書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫 セ 1-1)
- 早川書房 (2017年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200939
感想・レビュー・書評
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本好きには、それぞれ思い入れのある本屋さんというものがあると思います。ぼくの場合は、実家から自転車で10分くらいのところにあった、あの本屋さんだなあ・・・。この小説を読んでいて、そんなことを思い出しました。【2023年11月22日読了】
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慣れるまでに時間がかかった。
島に一軒だけある書店の店主フィクリーのものがたり。
作中に出てくる本に馴染みがなく、知っていればもっと楽しめるのかな と。
過去の出来事や出会いの真相が、案外さらっとした感じで終わった印象。
再読したら、また別な感想を書けるかもしれないが、また読むかは別の話 -
作品の構成と訳に慣れるまで少し時間がかかったけれど、『本』が繋ぐそれぞれの人生、面白く読めた。
ミステリーやサスペンスでない海外作品はあまり読まなかったけど、作品の中で紹介されたてい小説を読んでみようかな3.6 -
4.5
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第二部からぐんっ!と引き込まれるように読みました。
ぼくたちは ひとりぼっちではないことを知るために読むんだ。 -
最愛の妻を亡くして孤独に生きていた男が孤児を育てることになり、周りの人達を巻き込んでいく、やさしくて感動的な物語。一見、雑にみえるストーリー展開が良い味を出している。本好きな書店員さん達が選ぶ本屋大賞受賞(2016年度)に納得。
ゼルダの新作(ゲーム)に心を奪われて、2ヶ月ぶりの読書です。書店でたまたま見かけて手に取りました。読み始めはよくあるストーリーかなと思いましたが、次第に引き込まれていきます。「ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぼっちではない」。 -
やっぱり本屋さんっていいな〜
この小説を電子書籍で読んだのは読書人生最大のミス。本屋さんへ紙の本を買いに行きます。 -
中盤から物語に引き込まれていく。
登場人物のディテールに少しリアリティが欠けるように思える。
読んでいるとなぜかジュンパ・ラヒリを思い出した。 -
・途中疲れるんだけど、最後には泣いてた
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アリス島で唯一の書店であるアイランド・ブックス。
店主フィクリーは、この島の出身である妻のニックとともに、この店を開業した。
しかし、妻は事故で他界し、一人取り残されてしまう。
すさんだ生活を送るフィクリーの店に、2歳の子ども、マヤが捨てられる。
週末だけ預かるつもりが、離れがたくなって、彼女をひきとることにする。
これを機に、つぶれそうなアイランド・ブックスに人が集まり始める。
警察署長のランビアーズ、ニックの姉夫婦、そしてA・J・フィクリーの伴侶となる、ナイトリー・プレスの営業アメリア。
そして、マヤを残して命を絶ったマリア。
どの人もピカピカの人生を送っているわけではない。
ある人は人生に絶望し、ある人はつながりの中で少しずつ回復していく。
そして、アイランド・ブックスが、人々を緩やかにつなげる場になっている。
一つ間違うとお涙頂戴のメロドラマになりそうだが、人物の造形がすばらしくて、安っぽいドラマにはなっていない。
例えば、マヤが過剰にかわいらしくなっていたりとかしないし、優秀なセールス担当者であり、何事にも積極的なアメリアも、ちょっと不思議なファッションセンスであったりもする。
それから、登場人物の文学や本への関わり方も面白い。
高校生になったマヤの創作の授業の様子は、いかにもアメリカの学校といった感じがする。
学生時代に本嫌いになったランビアーズが、紙の本が好きで、本が好きな人が好きで、フィクリーに導かれて自分なりに本を読みはじめるのがとてもすてきだ。
もちろん、各章の冒頭で、A・Jの、マヤにあてたブックノートが掲げられる趣向も、おしゃれだ。
どちらかというと、自分はこの本の筋より、こうしたディテールに惹かれている気がする。