富士 (中公文庫 た 13-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (638ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122000216

感想・レビュー・書評

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  • 3月末現在、2014年暫定ベスト本(フィクション)。狂気とは何なのか、そのわからなさが饒舌な文体と個性に満ちた患者たちのキャラで彩られ、とても面白く読んだ。肩書きとしては医師、病院の職員、町の者であっても、彼ら彼女らと「患者」との境目はわからなくて、終盤の乱痴気騒ぎがそれを物語っている(ここは本当に読んでいて面白かった)。内に迫る人間の本質を描きつつ、娯楽性も高い。「面白い」本として、気の会う友人に勧めたい一冊。

  • 大作過ぎてレビューなんかとても書けないな〜。この世界観は何処から来るんだろう。精神が削られました。

  • 長くて、読み易くはないけれど、これぞ文学って感じかな。

  • 旭川などを舞台とした作品です。

  • 戦時下の精神病院が舞台。ある意味究極な舞台でフロイトを論じてるようにも見れなくもない。誰が神で誰が狂人で誰がまともなのかわからなくなるのを、生臭い精神と肉体を使って表現されていてよいです。

  • おもしろい、はまる。

  • 武田泰淳の「富士」を読み続けた二週間、どっしりした読み応えと引き替えに心の平安を失う。戦争や神、精神病、天皇制と重厚なテーマ性ありげな作品なのだが、むしろBL的鑑賞にも堪えうるキャラ設定と独特なユーモアのある日本語で、単純にカオスな群像劇として楽しめる作品だった。

  • 20090814-20090826

  • 「草をむしらせてください」
    「くりかえしの恐怖」

    ありたきりな喧しい狂気に非ず。並みの慈愛ではこれは書けない。
    大怪作にして大傑作。

  • 文庫で厚さ2.5センチという堂々たる体型。そして中身も濃厚。終戦間際の精神病院が舞台___というだけでスゴそうなんだが、ずしんと読ませる。泰淳さんがこれまで考えてきたこと、感じてきたことをもの凄い力で押し込んであって、毛細血管の隅々まで書き込んである気がする。

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著者プロフィール

武田泰淳
一九一二(明治四十五)年、東京・本郷の潮泉寺住職大島泰信の息子として生まれる。旧制浦和高校を経て東大支那文学科を中退。僧侶としての体験、左翼運動、戦時下における中国体験が、思想的重量感を持つ作品群の起動点となった。四三(昭和十八)年『司馬遷』を刊行、四六年以後、戦後文学の代表的旗手としてかずかずの創作を発表し、不滅の足跡を残した。七六(昭和五十一)年十月没。七三年『快楽』により日本文学大賞、七六年『目まいのする散歩』により野間文芸賞を受賞。『武田泰淳全集』全十八巻、別巻三巻の他、絶筆『上海の蛍』がある。

「2022年 『貴族の階段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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