2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163755007

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄へのお供にした一冊。
    最初は読みやすかったが、だんだんと進まなくなった。
    結果、一週間以上かかってしまった。

    人口は世界的に減少していく。
    女性の地位は、新興国では上がっていくが、「富裕国」では年金開始年齢引き上げとともに、高齢まで働くことが求められるようになる。
    英語の一極支配は進むが、文化はローカルなものであり続け、中国語やスペイン、ポルトガル語などの言語が地域的な優位性を高める。
    温暖化の影響は読みがたいが、夏、北極圏の氷が解け、新たな航路や漁場を作るかもしれない。
    民主主義は先進国では後退し、新興国では前進する。
    世界経済の中でアジアの時代が(再び)やってくるが、日本の存在感は薄れる。
    国家間の貧富の差は縮小するが、国内の格差は拡大する。

    …こんなことが書かれているのだが、最終章は何と、「予言はなぜ当たらないか」。
    これまでに言われてきた悲観的な予言が悉く外れてきたことを指摘しているのだが、それは…この本にも当てはまる、という暗黙のメタ言説なのだろうか(爆笑)

  • The Economistの知的レベルの高さを感じる一冊。人口と資源とテクノロジーに規定される世界。民主主義の衰退。シュンペーターと英語。中国の没落。

  •  2050年の世界を英「エコノミスト」誌が予測する。未来予測となると、どれもこれも悲観的になりがちである。本書では、明るい人類の未来像を語っているわけではないが、人類はその持てる叡智を駆使し、世界は無事に存続しているらしい、但し、注釈付きで想定外の変化がない限りとある(笑

     外国語学習について、コンピュータの翻訳技術が進歩して「外国語はペン習字を習うようなものになる」と予測している。そうすると幼児からの英語教育ってものに意味がなくなる。近々にはじまる小学校の英語の授業は止めにして、しっかり日本語を勉強すべきなんじゃないかな。

  • まだ読み途中ですが、面白い。

    シュンペーターのパートが特に面白かった。3DプリンターやIOTは知っているし、すでに仕事で触れているけど、シュンペーターの話を踏まえながらの説明はエキサイティングでした。

    それ以外のパートも面白い。
    利便性が高まる一方で、高度にIT化された社会での常に働く環境、孤独に感じやすい、話すことへの興味を失うという負の側面があったり。

    また、ライフサイエンスの分野では、アルツハイマー増加、

    耐性物質の耐性を持った耐性菌の登場、グローバル化、新興国の都市化に伴う疾病の登場等で感染症リスクの増大等。

    最後に、「資本家の功績というのはエリザベス女王に絹の靴下を供給したのではなく、女子工員たちの手が届く場所に持ち込んだことである。」というのが熱いな~と。

  • 2050年というと、順調にいっていれば自分がキャリアライフを終える頃。その頃の世界の趨勢、テクノロジーなどの概況予測を念頭に置いていると、今自分がすべきことのヒントにもなる。数十年先の予測は胡散臭さが残りやすいが、この本は専門のジャーナリストがそれぞれの分野を論じており、安心して読めた。一つ参考になったのが、悲観的な予測は概して当たっておらず、楽観的な予測は概して近しい状態ができているということ。

  • 英「エコノミスト」編集部 現在、信仰は世界中で花を咲かせているが、アンソニー・ゴットリーブは途上諸国で宗教が弱体化すると主張する 女性の教育及び機会の向上は、非連続的な社会変化をもたらすだろう。エドワード・ルーカスが予想するのは、今後40年間に、独裁国家で民主化が進行し、自由国家で民主主義が後退する事態だ 高齢化にともなう最も深刻な影響は、アルツハイマー病の増大である もつとも興味深いのは、テーンエージヤたちが友人と時間を過ごそうとせず、オンラインで、それも多くの場合、世界最大のソーシャルネットワークであるフェイスブックでつながっていることである。 資源、領土、部族、宗教、イデオロギー、国家同士の対立が引き起こ緊張と誤断・・・

