扉守(とびらもり)

著者 :
  • 文藝春秋
3.66
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本棚登録 : 380
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163287300

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに読んだ光原作品。毒やトゲを包み込むようなものが読みたいなあと思って手に取った、その期待通りに優しく懐かしさを感じる風景が広がっていた。

    ファンタジーは苦手だけれど、光原さんの書かれるものは何故かすーっと入ってくる。不思議要素のない「十八の夏」のようなのをまた書いてほしいなあ。

  • 【ひとこと感想MEMO】
     
    潮ノ道という街と繋がる不思議な人たちの縁が、とても優しいお話だった。
    モデルの街である、尾道に行ってみたくなった。
     
     
    【気に入ったひとこと】
     
    誰かと一緒にいたいなら決まりごとは守らなきゃならにという、三千世界のどこでもかわらない真理を、あんたは学んでこなかった。(P.113より)
     
    調和の大切さ・・・だね。
     

  • 光原さんはひりひりした部分が無くって、心安らかに読める感じ…。
    舞台は潮ノ道。出てくる方言がほっとする感じでよい。
    そう、全体的に包む柔らかいイメージなのよね。好きかも。

  • 現実に交わる不思議な空間と、そこをたゆたう人と心の物語。
    静かだけど騒がしい、そんな感じでした。

  • 連作短編集。7作品あります。
    面白かったです。
    癒し系です。
    地元が舞台なのでより楽しめました。
    方言も良かったです。

    『天の音、地の声』『ピアニシモより小さな祈り』
    この辺りが良かったです。

    あと、了斎和尚がどうしても尾美としのりをイメージしてしまうのも地元民ならではだろうか(笑)

  •  三方を山に囲まれ、瀬戸内海に面した坂の町「潮ノ道」。対岸の唄島から、フェリーに自転車を乗せて高校に通う少女は、ある日、潮ノ道の商店街に「セルベル」という雑貨屋があることに気づく。
     大きな金色のピアスをした店主の青年は、怯える子ウサギのような仕草で店に入ってきた少女が、店を出るときに突然黒猫のように妖しく豹変するのに戸惑う。
     弱々しいかと思えば生意気な口をきく少女に、客の1人である持福寺の住職了斎は、どこか変わったところに行かなかったか、人が急に亡くなるような場所に行ったのではないかと尋ねるが…表題「扉守」ほか潮ノ道を舞台にしたファンタジー6編。

     瀬戸内の坂の街はもちろん「尾道」が舞台。そしてこの町でさまざまな不思議が起きるのがこの物語。主人公は年齢も様々な少女たち。そして、必ず登場するのは、ちょっととぼけた感じの持福寺の住職了斎さん。少し切なく、ほんのり幸せが感じられる美しい物語の数々でした

  • 街が重要。それは解ったけど、その説明がちょっと分かり難く長い。分かり難いから長く感じるんだろうけど。でも、シリーズにしたいと書いてあるので、続きは気になります。短編読み切りで、切りよく読めますが。

  • 中々神秘的で楽しかった!

  • (収録作品)帰去来の井戸/天の音、地の声/扉守/桜絵師/写想家/旅の編み人/ピアニシモより小さな祈り

  • 小波に揺れる小さな漁船、幾重にものびる石段、踏切の音さえ美しく響く町の風景がありありと浮かんできた。そんな潮の香りが漂う町で紡がれた七つの物語は、わざわざ語るに及ばないほど情感豊か。不思議を不思議と思わせず、ありのまま受け止めさせるおおらかさの陰で、時に厳しい顔をのぞかせる町と、ここを第二の故郷とばかりに訪れる旅人たちに、本を閉じる頃にはすっかり魅了されてしまっていた。

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著者プロフィール

広島県尾道市生まれ。詩集や童話集を出版したのち、一九九八年『時計を忘れて森へいこう』でミステリ界にデビュー。二〇〇二年「十八の夏」で第五十五回日本推理作家協会賞短編部門、十一年『扉守 潮ノ道の旅人』で第一回広島本大賞を受賞。主な著書に『星月夜の夢がたり』『イオニアの風』『風の交響楽』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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