富士日記 上巻 改版 (中公文庫 た 15-6)

著者 :
  • 中央公論新社
3.90
  • (156)
  • (101)
  • (182)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 1409
感想 : 132
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028418

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 文学
    これを読む

  • 山にセカンドハウスを買って、山荘暮らし。日記の端々から実直な生活ぶりが窺えます。恐れながらも自分が日記を書くときの参考にさせてもらっている作品。

  • 富士っていいところなんだろうな〜。って思わせてくれる。人間の生活の営みが感じられる作品。

  • どうして、2昔前の知らないお母さんの日記に、こんなに心惹かれるんだろう。
    やっぱり「ここではないどこか」への憧れかな。
    ご主人が亡くなった後、途切れ途切れになっていく終わり方が切ない。

    母が亡くなった後、家計簿に付けている日記を読むことを想像したら、泣きそうになった。

  • つい癖で早読みしてしまいそうになるけれど、意識してゆっくり読んだ。行間を読む(?)ことで、時にゆったり、時にあわただしく過ぎる生活の像が浮かび上がるようだ。腹立ったりなんだかんだしながらも支えあっている夫婦の姿も素敵だな。と思いながら読んだ。「くらす」って素敵。

  • 2016/03/11 何度目かの再読

  • 武田百合子氏か富士山での暮らしを綴った日記文学。あけすけに書いてあるところが面白くて声を出して笑ってしまった。こういった、情景が浮かんでくるような日記はなかなか常人が書けるものではない。50年ほど前とは思えないほどみずみずしく感じる。中下巻も読みたい。

  • 1年ほど前から読んでて、ようやく読み終わりました。
    名文とのことですが、日常の日記なので、面白くないといえばそうかもしれません。
    しかし、こんな日記はなかなか書けないものでありましょう。長い日は結構長いし。
    武田泰淳を夫にもつ作者ですから、交流も作家や編集者などだったり、近所というか富士山山荘に近くにすむ人々だったりと様々な人たちが描かれてます。
    あと、食べた物とか価格を細かく書いてるので、当時を思い出す資料にもなってると思います。
    あと2巻は読むかどうかわかりませんが…。

  • 小説家の奥様=大人しくて奥ゆかしい人。という勝手なイメージを荒々しく華麗に壊していく。小説家の旦那さんの方が大人しく普通の人のように見えるほど。
    当時富士山麓で暮らすのは大変だったんだなあ。そして当時から富士に登るのは人気だったのか!

  • 上中下巻をまとめて書きます。

     昭和13年から昭和51年の日記なので、最初は風物の様子がよく想像できなかった。でも、日記だから日々の出来事とそのときの筆者の感覚が書かれている。
     するとだんだんと筆者の五感を通してこちらにも山小屋での日々の暮らしの風景やら匂いやら空気の冷たさが伝わってくる。
     私も富士山の周辺に暮らしていたことがあるので、登場する富士吉田やそのあたりの地元住民の性格や方言がおもしろかった。こんな人いるわなあ。
     とにかく日記なので筆者の心情が遠慮なく書かれていて、若い兄ちゃんたちに卑猥なことを野次られて怒鳴り返したりとか、駐車場所でもめてまた若い兄ちゃんたちと言い合いになったりとかしていて、結構喧嘩っ早いところがおもしろい。終止、作家の旦那さんと娘には「やめて…喧嘩しないで…」みたいな感じで思われているのがいい。
     そして、旦那さんへの愛がずうっと書かれていて、本当に旦那さんが大好きなのだなあと思う。多分旦那さんも筆者もクセのある性格だと思うけど、お互いに相手が大好きだというのが伝わってくる。まあ夫婦喧嘩もたまにされてますが。
     
     料理研究家の高山なおみさんの日々ごはんを思いだした。富士日記がお好きだと書いてらっしゃったけど、その通りですね。

  • 不思議な面白さ。

  • 読書部課題図書その15

  • ご飯のメニューがすごくおいしそうだった。
    昔の生活のおおらかさ(車の運転とか)がいいなと思った。

  • 百合子さんはおもしろい。

  • 上巻だけ、だが。
    この富士日記を絶賛する読書人は、多いらしい。未読である僕は、「なぜ?。主婦の身辺雑記エッセーでは?」と思っていた。
    でも、読むと引き込まれる。本当に何気ないことしか書いてないのに、深いところが揺すぶられるような気がする。衒いのない文体と素材であるはずなのに。

