ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150102371

感想・レビュー・書評

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  • 意志を持つ「海」で覆われているという惑星ソラリスに赴任した研究員が見せつけられる過去のトラウマ。「海」の仕業らしいが、それが何を意図したものなのかは最後までわからない。
    未知なるものとの遭遇がどういう意味を持つのか考えさせられる。

  • タルコフスキー監督『惑星ソラリス』を観て読みました。映画と違ってソラリス学の考察(学説)が、結構な割合を占めていて、難しく理解出来なかった。ただ人間的思考から「未知」を「既知」と捉えるのではなくて、「未知」は「未知」のものとして考えられたことに、すごく納得いった。

  • 面白かったのは最初の100ページと最後の50ページ。それとレムのあとがき解説だった。

    不気味な黒人女性との出会い(結局彼女は何だったのか…ギバリャンにとってのそれなのか…?)やハリーが出てくるくだりの緊張度は非常に素晴らしいものがあったんだけど。
    中盤は物語における過去の解説が大半で、説明口調なところがあって興醒めした。
    そのテーマについては興味深いものがあったんだけど、これから起こる現象を通じて描けなかったのかなぁって上から目線。

  • テーマは面白いが、文体になじめなかった。再読したい。

  • 二つの太陽を持つ<海>の惑星ソラリス。
    ハリーはどうなったの? スナウトやサルトリウスのお客はどんなものだった? ギャバリンのテープの内容は?
    長年にわたるソラリスの研究に結論が出ていないと同じように、この物語も多くの謎を残したまま閉じてしまう。

    森見登美彦氏の「ペンギン・ハイウェイ」が「ソラリス」のオマージュということで読みました。
    「ペンギン・ハイウェイ」がますます面白くなりました。
    以下、少しばかり「ペンギン・ハイウェイ」のネタばれになるかもしれませんので、ご注意ください。










    森見ペンギンの<海>とソラリスの<海>は似て非なるものではあるけれど、やはり共通するところはありそうで、そうすると、おねえさんはいったい誰の<お客>だったのか・・って空想して遊んでしまいます。

  • 和モノを中心に読んでいるわたしですが、一番好きな本を挙げろと言われたら間違いなくこれを挙げます。それまでの色んな概念が覆される。人間の発想は、おしなべて自分自身の置かれている社会から飛び出すことは出来ず、多くの場合、産まれてからこれまでに見聞きしたもの・取り入れた概念の中でしか、ものを考えることは出来ないんですね。
    翻訳も非常に好きです。なんてったって邦題から素晴らしすぎるよ。

  • 異文化コンタクト

  • 東欧産のSFということで、アメリカのものとは違う独特の雰囲気をかもしだしてます。特に登場人物の心理描写が素晴らしいです。ところどころ、ソラリスの歴史やソラリス研究について書かれているので、ストーリー一辺倒にならず、奥行きのある物語となってます。

  • SFって面白いって思えた作品。
    未知との遭遇がいい味ですわ。

  • 全体の1/4くらいは「ソラリス学」についての話。始祖誰々の研究からどんな学説が説かれ、現在の通説がどうであるとか。そしてソラリスの海に関する記述。…途中で少し飽きる。いやこういう一つの世界を新たに構築する描写ってSFらしくてすごく興味深いんだけどねー。基本的には地球外生命体との接触モノ。ただし相手は意思疎通が全くできないため、混乱が生じるところに面白みがあるのだけれど。

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著者プロフィール

スタニスワフ・レム
1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年死去。

「2023年 『火星からの来訪者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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