書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫 セ 1-1)

  • 早川書房
3.80
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本棚登録 : 1254
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200939

感想・レビュー・書評

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  •  「人は、孤独だから本を読む」(ざっぱくな記憶)旨のポップに惹かれて手にとりました。
     ちょっと偏屈な書店主・フィクリーを中心に描かれるヒューマン・ドラマ。
     悲しいときも、うれしいときも、いつも傍らに本があり、本が人をつないでくれる。
     個人的には最終章が哀しすぎて。じゃあどんなラストならしっくりくるのか考えながら、やっぱりこのラストしかないのかな、と逡巡しています。

  • アリス島の書店が舞台の物語。
    島で唯一の書店の店主フィクリー。妻を交通事故で亡くしてから孤独な生活を送っていたフィクリーが、書店に置き去りにされていた子供マヤを育てることになり、本とマヤとを通じて周囲の人々と関わるようになっていく。本がたくさん登場する本好きのための小説。

  • 妻を亡くしたばかりの偏屈な書店主フィクリー(話の中ではA・Jと表記されている)が、店に捨てられていた小さな女の子を育てるうちに、少しずつ世界が広がっていく。
    あらすじを聞くと、ハートウォーミングな物語を連想するが、読後感は甘くはない。極力心のうちを描写せず、起こったできごとや行為を淡々と描く文体と、物語全体を通して「死」が身近に描かれていることがその理由ではないかと思う。

    物語はA・Jの後半生が描かれる。各章の始めには、A・Jが我が子として育てていくマヤに向けて書いたおすすめの短編とそのコメントが紹介され、その内容が章のストーリーに関連してくるしかけになっている。
    マヤの成長の様子や出版社営業のアメリアとの交流など、もっと掘り下げられそうなエピソードもあっさりと描かれていて、最初は物足りなさを感じるが、読み進めるうちにA・Jの歩んできた人生が頭の中でどんどん膨らみ、いつのまにか芳醇な物語となっていく。また、さらっと描かれたエピソードが後に重要な伏線となって物語を動かしており、よく練られたストーリーだと感じた。

    A・Jとその近しい人々の人生に訪れる出会いと別れ。そのきっかけとして本があり、伝えきれない思いを本を通して伝えていく。本を愛する人におすすめの一冊である。

  • ブクログのお勧めで見て、興味を惹かれて購入した。
    幾つか伏線が貼られていて、まず冒頭、出版社の新しい営業担当のアメリアが、フィクリーの書店を訪れるが、A.J(フィクリー)との初対面は最悪に終わる。
    妻を亡くしてからA.Jは偏屈になり、暮らしも乱れて、酔っ払って眠ってしまったある夜、その店で一番高価なポオの詩集の稀覯本を盗まれてしまう。
    更に、店の前に子供が捨てられていて、その母親はその後自殺したことが分かり、A.Jはその子を育てる決断をする。
    そこから物語は、A.Jの人生が好転に向かって行くのだが、それも一筋縄ではいかない。
    主要な登場人物達が、思いがけない役割を演じて、読み進みながら浮かんだ疑問が解決されて行く。
    A.Jがアメリアと結ばれたり、マヤ捨て子の父親が姉夫婦の夫だったり、タマレーン(稀覯本)を盗んだのが、姉だったり。
    A.Jは最後、ガンで亡くなり、島で唯一の書店「アイランドブックス」は存亡の危機に立たされるが、それを姉とA.Jの友人の警察署長夫婦が引き継いでいくというところで物語は終わる。
    良く出来た話だと言うと嫌な言い方になるが、実際そう思った。
    各章の冒頭に、本の紹介があるのも、読書意欲をそそられて良かった。

  • 普通

  • ちょっと偏屈な主人公、AJフィクリーは本屋の店主。最愛の妻を交通事故で亡くしてから、より性格が曲がってしまったみたい。そんな彼が、ひょんなことから小さい女の子マヤを育てることになり、子育てと仕事に奮闘しながら恋も見つけ、結婚。だが最後は病気が見つかり亡くなる。そんな話。フィクリーがマヤやアメリアと出会ってどんどん変わっていく様子は微笑ましいし、ハートウォーミングな話だなぁと思う。でもプロット的には本当に良くある話かなと思うかな。本屋さんと図書館が小さい頃から大好きな私は、本屋さんを仕事にできるなんて凄く良いなーなんて思いながら読みました。あと、警察官のランビアーズが、段々本好きになっていき、警察官の間でブッククラブを作ったりするのもすごくわかる。面白い本を読んだ後ってすごく誰かに話したくなるし共感しあいたい。本を読む幸せと喜びを色んな人に分かち合いたい。読書って、時間をつくらないとできないことだけど(趣味はどれもそうだけど)、一生続けていきたい趣味。自分の子供も本好きになってほしいなぁ。
    それにしても、訳が非常に下手でとにもかくにも読みにくかった…話に入り込めない。英語がわかる人間としては、「ああ原文にはきっとこう書いてあるな」とか分かるし、洋書ならではのジョークやブラックユーモアは訳すのは難しいのも分かる。でも訳文が硬すぎるし、話の大筋には関係はないけど誤訳も見つけました。訳がこうも下手だと、足を引っ張ってその本を読みたくなくなってしまうので…それが一番残念だった。

  • 書店主フィクリーのものがたり(ハヤカワepi文庫)
    著作者:ガブリエル・せヴィン
    投稿者:早川書房
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    本への愛を見つめ直す、本好きの小説。

  • 何か読みづらい本、翻訳の問題なのかちょっと判断し辛い。
    なかなかスムーズに乗っていけないまま終焉を迎えてしまった、、、
    内容的にも率直に言って何か衝撃的読後感がある訳でもなく、そういう意味でもやっぱりスムーズさに欠けるストーリーテリングには難ありかと当方としては感じる次第。

  • 気難しい島の本屋店主が、赤ちゃんポストよろしく置き去りにされた子供を育てることに。
    結婚して病気になりなくなるまでの一生を緩やかに描いています。

  • 清々しく、癒しの一冊。心に安寧をもたらしたいときに読みたい一冊。読書好きにはなおさらだ。

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