スキン・コレクター

  • 文藝春秋
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903484

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず期待を裏切らないシリーズでした。のっけからの出来事が意外だったけど、一筋縄では行かなかったし。まぁその辺りはそうでなくっちゃと思ったから良しとします。こいつ怪しいみたいなのはやはり怪しくて、でも更に上を行く展開はさすが!まだまだ続きそうで嬉しいです。

  •  うーん、面白い。
     このシリーズは、犯人探しとか何にも考えず、ただ話の流れるままに読んで、最後のどんでん返しで、「おー、そう来たか」と楽しむのが正解です。

  • ライムシリーズにはいまいちな感想しか持てなかったけど、今回はまあまあだった。相変わらず人物は薄っぺらだし、都合の良い展開だけど、今作の事件の意図が明らかになる過程はさすがだ。ウォッチメイカーがこういう風に関わってくるとは思えなかった。でもやっぱりディーヴァーは短編の方が好きだなあ。

  • ライムシリーズ。なんとあの仇敵・ウォッチメイカーが獄中死というとんでもない展開から始まりますが。今回の犯人は「ボーン・コレクター」に影響を受けたらしい人物、というこれまたとんでもない設定。シリーズファンに対してのサービス精神が旺盛すぎます。
    いつものとおり、緻密に証拠を採取して物証を固めていく捜査手順と、さらにその先を行こうとする犯人との頭脳戦のはらはらどきどきは健在。さらにライムたちに迫る犯人の魔手も! まさかあの人があんなことに……! 愕然。
    ラストの連続どんでん返しはいつものことだよなあ、と思っていましたが。……うわあああ、今回は予想の斜め上いきました。そしてライムとあの人とのやり取りがどことなくほのぼのしてるというかなんというか(苦笑)。さらなる続編が気になります。

  • 墨に毒を混ぜて刺青するというサイコ系連続殺人。やや手垢にまみれた展開。「ボーン・コレクター」が骨で今回はスキンに対する執着が強いってのも同工異曲だ。
    後半、そのスキームは壊されていくことで、定石を逆手にとってることがわかるが、ボリュームとしてはサイコ系の話が長く、ワタシには魅力がない。
    どんでん返しが売りなのでそのつもりで読むので、意外性はあったが、あまり驚きにはつながらかなった。

  • ネタバレ注意
    良しも悪しきもディーヴァー。
    もちろん面白かったけど、正直、宿敵との流れは丸っと読めてしまってやっぱりね!という感じ。多分、ライムシリーズ読者ならずともミステリー好きなら同様に思った方は少なくない筈。冒頭からでなく中盤以降にさりげなく入れて欲しかったかな。まぁ、それも難しいか…(笑)。
    それでも面白いは面白いです。

  • 期待外れ 大はずれ ガッカリ
    これが2015年のこのミス1位とは?国内も海外も、今年(もう去年か)のこのミスはどうなってるの。このシリーズの中でも最低に近い。相変わらず、神のごときリンカーンが明晰な頭脳で謎を解いていくが、このパターンもこれ位続くとはっきり言って食傷気味。それでもドンデン返しの爽快さで読ませるのがこの作者の力量と思ってきたが、本作はちっともドンデン返らず、余りのコジツケにコッチが天を仰いでひっくり返ります。(確実に)。唐突に『ミリシア』だから、『ミリシア』なんか馴染みもないし。一番ひっくり返ったのはウォッチメーカーが生き返って、生き返るだけでもどっちらけなのに、リンカーンと仲良くお話なんかして、悪役の凄味がなくなるやん。犯人との会話で謎解きするなんて、まるで安もんの日本の2時間ドラマやね。ストーリーの中に織り込めや!ホンマにガッカリやったわ!国内・海外の2位作にこれからとりかかるけど、これ以下やったら、不作の年という事になるんか、『このミス』も落ちたねちゅうことになるんか?どっちゃやろ?

