少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 5902
感想 : 901
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089953

感想・レビュー・書評

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  • 主人公が二人で交互に一人称で語られるスタイルに冒頭少し混乱したけど、あちこちに伏線が散りばめられていて意外性もテンコ盛りですごく面白かった。
    図書館のお勧めコーナーにあった本をたまたま手に取ったのだけど、地元の図書館のこのコーナー、やっぱり外れが無いな。
    湊氏の本はまた機会があったら読んでみよう。
    それにしてもJKから見たら30代は「おっさん」なんだね。

  • 湊かなえ先生が描く女子高生の毒々しいたるや。美しくかわいく若々しい。

    人の死を見たいという不純な理由から病院へのボランティアに行き初めて少年と出会う由紀。そして体育の補修として同じく死を体験できる老人ホームに行くことになった敦子。二人のそれぞれの物語が重なり合っていく。この重なった瞬間が思わず声を上げてしまうほど気持ちがいい。

    ラストの少年からのお手紙で思わず泣いてしまった。親子の縁とか家族の縁について触れられると泣いてしまうのよ…。

  • 因果応報。
    この本のテーマだと思った。
    湊さんは未熟な少女の描き方、バカな女の描き方がすごい上手い。

  • 久しぶりに読んだ、湊かなえ作品。

    死ぬ、てことがどんなに悲しくて、残念で、美しいものかということを、知っている。
    誰しもに訪れる死。
    中学生くらいの子は、死に憧れを抱いてしまう子もいるのだろう。
    そんな子たちが、この物語の主人公である。

    もっと狂気に満ちている話かなと思ったけと、意外と人間味溢れる話だった。
    結末が、予想がつかないもので面白い。
    断片的な登場人物の発言から、少しずつ死んだ人の様子がわかっていくのも面白かった。
    ただ、少し、世間狭すぎじゃない?人間関係つながりすぎ?と思ったけど…。
    最後の遺書、毎日3000人以上の人が死んでいくこの世界で、死ぬことなんてありきたりなことだけど、自殺なんてさみしすぎる。
    生き地獄も嫌だが、生きてりゃなんとかなるわけで、ドロップアウトはまだ早いんじゃない?て思う。

  • 湊作品の中では読後感はいい方だと思います。「人が偶然繋がり過ぎ」という評価もあるようですが、小さな地方都市だとあり得るかなあ、と思える程度なので、致命的な問題ではないと思います。

  • それぞれの人物の関係が読み進めていく度に繋がっていくところが面白かったです。敦子と由紀がお互いのことを分かりあって話が終わるのかと思ったが、そうはならないのが湊さんの作品。読み終えて、衝動的に死ぬ瞬間を見てみたいと思った2人に比べて、牧瀬は結構危ない思考を持っていたように感じた。でも、そういう人物に限ってやって良いことといけないことの境界線がわかっていそう。重要な人物ではなかったかもしれないが、何となく気になりました。ともかく、ここまで全てが繋がる作品は久しぶりだったので楽しめました。

  • 映画になったので読んでみた。湊かなえ作品は大好きです。思春期特有の陰鬱とした感じ、こう来たかとおもいつつ読みました。最後のああーって感じもまた良かった

  • 湊かなえさん作品は今までも手に取ることが多かったけれど、少女は知っていながらも読んでなかった作品。話題になるだけあって、重い話なのにおさまりはすごくいいなぁと。登場人物がどんどん繋がっていくのが心地よかった。伏線の回収がうまいところは、さすが。由紀と敦子も和解できて、一安心…と思いきや、最後の最後にこんな結末が待っているとは…確かに、紫織の登場シーンが妙に少ないのが気になるとのろではあったけど、あんな結末になるとは思いもしませんでした。因果応報。まさに。女子高生の不安定な感じを描くのがすごく上手いなあ。やっぱり、湊かなえ作品はおもしろいっ!

  • 湊かなえは読みやすい。ささっと読める。
    ミステリー度はすこし低め&浅め、という感じがしました。死に対してこどもじみた憧れを持つこと、それらしく語って知ったかぶりをする様はあぁ高校生って感じ。女子高生の友情物語の色が強い小説でした。
    ベタベタした友情だなと思った。でも!お互いのことをあれだけ考えられる友情なんて残念ながら高校までだと(身をもって)知っているので、なんだか羨ましかった部分もある。ストーリの細部が見えなかったのは、あえてなのかなあ。
    テーマは好きです。「因果応報」

  • 二人の女子高生。
    グロテスクな話の展開なのかなと思ったら、あっけらかんとした青春のような描かれ方。
    今時はこんなもの?それとも今も昔も変わらない? 主人公二人含めた女子高生は、親友以外(中には親友にさえ)には余りにも無関心で軽率で、知らずに人を不幸にしたり、自殺へと追い込んでいる。そしてそんな事になっていることにすら気付かない。知ってしまえば苦しむことになるのだろうが。
    幾度となく書かれている「因果応報」。悪気がない今時の彼女たちにはどんな報いが待っているというのだろうか。
    きっと報いなんてなく、複雑なこの頃を実は単純に乗り切ってしまえば普通に大人になれて、普通に暮らせる。それが少女時代。てことなのかな。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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