- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163240701
作品紹介・あらすじ
亭主が出ていった、二人の子供を抱えて、家賃も払えない…不幸?いいや、ディア、そんなものは、人生のちょっとした煩いみたいなものさ。伝説の女性作家にしてアメリカ文学のカリスマ、待望の第一作品集。
感想・レビュー・書評
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村上春樹翻訳の本なので興味があって読んでみました。
話自体はとても面白いのだが、文体やストーリーに癖があり結構読みづらかったです。
訳者のあとがきにもありましたが、村上春樹自身にとってもかなり翻訳に苦労したようであった。
だが、それぞれの短編小説にはきらりと光るものがありそれが読者を惹き付けるのかもしれない。
機会があれば、作者の他の短編小説も読んでみたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「村上春樹翻訳ほとんど全仕事」を読んでいる中で知り、そのあらすじや村上春樹本人の書評とコメントに惹かれて読んでみました。
チャーミングで精神的に自立しているような女性が主人公の短編が多い印象です。
作者のグレイス・ペイリーさんがフェミニストとして政治的活動も行っているから、その影響なのかもしれません。
「若くても、若くなくても、女性というものは」は、13歳の少女が年上の従姉妹のボーイフレンドを実に官能的に誘惑するというとてもおもしろい話でした。そこに性的倒錯のような不快感はなく、とてもチャーミング。
略奪してさらに婚約まで取り付けるという執念は、たしかに若くても、若くなくても、女性というものは、って言いたくなっちゃいますね。
最終的に、母に出し抜かれたのような形のラストまで含めて。
「人生への関心」もおもしろかった。離婚間際の夫婦と、妻の幼なじみ。おまけにその幼なじみの母親。
自分が若い頃に求められていたという事実、かつひょっとしたら今もそうであるんじゃないかという優しくて温かな期待。
自分がどれだけ哀れで同情に満ちているかを書いた紙を「人生のちょっとした煩い、みたいなものでしかないよ。」と小馬鹿に笑ってくれる存在のかけがえのなさは、いくら愛していたと言えど夫では再現できないだろう。
この短編が一番好きかも。姉妹編も別の単行本におさめられているらしいので読んでみたい。 -
リアルな小説というのは
設定や人間関係ではなくて、
人間の感情がリアルだっていうことだと思う。
なにもかもありえない、でも、よくわかる。わかりすぎる。
そういう意味で、めちゃくちゃリアルな小説でした。 -
女は年齢問わずたくましいという内容・・・かな?
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村上春樹が翻訳したものって必ずどっかに春樹っぽさが感じられて、モノによってはいやんなっちゃったりするんだけど(作品のチョイスがいいだけに)。
これは完全に訳者が姿を消していた。春樹が脱春樹した! -
「そこにはまっとうな庶民としての強固な哲学があり、たしかな矜持がある」
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☆☆☆☆☆