  • いかにもシリーズ物らしい展開で、よくできたテレビドラマを見ている気になった。名前だけは、他の本で読んで知っていたので一度読んでみようと手にとったが、リンカーン・ライムという探偵にあまり惹かれなかった。

    特に、気になったのは邪魔が入らなかったら毒入りのウィスキーを飲まされそうになってしまったところだ。いくら好きでも、ふだん見慣れない酒が棚にあったら確かめてから口にするだろう。今相手にしている犯人は毒殺魔なのだから。人間的な弱みがあって、きっとそういうところがファンにはたまらないのだろうが、相手の行動を予測して機先を制するのが持ち味の探偵としてはちょっとどうかと思う失態である。

    それと、流行のブランドや少し前に流行った映画の引用が気になった。流行作家ならではのファンサービスのつもりだろうが、少し時間がたつと陳腐に見えてきて、こういうところから文章は腐りだすものだ。

    どんでん返しが売り物の作家だそうで、それを期待する読者のために、かなり無理をして意外な犯人を繰り出して見せる。そのために張られた伏線はちゃんと機能しているが、倒叙物のミステリの手法を採用して犯人側の視点で描いていながら、都合の悪い点についてはいっさい口をつぐんでいるのは、アンフェアな感じがした。まあ、本格物ではないのだからそこまで求められてはいないというのは分かっていていうのだが。

    『ボーン・コレクター』ほかの作品を読んできている読者には、顔なじみの仲間やら、好敵手である犯罪者やらの活躍は、きっと初読の読者には知りえない喜びがあるのだろう、とは思った。はじめて読む人は、時間が許すなら刊行された順に読んでみるほうがいいと思う。なに、読むのに時間はさほどかからない。そういう風に書かれている。

  • 一気読み。前作「ゴースト・スナイパー」が今ひとつで(ディーヴァーとしては、ライムシリーズとしては、だけど)、今年はどうだろうと思って読み出したら、もう途中でやめることができなかった。シリーズ屈指の傑作ではなかろうか。

    第一作「ボーン・コレクター」をふまえ、大傑作「ウオッチ・メーカー」ともつながり、ライムをはじめとするおなじみの登場人物たちの人生の転変も背後に流れる。しみじみずっと読んできて良かったなあと思わせてくれるのだ。しかも、ラストでは宿敵との次の戦いが既に始まっていることが示される。うーん、今から楽しみだ。

    ディーヴァーといえば、あっと驚くツイストがお楽しみだが、今回もしてやられました。ここのところちょっとあざとい感じがしないでもなかったけど(これはきっとひねるな、ほらやっぱり、という展開がよくあった)、本作では、大技小技どっちも楽しめる。終盤は圧巻。さりげなく書かれていたアレもコレもみんな伏線だったのね。いやもうすばらしいです。今年読んだミステリではベスト。

  • ライム・シリーズ第11弾。お出掛けしていた前作とは違い、いつものようにタウンハウスに籠っての分析スタイルに戻っている。犯行の状況や、知能の高い犯人との駆け引きなど、ライム・シリーズらしい仕上がりになっており、細かい伏線が張り巡らされていて面白く読めた。

    ボーン・コレクターやウォッチ・メイカーなど、過去の名作を絡ませた構成で、終盤の二転三転する局面まで吸引力を維持して飽きさせない展開だが、やっぱり後半になるとややだれるなあ。個人的には、事件の全貌が見えない段階の緊迫感が好きなのであって、犯人の意図が判ってくると感覚的にトーンダウンするらしい。でもそこからのどんでん返しは毎回すごいと思うけど。

    さて今回のサプライズですが、面白いんだけどやっぱりくどい。色々詰め込み過ぎたのか、終盤はTVドラマを観てるようだった。『スキン・コレクター』のお話としてはよく出来てるけど、ライム・シリーズで見るとこのオチはいかがなものか。このパターンになるともう読者は先読みしてるよね。

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著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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