- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122033924
感想・レビュー・書評
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何度も読み直すほど好きな小説。
摂関政治から院政への過渡期。
道長の次の世代はあまり知らなかったからその点でも面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
永井路子王朝三部作『王朝序曲』、『この世をば』、『望みしは何ぞ』の
三作目にあたる。
『望みしは何ぞ』は、藤原道長の息子・能信を主人公に据えた小説。
『この世をば』の続編として読むことができる作品。
物語の主軸としては、道長の正室・倫子所生の頼通、教通に対して、
正室・明子所生の頼宗や能信は出世の面で遅れを取っていることなど、
同じ道長を父としながら隔たっている2つの血の相剋に焦点をあて、
中でも能信を主人公として、この時代を描いている。
個人的には、『王朝序曲』と『この世をば』と比べると、
面白みが少なかった印象。
主張したい視点(鷹司殿と高松殿を対比させる)は、
面白いと思ったのですが、一つの物語として小説としては少し単調で、
人物にも魅力が少ないように思い、流し読みしてしまった感があります。 -
「この世をば」の続編。前作ではしっかり者で子供思いの姉さん女房である道長の妻倫子の印象が、がらりと変わる。
「この世をば」の前作「王朝序曲」もあるけど、短篇集「噂の皇子」もサイドストーリーとしておもしろい。 -
藤原道長の時代から白河上皇が誕生するころまでの時代。
道長の子供である能信が,天皇の座に付くのが難しかろうと思われていた皇子やその母に目をかけ,その皇子が天皇の座に着くまでの権勢の奪い合いを描いた作品。
ほとんどが,出世とそれに関わり我が娘を皇太子に入内させようとするやりとりに終始した話である。
天皇や皇太子,皇后などの人の死が,悲しむまもなく次の権力闘争に発展して行く様を,「死はたちまち野望の炎の中にくべられ,やがて忘れ去られる。その後に来るのは非情なまでに賑やかな祭りのざわめきである」と著している。まさに,その情景を言い得ている。 -
「この世をば」の事実上の続き。
藤原氏全盛期を経て、やがて院政へ移行していく過渡期の様子を、道長の息子・能信を通して描かれる物語。
藤原氏にとっては、斜陽期に入っていく物語だからか、購入した当時はそうでもなかったけど、年を経て読み返したら、三部作で一番面白いかも知れないと思った。
(けど、王朝序曲が特別好きなので、一番の座が素直に譲れない(笑))
三部作+噂の皇子を、ワンセットにして何処かで出してくれないかしらん。 -
こちらも何度読んだことか。
男性側の視点で語られがちな政治の世界を女性側から読み解いているから、面白い。
後三条天皇は、藤原氏を外戚としないと習ったけど、厳密にいうと違いますよね。
教科書に道長の息子たちは、頼通ぐらいしかでてこないけど。これでしっかりと、系図が頭に入りました。 -
主角是道長妻子明子所生高松系的兒子能信。一開始輔佐道長女兒妍子,沒想到妍子居然只生下女兒,馬上成為道長系被冰的一支。道長和兒子鷹司系的賴通、教通兄弟在後宮繼續角力,為生皇子皇女一喜一憂,哥哥賴宗也投入這個戰場。但是一直在妍子女兒禎子身邊與冷宮無異的他,終於也等到禎子嫁給當時還是東宮的後朱雀,生下尊仁親王,甚至日後即位。禎子沒有任何靠山,一開始是帶給自己母親不幸的種子,但是靠著她的堅韌和能信的陪伴與機智,尊仁最終在沒有任何靠山之下也立了東宮,而東宮時代與能信養女茂子生下的貞仁是日後的白河法皇,茂子是第一個破了非攝關家生下皇子還能即位的特例,而白河法皇也是撕裂攝關家政治的開端。這個展開非常有趣。這個以能信為主角的故事對我而妍相當新鮮,而大概好一陣子沒讀平安朝的書早就忘光了誰曾生了皇子,所以抱著新鮮感把他讀完。以能信為主角的切入點相當有趣。雖然是三部作裡面的小品,但完成度不輸給前兩部,也是出色的作品。
唯一稍微不滿的是,面對怨靈出現,御払い的那一段,還是不能避免現代人那種"不科學""詐欺"的眼光。當代的作家每當處理這種橋段都無法處理得很好,感覺都像大概交代過一件事情一樣,無法把當時的人最深層的恐懼寫生、寫活,這是比較可惜的地方。