  • 私のブログへ
    http://tatsuya1970.com/?p=6637

  • 2050年を予測するのは、本当に無謀で大胆なことなんだ、というのが大前提。
    但し、示唆深いことや勉強になることもたくさんあった。
    人口ボーナスのこと、未来の予測において、人口の変化があたる確率は高いこと。
    中国の今後についてと、台頭する東アジア諸国のことについて…etc

  • 『2030年 世界はこう変わる』(米国発)を読んでしまっているので、論点での目新しさはなく、かなり飛ばし読み。船橋洋一の解説が分かりやすく面白い。
    ・インド・パキスタンでの核戦争のリスク、
    ・高齢化による中国の苦境、
    ・G7(7大経済大国)で残るのは米国のみで、残る6か国は中・印・露・ブラジル、インドネシア、メキシコ。
    ・貧しい国では億単位で中産階級へ人々はのし上がっているが、豊かな国では中産階級がボロボロと貧困層へこぼれ落ちていく。それによって国家間の格差は縮まるが、国内の格差は拡大していく。
    ・米国は先進国のなかで異形の「宗教国家」となりつつある。常に競争・解雇・収奪・殺害のリスクにさらされているが故に、宗教にすがる。

  • 将来を予測することで現在の立ち位置を考えることは、とても重要なことだと思う。
    見えない力で物事が動いていると感じる時に、この大きな方向感を見失っている場合があるのかもしれない。
    2012年出版で多少古い部分もあるが、それでもその洞察は色褪せず、一読の価値あり。
    なお、本著は各章の最後に総括が入っていて重宝した。頭の整理を助けてくれる。

    以下は幾つかの気づき。

    ・今後はアジアの時代になる。
    その中でも中国とインド、そして中国が一人っ子政策の影響で人口配当力が落ちていく中、インドが中国を追い抜く可能性がある。
    米国のインドへの接近はこのような背景があるのだろう。日本の外交政策は?

    2050年には、世界の半分がアジア経済になると予測されているが、その中で日本は相対的に急速にプレゼンスを失っていく。

    ・人口分布の”出っ張り”世代が労働人口の仲間入りをすると、国家はおよそ四十年のあいだ『人口の配当』から利益を受ける。
    この時期は、比較的子供の数が少なく(出生率が低下)、比較的老人の数が少なく(死亡率が高い)、経済的に活発な大人の数が多い。
    日本でいえばベビーブーム世代が労働人口の仲間入りをした高度成長時代。今後でいえば、インド、サハラ以南のアフリカ、中東と北アフリカ。
    因みに、この人口構造の変化は政治的に影響を及ぼす(不安定となる時期がある)。
    アラブの春もその現象のひとつ。
    何れにしても人口動態の分析は非常に重要なことに改めて気付く。

    ・日本は世界史上最も高齢化の進んだ社会になる。
    中位数年齢が52.3歳まで上昇する。
    (人口の半分以上は50歳以上)

    ・石油の代替物は数多く登場するが、水はそうはいかない。水は生命に欠かせない成分。
    人口の増加、気候変動により水資源に関わる紛争が発生する可能性がある。
    水資源に恵まれている日本は、その意識がどれ程あるのだろか。

    ・民主主義のアキレス腱は二つある。
    ひとつは金と選挙に対するさまざまな形でのバイアスのかかり方。
    もうひとつは民意がマスコミ等を通じて操作されやすいこと。
    この民主主義の脆弱性を補う一手段として、法の支配の貫徹がある。さらに他人のことを思いやる『公共心』が、この民主主義の欠陥を補う。

    ・生産性を向上させるさまざまな手法や技能は、教育程度の高い労働人口を持つ国で広まるとされる。

    ・人間の頭に直接、脳波センサーを埋め込むことが考えられている。インテルの科学者は、ユーザーが考えるだけでコンピュータを操作できるチップを開発中だ。

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