時砂の王 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-7)

著者 :
  • 早川書房
3.70
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本棚登録 : 1592
感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309046

感想・レビュー・書評

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  • 謎のETに侵略される地球。劣勢の人類は、メッセンジャーと呼ばれる人型軍用兵器に時間を遡らせて歴史を改変することで対抗しようとする。卑弥呼の時代の日本で両者が激突する。表紙やタイトルから舞台は古代かと思って読み始めたのだが、そういうわけで未来も舞台として登場する。ストーリーは面白く、分量も多くなく、あっという間に読める。

  • これぞSF!久々に一気読みした本。どこまでも追い詰められていくこの絶望感といったら。時間モノ&パラレルワールドモノが好きなら何をおいても必読。

  • やっぱSFいいよSF!最高だよ!
    タイムリープもの特有の矛盾とかタイムパラドックスとかは、私の場合読んでる途中そこまで頭回らないので、存分に楽しませていただきました。

    ラスト良かったー。たぶんベストな終わり方だと思うんです。Oを受け継いだΩと沙夜(サヤカと彌与=サ+ヨ=沙夜っていう発想なのかな名前)。主人公たちの生まれ変わり的な二人の出会いで終わるのってこの作品でいえば清々しいラストだと思うんです。ぶっちゃけこれがなかったら報われてないよオーヴィルさん(´;ω;`)

    あとカッティがね!彌与の啖呵にあの応酬はもうね!!周りから必要とされっぱなしで狂っちゃって、でも初めてお前なんか不要だ早く死ね!と言われてそれが求めていた言葉だと気付いて救われたカッティがもう健気で仕方ないわ……。

    結果論からして全部必要なことだったんだけどそれでもこっちは大いにぐわんぐわん翻弄されましたよ。

    でもあっさりしすぎなんだよ!あの薄っぺらさで伏線完全回収して綺麗にまとめるとか神か!そういうとこすごいんだけど勿体ない!!もっと深くいけるのにあえてあっさりしちゃうのが勿体なさすぎる!
    欲を言えばぜひ何巻にも及ぶ大長編ものとして書いてほしかった……そしてそれをリアタイで追っかけできる幸せを噛み締めたかった。
    というわけで、★4つです。

    読了後は、伏線とか小ネタとか、そういうの本当に理解できてない気がして、自分の知識のなさに嘆きますorz アレクサンドリア図書館とかさ、世界最大最古最高の図書館で、そこに執筆した物語を置くのがアレクサンドルの夢っていうシャレ?は好きだし、ETの元ネタは空飛ぶ自転車のことだろうし(それで笑ったのかただの嘲笑なのかあわからないけど)、イタリア軍の戦闘機に禁止されている国旗色がペイントされてるのはあーイタリアだわーって感じだし……しかし首都大阪には笑ったけどあれは一体どういう意味なんだww 細かいリアルネタを挟まれると全文に小ネタが転がってるんじゃないかって気になってしまいました。

  • 最後の最後まで展開が読めません。追われて追われて状況は絶望的に悪くなるばかり。残りのページ数を気にしながら、本当に終われるのかと要らぬ心配さえしてしまいました。邪馬台国+未来からのメッセンジャーという組み合わせにも新鮮さを感じます。

  • この人をして、稀代のSF作家と呼ぶ(僕は)。

    この小説も店長に勧められて読破。

    読んだら小川ワールドに完全にやられてしまい。

    SF好きな人はぜひ。

  • 初小川作品。
    人類の完全殲滅を阻止するために時間遡行戦を繰り返し、結果、3世紀の邪馬台国を全人類の存亡を懸けた最終防衛線とし戦うーなんて、こんな薄い本で??と思ったけど、いやはや、然にあらず。
    だらだら余計な記述もなく、突っ込みどころも気にならない程度で流せるし、的を絞って凝縮させた内容は濃くそしてスケールが大きい。
    SFものは私の読書の原点なので出会えてうれしい一冊になった。

  • タイム・パラドックスて、そういう風に解決できるのかー。
    なんつーか、壮大なケンカの応酬ですな。
    卑弥呼も女の子だったっていうのが新鮮っした。
    アレクサンドルが地味にいい伏線だ。

  • 邪馬台国を主要舞台にした時間改変SF。数百年後の未来から数十万年前の過去にわたって繰り広げられる人類とETとの戦いの壮大さに圧倒される。敵を倒すたび幾重にも分岐していく未来というタイムパラドックス設定も魅力的。

  • 「私が、不要だと?」「噫とも!」
    「ありがとう、彌与」
    まだ、彼女の真の姿さえ見ていない。

    とりあえず、カッティとカッティ・サークの言動、彌与とカッティの対話があんまり魅力的だった。
    カッティ・サークの「理解しがたい陽気さ」、カッティの「今までにない軽快さ」と、彌与のわがままさ、気高さにつられて後半を読み切った。

    割合と、ぎゅっと詰まった印象で、もっと長く複雑にやるか、最後の彌与の宣誓あたりで切ってぼかしてくれても良かったかなと思う程度には、タイムトラベルものにつきものの切なさとか残酷さの余韻が覚悟したほどではなかったのでちょっと消化不良。

    たぶん、オーヴィルやアレクサンドルの行動とか、(切られた)時間枝についてとか、じっくり考えるより勢いでぐいぐい読んでしまったせいかもしれない。たぶん、くどくどしく書いてないだけでやっぱりさらっと残酷で重い展開なんだし。

    書きすぎないあたりが自分に合っていて快適。
    そのぶん自分で考えるべき余地が多くてそこが読みきれてないので、多分勿体ない事になっている気がする。

  • 老ヴォールの惑星と較べると物足りない。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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