- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163220901
感想・レビュー・書評
-
日航機墜落を巡っての地元新聞社の話 相変わらず、かっこよさはないが熱い 社内の男同士の力関係をうまく描けてる ラストも実によく仕上がってる 胸に感情の波がどっとくる
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元記者たちの濃密な一週間-。事故当時の1985年と、17年後の同僚安西の息子との山登りが同時に進行しています。元新聞記者の横山sanならではの視点。納得の作品です。【2003年週刊文春ミステリーベスト10・1位、2004年本屋大賞2位】
-
友人に勧められて。
悠木、衝立岩、北関
映画では観ていた。
新聞社内の描写にたまげてたら、お勤めされていたとの事で納得。
勧善懲悪好きのあたしには若干物足りなさがありつつも、緊迫したギリギリの精神状態で自分を貫く男たちが堪らん。
悠木の弱さやお偉方のぬらぬらしている感じが更にギャップを生むし。
新聞社の方の感想文を読んでみたい。 -
北関東新聞の古参記者、悠木和雅は、同僚の元クライマー、安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑む予定だったが、出発日の夜、御巣鷹山で墜落事故が発生し、約束を果たせなくなる。一人で出発したはずの安西もまた、山とは無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残したまま―。未曾有の巨大事故。社内の確執。親子関係の苦悩…。事故の全権デスクを命じられた悠木は、二つの「魔の山」の狭間でじりじりと追い詰められていく。
-
北関東新聞の記者・悠木は、同僚の安西と谷川岳衝立岩に登る予定だったが、御巣鷹山の日航機墜落事故発生で約束を果たせなくなる。一方、1人で山に向かったはずの安西は、なぜか歓楽街でクモ膜下出血で倒れ、病院でも意識は戻らぬままであった。地方新聞を直撃した未曾有の大事故の中、全権デスクとなった悠木は上司と後輩記者の間で翻弄されながら、安西が何をしていたのかを知る――。
-
横山秀夫は何作か読みましたが、やはりこの小説が一番だと思います。緊迫感が圧倒的です。
-
安西の存在が面白い。
彼ら家族を登場させなくても、大作になる。
若手の情熱、上司の思惑、悠木の葛藤、新聞の果たす役割等々、盛り沢山。惹き付けられる作品になったはず。
しかし、これだけでは「クライマーズ・イ」なにはならない。
安西に山を語らせ、様々な意味での「山に登る」ことを描く。
だから、横山秀夫さんの作品は、たまらんのだ。 -
地方紙の新聞記者が主人公。登山家から恐れられ、ワーストオブワーストの異名を持つ衝立岩に登ろうとする場面からはじまる。
そして、なぜ登ることとなったのか、17年前の回想が交互にながれる。主人公は、日航機墜落事故、全権デスクだった。
岩山を登る話でありながら、回想シーンは17年前の記憶の谷をそろそろ降りてく感。見えない谷底を少しずつ照らして明らかにしていく。
これは非常時の現場だけれど、そうじゃなくても新聞て、毎日がこんなに切迫してるんですね。警察や記者という職業はなんと神経を摩耗する仕事なんでしょう。選択を迫られて選んだ生き方は、潔い。
また、思春期の息子と父親の話でもありました。どちらにも共感しつつ。
高所が苦手なので、文章とはいえ、手の平に足の裏に背中に汗やゾクゾクを感じつつ⁉︎
迎えたラストは、そこから続く未来とともに、とてもいい眺めでした!