- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153350335
作品紹介・あらすじ
推理作家のクローンとして公共図書館の書架に住まう男。彼の力を借りるべく、謎を携えた麗しき令嬢が図書館を訪れる。令嬢に貸し出された彼の元に立ちはだかった驚愕の事件とは……。SF界の巨匠、ジーン・ウルフの最新作にして、騙りに満ちたSFミステリ
感想・レビュー・書評
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SFで探偵小説で冒険小説。読み慣れないジャンルで最初ちょっと慣れなかったけど、だんだん慣れて面白くなってくるたびに「?!」っていうことが起きる冒険小説でもあった。面白かった。
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現代の図書館では、「本」以外にもDVDなどの映像物の閲覧もできるが、さすがに「本人」の貸し出しは想像を超える。
主人公はかつてミステリー作家としていくつもの作品を世に出した人物、そのクローンを図書館の蔵書ならぬ「蔵者」として閲覧・貸出を行うという未来設定のSF小説。
この「図書館の蔵者」という不思議な設定と、出てくる小道具などにSF的な要素があるも、本筋はアガサクリスティやエラリー・クィンのミステリー
殺人事件現場に「こころ」の文庫本が墜ちていた、さあ夏目漱石のクローンを図書館から借りてきて、犯人を推理してもらおう・・・・・って感じ(こんな推理小説はありません…たぶん)。
怪しげな洋館、富豪家族の確執と謎の死、主人公たちを追う謎の人物たちなど、ミステリー色満載!
一冊あっという間に、ミステリーとして違和感なく面白く、いただきました。 -
2021.02.18 図書館
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設定勝ちだね。
こんな面白い世界観よく考えたね。
素晴らしい。
SFとミステリが上手いこと融合されてる。
若干SF寄りだけど。 -
ああ~~~~~~~~意外にも近未来SFだった・・・
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謎も謎解きもしっかりとある少しSF風味の入ったミステリ
なのだが、この本のキモはそこではないと思う。
物故した作家の、記憶までも完全にコピーしたクローン体─
リクローン─を、蔵書ならぬ「蔵者」として図書館に収蔵
するということが実現したら一体どういうことになるのか。
そしてそんなことが起こる社会とはどのようなものなのか。
そういう一種の思考実験がこの本の面白いところなのでは
ないだろうか。
もちろん素直にミステリとして読んでも十分に楽しめるの
だが、さすがはジーン・ウルフ、エンタメ寄りでわかり
やすい作品でありながらいろいろと考えさせられる内容で
あった。本を大切にしよう。 -
ファンタジーかと思えばミステリ、さらにはハードボイルド、SF、そしてまたぞろミステリ、と様々な顔を持つ本書。ジーン・ウルフのガチのファンの方には物足りないでしょうか。「ケルベロス…」などと比べるとエンタメ寄りというか、親しみやすいというか。確かに、その分読後の高揚感は足りないかもしれません。ただ、続編が予定されているようなので(ウルフじいちゃんがんばれ)しっかり評価するのはそれからということで。
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初ジーンウルフ。クローンの人権の無さは容赦ないねぇ。主人公の言い回しが俺の苦手な本格ミステリなのか?と不安になったが、こりゃ一風変わったハードボイルドだな。面白かったです。