クロコダイル・ティアーズ

著者 : 雫井脩介

• 文藝春秋 (2022年9月26日発売)

感想・レビュー・書評

[わんにゃんさんの感想 · 2023年4月20日]

曖昧なことが多すぎるために先を急いでどんどん読み進められたものの、結末はうーん…という何とも面白くない現実的な事実。
先入観や思い込みで状況を悪く考えすぎて損をすることはあり得る話ではあるものの、話としてはスッキリしないし、不幸な人が多すぎてあまり好みではなかった。

[キウリさんの感想 · 2023年4月18日]

ミステリー？などはあまり読まないので、どういうストーリー展開なのか気になりながら読んだ。

最初は登場人物が把握しきれなかったが、
慣れたら引き込まれていく。

どんでん返しを期待するなら、期待はずれになるかもだが、
流れに身を任せて読んだら、
人を信じられないと、世の中がこんなに違って見えるのか、とそら恐ろしい。

しいて言うなら、
ずっと描かれなかった想代子の心理描写が
最後にさらさらとつむがれるのがどんでん返しとも言えるかもしれない。


ふと、福岡の事件、
ママ友を信じきってしまったゆえの悲しい事件、
を思い出した。

人の数だけなにかがある。

[yumiemonさんの感想 · 2023年4月3日]

ゾワゾワ。
女子目線でしか気づかない、なんかこの人嫌なんだよなーみたいな。あざとさの裏側感の書き方が絶妙。女友達居ないんですって人、こういうとこあるよねっていう。見事。

[01013739さんの感想 · 2023年3月30日]

読後は消化不良のような気持ちになりました。結局のところ、本人には落ち度がなくて、周りの人間が自分勝手な思いで不幸に陥ってしまったと言うふうに理解したのですが、こういう物語もあるのだなぁと思いました。

[くじらさんの感想 · 2023年3月25日]

面白いぐらい、嫁の周囲の人達が疑心暗鬼になっていく。息子のお母さんがとても可哀想。

[manndananaさんの感想 · 2023年3月17日]

何を書いてもネタバレになってしまうから迂闊な事は書けないけど、「私もそういう人種」なので…はい…

[ichiroh0157さんの感想 · 2023年2月23日]

主人公の想代子のその後の人生に安寧と幸福な余生を祈りたいと思う自分がいた。なかなかボリュームのある内容に驚きとトキメキあるドラマに感謝ひとしおでした。題名からこんな展開など想像もしなかった。

[よつばさんの感想 · 2023年2月18日]

読後、時間が経つに連れじわじわと恐ろしさが蘇る。
読みながら何度も『未必の故意』の言葉が脳内を駆け巡った。

鎌倉にある、老舗の陶磁器店の一人息子・康平が殺される。
裁判の最後に犯人が叫んだ「想代子から夫殺しを依頼された」の一言が家族の悲劇の始まり。

疑心暗鬼に陥りながら生活を共にする姑の心の揺れがリアル。

一見、慎ましやかに見えるが掴み所がない言動を繰り返す想代子に、読者の不信感は次第に加速していくはずだ。
あれもこれもきっと…と、想像は膨れ上がる。

『噓泣き』を意味するこのタイトルが全て。

スリルに満ちた家族ミステリ。

[ayaponさんの感想 · 2023年2月15日]

タイトルが嘘泣きを意味するワニの涙なので、まぁそういうことなんだろうなぁとは思っていた。期待が高かった分すこしがっかり。

[ryokutya87さんの感想 · 2023年2月14日]

ひたすらに続く疑心暗鬼だらけの進行に息苦しくなってしまう。実態はどこにもないのに、自らの心の中で湧き起こる黒い雲。こういう微妙な感情を描くのは雫井さんの真骨頂とも言えるのかも。
ただ、内容についてはまったく面白くなかった。
終わり方も肩透かし。

著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第４回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第７回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気！』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ２　闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」