けられないと感じました。
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平成31年現在、一強状態にあるとされる自民党について、党の文書や機関紙・一般紙の記述や数量的なデータ、そして関係者へのインタビューなどを駆使し、派閥、総裁選挙とポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会、理念といった多様な視覚から、包括的に分析、その実像に迫ろうと試みている。
本書では、1980年代半ばを55年体制下の自民党の完成期と位置づけ、それとの対比で現在の自民党を捉えており、衆議院での小選挙区比例代表並立制の導入をはじめとした1990年代の一連の政治改革及び民主党の台頭を要因として、自民党は組織や理念の点で大きな変貌を遂げたと分析している。自民党の強みであった派閥や友好団体による固定票、地域組織等は弱体化しつつも、連立を組む公明党の存在を含め、自民党が保持するリソースは他党を圧倒し、それらを安倍政権も活用しており、長年にわたって築かれた自民党の優位は、簡単には覆らないだろうと結論づけている。
本書により、過去及び現在の自民党の姿を、包括的に理解することができた。特に、衆議院の選挙制度について、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制へと変更した政治改革の、自民党の在り方への影響の大きさを認識した。また、現在、「一強」といわれる、自民党、そして安倍政権であるが、近年の自民党の絶対得票率の低迷や政治的リソースの弱体化に鑑みると、必ずしも盤石とはいえないということも感じた。
本書について欲を言えば、他の政党よりも充実していると思われる自民党の事務組織についても、言及してほしかったと思う。しかし、現時点での自民党の全体像を捉えるのに、最良の一冊であると感じた。 -
2017/04/26 初観測
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①1994年の政治改革②民主党への政権交代 が今の自民党を形成していく上で大きなインパクトを与えたというのが印象的。特に①に関して、今まで自分は「ふーん、小選挙区比例代表並立制にこの時に変わったのね」というくらいの認識だったが、自民党・派閥に対して大きな変化だったことを知る。
政治学ちゃんとやるべきだった…真面目に勉強しよう… -
1980年代、自民党の衆議院議員には女性がいなかったことに気づかせてくれた。