書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫 セ 1-1)
- 早川書房 (2017年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151200939
感想・レビュー・書評
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「人は、孤独だから本を読む」(ざっぱくな記憶)旨のポップに惹かれて手にとりました。
ちょっと偏屈な書店主・フィクリーを中心に描かれるヒューマン・ドラマ。
悲しいときも、うれしいときも、いつも傍らに本があり、本が人をつないでくれる。
個人的には最終章が哀しすぎて。じゃあどんなラストならしっくりくるのか考えながら、やっぱりこのラストしかないのかな、と逡巡しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アリス島の書店が舞台の物語。
島で唯一の書店の店主フィクリー。妻を交通事故で亡くしてから孤独な生活を送っていたフィクリーが、書店に置き去りにされていた子供マヤを育てることになり、本とマヤとを通じて周囲の人々と関わるようになっていく。本がたくさん登場する本好きのための小説。 -
妻を亡くしたばかりの偏屈な書店主フィクリー(話の中ではA・Jと表記されている)が、店に捨てられていた小さな女の子を育てるうちに、少しずつ世界が広がっていく。
あらすじを聞くと、ハートウォーミングな物語を連想するが、読後感は甘くはない。極力心のうちを描写せず、起こったできごとや行為を淡々と描く文体と、物語全体を通して「死」が身近に描かれていることがその理由ではないかと思う。
物語はA・Jの後半生が描かれる。各章の始めには、A・Jが我が子として育てていくマヤに向けて書いたおすすめの短編とそのコメントが紹介され、その内容が章のストーリーに関連してくるしかけになっている。
マヤの成長の様子や出版社営業のアメリアとの交流など、もっと掘り下げられそうなエピソードもあっさりと描かれていて、最初は物足りなさを感じるが、読み進めるうちにA・Jの歩んできた人生が頭の中でどんどん膨らみ、いつのまにか芳醇な物語となっていく。また、さらっと描かれたエピソードが後に重要な伏線となって物語を動かしており、よく練られたストーリーだと感じた。
A・Jとその近しい人々の人生に訪れる出会いと別れ。そのきっかけとして本があり、伝えきれない思いを本を通して伝えていく。本を愛する人におすすめの一冊である。 -
普通
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書店主フィクリーのものがたり(ハヤカワepi文庫)
著作者:ガブリエル・せヴィン
投稿者:早川書房
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
本への愛を見つめ直す、本好きの小説。 -
何か読みづらい本、翻訳の問題なのかちょっと判断し辛い。
なかなかスムーズに乗っていけないまま終焉を迎えてしまった、、、
内容的にも率直に言って何か衝撃的読後感がある訳でもなく、そういう意味でもやっぱりスムーズさに欠けるストーリーテリングには難ありかと当方としては感じる次第。 -
清々しく、癒しの一冊。心に安寧をもたらしたいときに読みたい一冊。読書好きにはなおさらだ。