- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167476304
感想・レビュー・書評
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あまり林真理子の小説は好きではないのだが、たまに読んでしまう。酒井さんの解説に惹かれてしまったというのもある。
この小説は表面上は「お嬢様」とか「お金持ち」とか、まあ東京(基本的に)のお金持ち連中の生活が主題に据えられているのだけれども、主観と客観のギャップの恐ろしさと、それが永遠に埋められることのない「人間」という生物の寒々しさ、というのは、なにもこういう虚飾に生きる人々だけではなく普遍的に存在するテーマだろう。
それにしても恋愛至上主義というのか、恋愛だから自分の行動はなんでも正当化される、と考えてる女というのは本当に虫酸の走る存在だな、と思った。
作者もそう思うところがあって、最後こういう結末にしているのだとは思うのだが、その結論に至るまでに、これでもかこれでもかとその嫌らしさが描写されるので、読んでいる方としては疲れてしまう。
あと、表現の重複が多すぎる。同じような文章が何度も出てきた。
週刊誌連載だったのは知っているけれども、本にする時には直した方が良かったのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビドラマでやってたanegoを書いた人っていうのも知ってて、何度か新聞でのコラムのようなものも書いているのを読んでたけど真剣に1冊読んだのはこれが始めて。
思った以上に良かった。
なんだか、私の好きなものがすべて詰め込まれているキラキラした世界。
裏側も書かれてるけど、いやらしくなくって生々しくなくってすんなり受け入れられた。
他の作品も読んでみようと思う。 -
二人の親友の恋愛話。
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最高に面白い!
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友達同士の花形になれないタカラジェンヌと不倫の恋をする女。二人の恋愛模様を描く。
なんだか痛々しい物語。林真理子ってこういう女の生態を書くのが好きだなぁ・・(特に裏側) -
全てではないがタカラヅカっ子的にリアルで楽しめた。若くて可愛いのはいいことだ。オンナノコとして考えさせられたところもあり。
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女性二人のラブストーリーがそれぞれ展開されていくこの作品。林ワールドが詰まっていて一気に読み終えてしまった。
財閥創始者の孫、医師の娘のタカラジェンヌの二人が主人公であり、今の自分の生活からはとても想像できないほどラグジュアリーな雰囲気が漂っているが、それを自然と受け入れてしまうのは、多くの女性が潜在的に持つラグジュアリーな世界、プリンセスな気分を味わえることにあるのかもしれない。
そんな世界に生きる主人公でも数々の悩みを抱え、壁に当たりながら生きているのは、実際の私たちと大差なく感じたりさえしてしまう。
どんな世界に生きていようと、女性の心の中はあまり変わらないのかもしれない。
林先生の描く可憐な女性の姿にどこか自己投影しながら、その悩みを自分と重ね合わせてしまわずにはいられない、そんな作品であった。 -
華やかで伝統ある世界に生きる女の子とそのお友達の成長物語?! 宝塚とか歌舞伎とか私の知らない世界を覗き見できる感じが美容室で読む「女性週刊誌」っぽい 登場人物の一人の梨園の御曹司のモデルって?実在のあのひと??・・・いや、事実はもっとスゴいのかも〜
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○宝塚とか歌舞伎とか編集の人とか映画評論化とか華やか
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『宝塚の娘役である千花は、歌舞伎界のプリンスと目される梨園の御曹司と、
親友でライターの萌は歳の離れた評論家と、
それぞれの恋を謳歌している。だが、花の盛りのように美しいヒロインたちの日々は、現実の退屈さや挫折、裏切りによってゆっくりと翳りを帯びていく。甘く苦い青春を描いた傑作恋愛長編。』
ライターや評論家はまだともかく、宝塚、歌舞伎ってなところを取り扱うのがいかにも林真理子さんWORLD。非日常で、ありえない、考えられない世界。セレブ度で言えば他の作品を軽く上回ったかな。
きっとこれってドラマや映画にできたらウケそうだ。
もちろん路之介役には歌舞伎界から市川海老蔵に出演以来を!!あの人の日常まんまで、自然体で演じてもらおう(`∇´)
千花にしても萌にしても、なんだってもってる女の子がいい恋するとは限らないんだぁ。。