2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

  • 文藝春秋
3.53
  • (43)
  • (117)
  • (120)
  • (27)
  • (5)
本棚登録 : 1355
感想 : 134
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163755007

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昨年の 9月に買った本で、約 1年の積ん読を経て読了。まあ、40年先の水晶玉話なんだから、1年読むのが遅れたところで、どうということはあるまい?

    人口動態に始まり、政治、経済、宗教、言語、軍事、科学技術など多岐な話題について、英国エコノミスト誌の記者が 2050年大予想。全体を通じた基調は「楽観論」で、科学技術(特にコンピューター、ネットワーク関連技術)の指数関数的な発展と、インドの繁栄、全世界規模での貧富の差の縮小などはどの章でも共通した認識となっている(そして、残念ながら日本は凋落の一途を辿るらしい。いーの、放っといてくれ)。

    章によって異なる記者が執筆しているため、ちょっと酷いなと思う部分も無いでは無いが、ほとんどの章は知的な刺激に満ちており、2050年の未来に向かって投げた曳光弾。

  • 表題は予測だけれど、そのためには現状把握が必要。
    今日の時事問題も、それぞれの分野において深く掘り下げられていて、ルポルタージュとしても面白かった。

  • ・主役は生物学
    ・中国の出生率は2.1に
    ・インドネシアは人口ボーナス
    ・アジアは世界経済の半分
    ・G7は中国、アメリカ、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコ
    ・貧しい国は中産階級が増えるが、豊かな国では中産階級が貧困層へ
    ・豊かな国では宗教が相対的に重要視されないが米国は例外
    ・中国語が英語に代わることはない キーボードも英語のまま
    ・日本の躍進のためには、自己規制をはずし欧米的な考え方を

    シュンペーター

  • やはり最終章のマット・リドレーの章は、痛快。悲観論で埋め尽くされた未来預言者の説をことごとく、科学的・定量的に覆していく様はさすがでした。この章だけは、読む価値があります。

  •  2050年。今から40年後。私は83歳。 生きてるかどうか?? 
     内容としては、中国が今後落ち込み、インドとかブラジルがあがっていく様。日本は全体的に競争力、生産力等はかなり落ちるよう。そりゃ人口がこれだけ減っているんだからそうかな?と思う。ただ日本は全体的に成熟して経済力はあんまり高くないけど、世界中の国から憧れられるような存在になっていればいいな。あと、最後に書かれていた、”未来は楽観的”というのを信じたい。

  • 職業柄特に第10章

  • この先の世界の行く末を思案しつつ、自分の未来像を思い描くためのインプット。結局読んでみて興味深かったのは、「第1章」、「第18章」と「第19章」だった。特に「第18章」の筆者、ケネス・クキエ氏は、ビッグデータ系の本も出しているので、論調が共通していた。一通り頭に入れて、ガラガラポンしてみようと思う。

  •  不透明と思われる現在。

     これからの世の中はどのようになって行くのであろうか。少しでも情報を知りたくて、このほんを読み始めた。

     以前も、同じ内容で2000年を予想したものが出版されていたようだが、細かい技術発展までは予想できてはいなかったが、大枠は予想とずれていなかったようだ。

     なぜ、予想からずれないのか?

     一言で言い表すと、人口動態が主の考えになっているからであり、50年後は、2世代交代が行われようとしているちょうどそんなときにあたるのだ。

     ということは、教育環境などからその地域の人口の増減、パワーバランス、技術の進歩などが想定して行くことができるということになる。

     その現在の集大成が、この本に記されている。

     最近、「データでわかる2030年の日本」という本が出版された。これも、読みたいが。もう一度、この本を読み返してみたいと思う。

  • 未来を考えるためのデータに興味があって手に取った本。
    10年前くらいの時、人口が60億人になった的なことを学校で習った記憶があるけど、今71億人なんだって。
    人口爆発。
    そして今後も増えつつけ、おそらく2050年には90億人を超えるそうな。
    人口が増える国は新興国。人口が増えれば労働力が増えるってことで今後経済発展がしやすい。逆に労働人口が減っていく日本や中国は財政に悩まされるそうな。(「人口の配当」って言葉を使っている)
    で、やっぱりグローバリゼーションが進むのかなと思いきやそうではないらしい。あんまり母国以外の大学に通う人も、母国以外の国に住む人も何年か前の想定よりも少ないそうな。経済危機とかいろいろあったからかなあ?

    んー日本は大きく変わっていくんだろうか?
    今後生物学と情報科学が発展しつつ、新興国のキャッチアップは早く(「後から来るものは速い」)、今までキャッチアップメインの教育だった日本は基礎研究であまり成果がでておらず(ノーベル賞受賞数が少ないと書いてあった)、経済成長を支えていた労働者が年金受給世代となり負の人口の配当を得、仮に企業が頑張ってもこれらを改善するために財政制度が変わったり、そもそも消費傾向が変われば産業も変化するか。

    とかとか。

  • エコノミストの担当記者が書いたものを本としてまとめたもの。人口や年齢構成の変化を基にして、経済やそれを背景にした国際関係はある程度予測可能だろう。長期的な展望を考えるにあたっては、歴史にヒントがあると感じた。

    ・労働人口が継続的に増加するのは、インド、サハラ以南のアフリカ、中東、北アフリカ。
    ・BRICsのうち、ブラジル、ロシア、中国では、若い成人の識字率が男女とも100%に近い。
    ・近代的な国民国家の要素として、自由選挙は最優先事項。その他の要素は、独占禁止を行う政府機関、金融監督官、消費者保護組織、治安維持組織、法の支配。
    ・ゴールドマン・サックスによると、新興株式市場の価値総額は2030年まで年率9%以上成長する。そのうち、40%は新規上場分で、既存の銘柄の上昇率は年率7%。
    ・1870〜1914年には、物とサービスの国際貿易が現在と同じくらい自由に行われていた。鉄道、蒸気船、電報、冷蔵技術などが生み出され、ヒトの移動に関する制約も現在より少なかった。戦後、1914年の水準に戻ったのは、GDPに対する国外資産の割合が1980年、GDPに対する国際商品輸出の割合は1970年。
    ・1990年代に共産主義が倒れたことを背景に、世界の輸出総額は1990年の3倍になった。
    ・1453〜1503年の50年間に出版された書物の数は800万冊。2011年の世界の保存情報は1.8ゼタバイト(ゼタはテラ、ペタ、エクサの次。2の70乗)で、2年ごとに倍になる。

全134件中 51 - 60件を表示

英『エコノミスト』編集部の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×