書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫 セ 1-1)
- 早川書房 (2017年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200939
感想・レビュー・書評
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2022年11月1日購入。
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書店主フィクリーのものがたり
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私はどうも翻訳本が苦手だ。…というか相性があって、合わないと全く読み進めることができない。
ちなみにナルニア国物語は、何度ライオンと魔女の触りを読んでも進むことが出来ず、全巻持ってるのにそれ以外は新品同然で終わった。
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この本は翻訳が合わない本だと思って
…もしかしたら翻訳のせいではなく
オリジナルの文体とか文化の違い
もあると思う…何度も挫折しかけたのだけど、なんだか主人公の不器用なフィクリーがどう生きていくのか、気になってしまい読み切ってしまった。
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沢山の実在する本のエッセンスが散りばめられているみたいだけどいかんせん苦手な外国本なのでピンとこなかった。
妻と作った書店を、妻亡き後、一人で不器用に切り盛りするフィクリー。その書店にマヤという女の赤ちゃんが置き去りにされ、その子をフィクリーが育てるということで様子を毎日伺いにきていたら本が好きになった警察官がいたり、フィクリーの担当になった出版社のアメリアだったり、フィクリーを取り巻く周りの人達によってフィクリーが変わっていくのをみているのはとても微笑ましかった。 -
ほのぼのとしたものがたりだった。
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島で唯一の本屋を営むフィクリー。妻を事故で亡くし、将来のためにと大切に取っておいた希少な本を無くし、絶望する。
あるとき、店には小さな女の子が残されていて。
この子をお願いします、という置き手紙、
自分に任されたという運命を感じて、フィクリーは男手ひとつで子どもを育てる決意をする。
地域の人々に支えられながら、フィクリー自身も少しずつ変化していく。
作者の本に対する愛情が溢れている作品。
各章の初めには、養女に読んでほしいブックリスト。
登場人物はみな本を読み、本を通じてつながる。
読みたい本が一気に増えた。
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翻訳本が苦手ゆえこの評価ですが、後半の後半の一気読み感は好きです。
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本屋大賞・翻訳部門受賞ってことで。本に関する小説、書店を舞台にした物語、そのあたりは特に心惹かれるところ。本作も例外ではないんだけど、個人的に物足りなかったのは、魅力の大部分をクライマックスが担っている点。あくまで自分にとってなんだけど、そこに至るまでの過程を、いまひとつ楽しめなかった訳で…。
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父のおすすめで読む。
愛おしいお話だった。
偏屈親父が捨てられた子を拾って、父親になって、そこから彼の人生は上向きになっていき、最後は…みたいな、よくあるといえばよくあるハートウォーミングな話かもしれない。でもこの物語の中心に常に「本」があるのがとてもいい。
『ぼくたちはひとりぼっちでないことを知るために読むんだ。ぼくたちはひとりぼっちだから読むんだ。ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぼっちではない。』
主人公フィクリーの言ったこの言葉が好きだ。私が本を読む時、何となく安心するような、気持ちが温かくなるような、そんな気分になるのは、つまりはフィクリーの言うことと同じだと思う。ひとりぼっちだけど、ひとりじゃない。
『本屋はまっとうな人間を惹きよせる。本のことを話すことが好きな人間と本について話すのが好きだ』この言葉にはひどく共感する。本好きな人に悪い人はなかなかいない。 -
記録
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原題 THE STORIED LIFE OF A. J. FIKRY
本屋さんで読みたい本を探すのは、
浜辺できれいな貝殻を探すのに似ている。
気がつくと1時間くらい経ってる笑
どちらも自分一人で過ごすのが好きだけど、
フィクリーの言うように、本は、
「ひとりぼっちではないことを知るために」
読むのであれば、
ここに書いてるのもまた、そうなのかも。
「きみは、ある人物のすべてを知るための質問を知ってるね。あなたのいちばん好きな本はなんですか?」
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少し捻くれた主人公が不器用なりに幸せをつかんでいくストーリー。
前半は特徴的な性格にみんなが合わせていく(周りの人に恵まれてると思った)感じ、後半になるにつれて主人公も寄り添っていく部分が見えてくるというか。
最後は駆け足気味にまとめていくようにも思ったけど面白かったです。
本が人と人とを結ぶというか、主人公にとっての言語が「本」っていう感じの進行がすごく気に入りました。