新装版 青が散る (上) (文春文庫) (文春文庫 み 3-22)

著者 : 宮本輝

• 文藝春秋 (2007年5月10日発売)

感想・レビュー・書評

[小林晶さんの感想 · 2011年7月31日]

青春小説というと、若くて明るくてつまらないという勝手な先入観がありましたが、この小説はどこか陰があって、内向的。一浪して気の進まないまま入学した燎平が悩み考え生きる姿に共感します。人と出会って人生が切りひらかれていく、その体験と自分自身がどう生きたいかを模索する意志との葛藤が感じられます。「人間は、自分の命が、いちばん大切よ」と言ったペールの言葉に考えさせられました。

[ごまゆさんの感想 · 2010年11月18日]

大学で部活（テニス）に明け暮れる主人公とその友人。
そして淡い恋（←みたいなことを、紹介に書いてあった）

わたしもテニスやってただけはあって、あの試合の精神戦みたいな部分、よくわかった。
上手いと強いは違うんだよね。

大学生ってやっぱり、社会人になる前のいわば長期休暇みたいなもので、毎日をただ行き当たりばったりに過ごしている人ばかりなんだって思ってた。
自分は、そうだし。
でもこの本は、一見そうも見えるし、実際に多分にそういう部分を含んでいたとしても、みんなどこかしらで信念をもっていたり、味のある部分をもっていたりする。
そこから滲み出すもので、みんな生き生きとしている。
人間って一枚じゃないってことに気づかせてくれる。

人の表面のその下の存在を、想像できる人間になりたいなあ。

あと、恋愛ってものはほんとにタイミングが大事ネ！

[aubergineさんの感想 · 2010年10月6日]

青春。若いって素晴らしい。そして何かに熱くなれるってカッコイイ。大人になって改めて読んでみても感動。でも若いうちに読んだ方がもっと良い。

[えこさんの感想 · 2010年10月1日]

おそらく数十年も昔が舞台だろう。若者の心情はいつの時代も変わらぬものなんだね。心理描写や登場人物の描き方のバランスがいい。

[くっさんさんの感想 · 2010年9月28日]

随分前に高校生の時に読んだ本。当時は大学生のテニス・恋愛を中心とした甘酸っぱい青春小説の印象を受けたが、大人になって読み返してもやっぱり面白いです。
若さ・明るさというポジティブな青春というよりも、寂しさ・せつなさ・甘さみたいなのがちりばめられて胸が少し締め付けられるような感覚です。
大学生くらいで読むと一番面白いかも。青春小説の金字塔です。この時の宮本輝は素晴らしい。

[なむあみさんの感想 · 2010年8月17日]

上下巻読了。
大学入学から卒業するまでの話で、彼らはテニス部を一から作りあげテニス漬け。若いと思った。
とにかく遼平が最初まったく魅力的に見えなかったけど、最後の方になるとすごい客観的な人間で好感すら覚えた。
亡くなった辰巳教授が好きだな。色紙とかユーモアあるし泣かせることする。「自由と潔癖こそ青春の特権」とかかっこいいこと言っちゃって、良いお人だったなー。
彼らの青春をがっつり見た気がする。

[pauloyamadaさんの感想 · 2010年8月5日]

上巻読了。

[重吉さんの感想 · 2010年5月29日]

青い香水が付く感じ。大好きな本。
今更ですが、テニス覚えようかと思いました。

タイトルも良い。

[mizuho15さんの感想 · 2010年3月18日]

09/12/09

[ろふみぃさんの感想 · 2010年3月6日]

何かが違う。２０代に読んだ時と。もっと共感したような記憶がある。なぜだろう。白樺のシーンがそうさせるのか、人間の駱駝が馴染めないのか。テニスのスポーツ小説という面では安斉Vs貝谷の熱戦のシーン、白熱している。裕子の婚約が決まってりょう平達四人で飲んだくれるシーンは共感した。夏子が気持ちにはいってこないのだろうか。女性の見方が変わったせいか。

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」