  • 資料番号:010805927 
    請求記号:915.6タ

  • 静かなお休みの日にぴったりな本。
    犬が星見た、の人とは四半世紀気づかんかった。

  • 武田百合子さんの純粋無垢な視点がとても鮮烈。
    寝る前に2~3日分を読むというスローペースの読書でしたが、
    充実感がありました。面白かった。

  • 枕頭の書ともいいましょうか。瑞々しく素直な文章に心安らぎます。ポコが死んじゃう場面は何度読んでも滂沱の涙です。天衣無縫めちゃいいオンナ。百合子さんの大ミーハーです。

  • やっぱり、百合子さんの[目]は凄い。そして、この素直さが、いい。

  • NHK「グレーテルのかまど」で、チョコレートパフェを紹介。

  • 富士山の麓の別荘での生活を、何をしたか、何を食べたかなど書いているだけなのに、読んでいて飽きない。大変そうだけど、こんな生活がしたいなあと思わされる。

  • 私にとって、幸福の象徴。

  • わたしわたし!な日記ではなく、日々の生活そのままが描かれたメモに近い日記だけど、何回読んでも面白い。とりあえず別荘に行きたい気分の時に。

  • 富士の別荘での、淡々とした日常の記録。
    気ままに自由にのびのびと生活されてる感じが好きです。
    他人の家族の生活をのぞき見てるようで、色々細かいことが気になったり、笑えたりしますが、全体的に雰囲気を楽しむ作品だと思います。

  • 上巻 昭和39年7月~昭和41年9月まで

    昭和38年の暮れに富士の裾野に山小屋を建て、昭和39年晩春から東京赤坂(自宅)との往復の生活をする。
    著者武田百合子さん1925(大正14)年生まれ。夫は作家の武田泰淳さん。一人娘の花ちゃんは小学生、ペットの犬のポコ
    日記のほとんどは富士子さんが書いているが、時々泰淳さんと花ちゃんも書いている。内容は赤坂からの往路と山小屋での生活とその帰路まで。日々の出来事の他に、家計費明細と一日の食事内容も記入されている(花ちゃんが書いた日は誰が(ポコを含む)何を食べたかまで詳しく書いてある)。

    この本の紹介には「独特の文体で…」と書いてある。読み始めるとコミックの『サザエさん』を思い出す。会話などから昭和の時代の同じ匂いがする。
    富裕層の乗物だった自家用車を、そろそろ一般庶民も手にいれだす時代でしょうか、道はまだまだ悪路で、運転技術もマナーも定着していない。車はちょくちょく修理・部品交換が必要で、道のあちこちで事故車を見かける。富士子さんの運転する車もそれを免れない。山小屋もあちこち修繕したり、庭を整えたりで職人の手が絶えず入る。そんな職人やガソリンスタンド、商店などの地元民との濃密な交流が更に時代を感じさせる。

    日々の日記と共に、ところどころに各界の著名人の死亡が記されている。中井貴一さんのお父さんの佐田啓二さん、高見恭子さんのお父さん高見順さんの名前をそこに見たときにはなんだかドキリとした。

    表紙は泰淳さんが書いた画

  • 上中下巻セット

  • いつでも新鮮に。

  • 今ならブログ向きかな?他人の生活を覗きみることのたのしさ。

  • 百合子さんは自然体100%の人。
    毎回出てくる食事の献立も組み合わせ的に不思議だったり、美味しそうだったりとあれこれ想像出来て面白い。
    何故か読んでる途中にゴハン作りたくなります。
    多分、これからもずっとずっと手許に置いて読み返したりするんだろうな。

全132件中 31 - 60件を表示

著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

武田百合子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
魚喃 キリコ
岡崎 京子
魚喃 キリコ
川上 弘美
村上 春樹
ボリス ヴィアン
荒木 陽子
高山 なおみ
高山 なおみ
神蔵 美子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×