- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150309046
感想・レビュー・書評
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久々につくりもので泣きそうになっちゃったよ 深夜テンションのしわざです 小川一水はコロロギ岳に続き2冊目、時間遡行ものの人という認識だけどやはり上手いな〜と思いました
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初小川一水。ずっと積んでいたがこの度読了。
250頁ちょっとの中にいろいろな要素が盛り込まれているが、キレイにまとめられている。
今年に入ってから三体三部作を読んでバチバチにSFにハマった身としては(前々からSFに興味はあったのでネット上で「おすすめのSF」と調べれば名が挙がるこの本を買ったのはそれよりずっと前だったが)、もう少し詳細な描写で長~く読んでいたかったが、これはこれでサクッと読めて非常に面白かった。
小川一水の大長編「天冥の標」も読みたくなった。 -
タイムトラベル×卑弥呼という舞台設定だけでも好奇心をくすぐられるSF。更にこの舞台設定に時空を超える愛が練り込まれてる。時間軍の設定も構成も工夫されているし、邪馬台国の民衆と「物の怪」の戦闘もなかなか面白かった。もっと細かく書こうと思えばいくらでもできそうなところをスッと終わる潔さ。
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アレクサンドルは凍結から目覚めたのか。釈然としない?知性対サンドロコットスのサブユニット
因果効果、時間枝、ハイブリッド、カッティサーク 奪われた人類の
釈然としない部分はあるけど数万年単位の大きな人類の戦い、壮大だった。時間遡及し歴史改変した時間枝がパラドックスで消えるのでなく「滅亡する」という選択肢が絶望的。 -
邪馬台国の王室を抜け出した彌与こと卑弥呼と幹。山中で出会ったのは、片腕が鋭い鎌になった、熊ほどの巨大な生物だった。隣国から逃げ惑う民衆とともに、怪物に立ち向かう王ことO。Oは実は26世紀から怪物ETを倒し、その時間軸の中で人類を守るために派遣されたメッセンジャーと呼ばれる人間兵器だった…。
卑弥呼の時代に人類を滅ぼす宇宙からの知的生命体が飛来するが、無限にある時間軸の中で人類が滅亡しないように守る時間跳躍者たちという設定はよく考えられていると思う。卑弥呼の時代、第二次大戦、また10万年前という人類(日本?)の転機を題材にするというアイデアは良い。
また、過去の時代への過剰なまでの干渉と、史実とはまた異なる様々な事件など、SFとして読める部分が多い作品であり、第二次大戦時に共通の敵がいるにも関わらず国同士でいがみ合うというシミュレーションは面白かった。そこだけ引っ張れば良いと思ったのだが。
一方で、卑弥呼の部分を頑張りたかったのはわからぬではないが、中途半端に古典語を使おうとしすぎて、少々どころか多少読みにくい。「兵」は「へい」で良いと思うのだが、必死に「つわもの」と読ませようとしたり、漢文的に当て字をしたりするため、何が何をしたのか、筆者の独りよがりで読者に理解させようとしていないと感じる部分が多かった。
なぜか奈良から秩父へ移動してピンチに陥る邪馬台国軍なのだが、描写がうわついていて「うさぎ」はボーパルバニーと言いたいんだろうな的なことは、読者が先回りして理解してあげないと行けないのは、かなり困る。
かと言って難しいわけではなく、描かれていることは非常に浅いし、言葉がわからなくても知ったかぶりで読めるという話でもある。
中二的な言葉選びというところなのだろう。大人にはちょっと…というところ。
また、宇宙を渡って地球まで来た上、太陽光をエネルギーに種族を増やして時間の跳躍もできる敵が、鉄も持ってなければゴムも知らないというのも不思議だなあ。 -
未来の人型人口知生体と卑弥呼、敵は古代神話に出てくるような物の怪。
この取り合わせが、作者の発明。
きわめて“ひと”に近い人口知生体が、二度と自分の過ごした時代には戻れない宿命を帯びて、人類の滅亡を救うべく、歴史をさかのぼる。
時間SFとしては定石のストーリーであるが、滅亡させようとする勢力の理由と、滅亡してしまう理由が、現代の我々への警鐘であることにポイントがある。
敵である「増殖型戦闘機械」群との戦闘がその時代ごとに違ってきて、ついに決戦となった邪馬台国の地の戦いの描写はとても迫力があった。
短いページ数のなかで、壮大なスケールを感じることができた。 -
重厚なSF読みすぎてちょっと浅く感じた。おもろかったけどね。
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初一水。『卑弥呼』と聞いて相当期待したんだけど…思ってた程ではなかった。結局ETとはなんだったのだ?私は別の人類が造ったものだと思う…。オーヴィル(人工生命体)のサヤカへの想いは、紛れもなく愛だった。目の前の人を救うのか——はたまたそれらを見捨て、人類の未来を選ぶのか——よくある疑問だが、わたしは名もわからぬ人類より、目の前の大切なひとを救うことこそ未来を救うことに他ならないと思う。それにしてもオーヴィルの時空を越えた、長い長い闘いには言葉もないよ…。星三つ半。