書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房
3.30
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本棚登録 : 382
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350335

作品紹介・あらすじ

推理作家のクローンとして公共図書館の書架に住まう男。彼の力を借りるべく、謎を携えた麗しき令嬢が図書館を訪れる。令嬢に貸し出された彼の元に立ちはだかった驚愕の事件とは……。SF界の巨匠、ジーン・ウルフの最新作にして、騙りに満ちたSFミステリ

感想・レビュー・書評

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  • SFで探偵小説で冒険小説。読み慣れないジャンルで最初ちょっと慣れなかったけど、だんだん慣れて面白くなってくるたびに「?!」っていうことが起きる冒険小説でもあった。面白かった。

  • 現代の図書館では、「本」以外にもDVDなどの映像物の閲覧もできるが、さすがに「本人」の貸し出しは想像を超える。

    主人公はかつてミステリー作家としていくつもの作品を世に出した人物、そのクローンを図書館の蔵書ならぬ「蔵者」として閲覧・貸出を行うという未来設定のSF小説。

    この「図書館の蔵者」という不思議な設定と、出てくる小道具などにSF的な要素があるも、本筋はアガサクリスティやエラリー・クィンのミステリー

    殺人事件現場に「こころ」の文庫本が墜ちていた、さあ夏目漱石のクローンを図書館から借りてきて、犯人を推理してもらおう・・・・・って感じ(こんな推理小説はありません…たぶん)。

    怪しげな洋館、富豪家族の確執と謎の死、主人公たちを追う謎の人物たちなど、ミステリー色満載!

    一冊あっという間に、ミステリーとして違和感なく面白く、いただきました。

  • 2021.02.18 図書館

  • 設定勝ちだね。
    こんな面白い世界観よく考えたね。
    素晴らしい。
    SFとミステリが上手いこと融合されてる。
    若干SF寄りだけど。

  • ああ~~~~~~~~意外にも近未来SFだった・・・

  • 序盤読み始めてこのジェンダー観やばくない?古典か?いつの本だよいうて確認したら2015年のでビビり倒したけど書いたのが84歳のおじいちゃんで二度ビビる

    おじいちゃんことジーン・ウルフさん本初見

    全体的にキャラ立ちよすぎんか?という印象 翻訳もいいのだろうな、というかんじ

    主人公(100何年前に存在した作家のクローン、図書館に蔵者として収蔵されている)は自分を借りてくれた人物に起きたことについて首を突っ込み奔走する。その過程でまるで本当の図書館に所蔵された本のように色んな人に借りられたり、借りられそうになったりするが、受ける扱いはぞんざい。その扱いからも分かるように人間からは人間未満とみなされている。しかし実際のところは内省的な存在であり、その境界は曖昧、むしろ人間なのかもしれない。その内省的、という点で、私達の現実世界における本もその実そうなのでは?というかんじ は?となるだろうが、私もは?となっている、詳しいところが言語化できない くるしい 言語化できるようになりたい とにかくミステリ色つよめのこのSFにおいて、このクローンがオリジナルの自分、そこといまの差異について思案するのがめちゃくちゃツボ 最高

  • 謎も謎解きもしっかりとある少しSF風味の入ったミステリ
    なのだが、この本のキモはそこではないと思う。

    物故した作家の、記憶までも完全にコピーしたクローン体─
    リクローン─を、蔵書ならぬ「蔵者」として図書館に収蔵
    するということが実現したら一体どういうことになるのか。
    そしてそんなことが起こる社会とはどのようなものなのか。
    そういう一種の思考実験がこの本の面白いところなのでは
    ないだろうか。

    もちろん素直にミステリとして読んでも十分に楽しめるの
    だが、さすがはジーン・ウルフ、エンタメ寄りでわかり
    やすい作品でありながらいろいろと考えさせられる内容で
    あった。本を大切にしよう。

  • ファンタジーかと思えばミステリ、さらにはハードボイルド、SF、そしてまたぞろミステリ、と様々な顔を持つ本書。ジーン・ウルフのガチのファンの方には物足りないでしょうか。「ケルベロス…」などと比べるとエンタメ寄りというか、親しみやすいというか。確かに、その分読後の高揚感は足りないかもしれません。ただ、続編が予定されているようなので(ウルフじいちゃんがんばれ)しっかり評価するのはそれからということで。

  • 初ジーンウルフ。クローンの人権の無さは容赦ないねぇ。主人公の言い回しが俺の苦手な本格ミステリなのか?と不安になったが、こりゃ一風変わったハードボイルドだな。面白かったです。

  • 近未来SFにミステリーを加えたような作品。ただのSFとして読めば面白いのかもしれないが、題名「書架の探偵」だし。全体的に今一つ納得いかないことの方が多く、ミステリーとして今一つ。
    主人公が複生体である必要があったのか?実験室が異星となぜつながっていたのか?などあげるときりがない。
    設定に期待していただけに残念。

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著者プロフィール

1931年、アメリカ・ニューヨーク生まれ。兵役に従事後、ヒューストン大学の機械工学科を卒業。1972年から「Plant Engineering」誌の編集に携わり、1984年にフルタイムの作家業に専心するまで勤務。1965年、短篇「The Dead Man」でデビュー。以後、「デス博士の島その他の物語」(1970)「アメリカの七夜」(1978)などの傑作中短篇を次々と発表、70年代最重要・最高のSF作家として活躍する。その華麗な文体、完璧に構築され尽くした物語構成は定評がある。80年代に入り〈新しい太陽の書〉シリーズ(全5部作)を発表、80年代において最も重要なSFファンタジイと賞される。現在まで20冊を越える長篇・10冊以上の短篇集を刊行している。

「2015年 『ウィザードⅡ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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