時砂の王 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-7)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 1593
感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309046

感想・レビュー・書評

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  • 時間SFの傑作。この長さで、これほど壮大な話を書くとは!最後の所で、目頭が熱くなった。

  • 久しぶりに新刊を見つけました!嬉々として読みましたよ!!

    相変わらずの正統派SF、と言う感じです。
    タイムパラドックス、時間枝、感情、歴史そして恋愛まで。全て詰め込んであります。すごいなあ~
    彼女の意思、彼女の最後の一言。
    これで歴史が変わる。
    勝て、そして生き延びろ。
    かっこいいなあ~

    途中ではなきませんでしたが読み終わって何故か泣けてきました。ヒトの強さはこんな原始のレベルで生まれるといいなあ。

  • 邪馬台国×侵略者×時間モノ。250ページの短さでよくぞここまですっきりまとめてくれたと喝采を贈りたい。いたちごっこの時間戦争を終わらせるには、究極的には完全殲滅か相互和解しかないのですが、一応のところは綺麗に締まっています。時を越える想い、とかそういうものには弱いんです。
    遠い彼の地に想いを馳せながら、いつまでもこの世界観に浸っていたいと思わせる作品。

  • コンパクトにまとまった佳作。
    人類と人工知性体対ETの時間遡行戦そのものよりも、“使いの王”と人との関わり方や、人と知性体とのやりとりそのものが魅力的に映った。
    人工知性体たちは人間ではないけれど、記憶も感情も持った“人”だと思った。

  • 若干納得いかないところもあるけど、タイムパラドックスの処理が潔くてなかなか新鮮だった。ハードSFではないけど、ともすれば複雑になりすぎる要素が上手く文学的に活かされてて、主人公の苦悩がありありと伝わってきた。いやはや、O良い男ですね…そりゃ惚れるわ。そしてこの長さでこの重量感、というのはやっぱりすごい。勿論足りないと思うところはいくつかあったけど、それをもってあまりある文章の勢い。よいSFでした。

  • 人類の絶滅してしまう未来から、それを変える為に過去へ過去へと遡り歴史を改変し続ける。
    歴史は変化した瞬間に今までいた歴史の枝葉も変わり、関わった人々とは2度と会えない。
    その事実を抱えつつ、戦い続ける知的生命体オーヴィン。
    彼を作った人間も送り出した枝葉の歴史ももう無いのに。
    短いながら見事に展開していく様は逆に冗長にならずよかったと思います。映画になりそう。

  • 「果てしのない時間遡行戦争」という題材も良いが、ヒロインも魅力的であった。

    「妾につかえ、決して死なぬと誓うか!」
    「対馬の海を泳いででも渡り、漢土までも従うか!」
    この台詞に、胸が熱くなった。

  • 面白かった。時間SFとしてのテクニックやら理論武装やら云々よりも、各シーンでの人々の描写が良かった。サヤカとOが付き合い始める時のあのセリフ…あれでオちない女の人はいないんじゃないかというニクさだった。…多少カッティについては最後まで掴みあぐねていたりもするけど、ハッピーエンドかどうかもなんか微妙だけど、希望のある読後感。

  • 最初から最後まで熱い展開で目が離せない。

  • 未知なるETの攻撃により地球は壊滅し、人類が海王星を拠点として抵抗を続けている未来。メッセンジャーと呼ばれる強化された人間の身体を持つ知性体達は、人類を救うため時間遡行して敵戦闘機械群を地球にて迎え撃つ。だがしかし、ETも更に時間を遡り執拗なまでに人類を追い詰める。人類の生存を賭けて過去へ過去へと後退していく戦線。ついに最終的な決戦の舞台は古代へ移り、メッセンジャーOと時間戦略知性体カッティは女王卑弥呼と出会う。

    正体と目的が分からないETっていうのは、SF的に熱いね。それに「未来からの増援がない」=「人類に未来が無い」と言う残酷な事実に思わず息を詰めてストーリーを見守ってしまう。

    多少のご都合主義を気にさせず、骨太のSFバックボーンをラノベっぽい切り口で魅せる、読みやすい作品だった。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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