陰陽師 (文春文庫 ゆ 2-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.81
  • (550)
  • (561)
  • (842)
  • (36)
  • (6)
本棚登録 : 5107
感想 : 499
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528010

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 平安陰陽師伝奇ファンタジー第一巻。短編六編を収録。陰陽師安倍晴明と友人の武士・源博雅の掛け合いを軸にして、京の都での奇怪な事件の数々を描いてゆく。
    事あるごとに"呪"のことを口にし、とらえどころのない微笑の浮かぶ晴明と、いかにも情感たっぷりな好青年の博雅、二人のやりとりだけでも、物語の中にすっと引き込まれてしまう。さらに加えておどろおどろしく、不思議な人と鬼の世界が展開され、そこにはエロさもグロさも儚さも友情もてんこ盛りながら、全体のテイストはあくまであっさり味でまとめられていて、後味がくどくないのがいい。
    準レギュラー?"恋すてふ"の壬生忠見も個人的には好き笑

  • 有名だとは知りつつも読んだことのなかった陰陽師。初めて読んだがとても面白く一気に読み切ってしまった。安倍晴明と博雅がシャーロックホームズを思わせるコンビで親しみが湧く。
    平安時代の雅な感じとおどろおどろしさに切なさも漂わせる。短編形式のため読みやすいことに加え、始まりの6月から寒くなる季節まで進んでいく構成も良い。
    何よりいいのが、大体酒を飲む場面から始まるところ。
    長寿シリーズになるのも納得。

  • わたしの怪奇幻想耽美小説というか、幽冥なるものに対する情熱のようなものにガソリンをかけてくれたのが夢枕獏である。小学生のときに陰陽師という存在を知り、様々な安倍晴明の伝説に胸を躍らせていた感覚が新鮮な状態で蘇る。
    しかし常々思うのだが、博雅は良い漢である。晴明が深く難しい話をしても、理解しようとして話に聞き入り、なお素晴らしいことには管弦の道極めたる者であるという、武士でありながら風雅を解する、まことに人間のできた男なのだ。わたしには難しい話ができる友人がいない。「晴明は寂しくないのか」と博雅が問う場面がある。彼の屋敷には式神しかいないのでは、という問いなのだが、晴明のことだからもっと深みのある問いに聞こえていたのだろう。晴明は、孤独だったと思う。天才ゆえの孤独。わたしは天才ではないが、難しい話をすると変な人だと思われてしまうので、本当にしたい話ができない、誰もわたしを理解しない、ある時期までは孤独を切に嘆いていた。「博雅は優しい漢だな」と晴明がいう。わたしも、そう思う。ふたりの言葉では表せぬ友情は、どうか生易しい呪でしばることなく、そのままであれと願うばかり。

  • 高校生の時、読書時間に読んで夢枕獏の魅力に引き込まれました。晴明と博雅の掛け合いが大好きです。一つ一つ小さい物語になってるので読みやすいです

  • 夢枕獏といえば陰陽師かな?と思って。
    わりとほのぼの?怪異や鬼の短編集。
    闇が闇として残っていた平安時代。今昔物語などをベースに膨らませ、物怪と人々の暮らしが当たり前のように共存し、当時ならそんな雰囲気があったのかもしれないと思わせる。安倍晴明と源博雅朝臣のやりとりが味わいがある。博雅の実直さが好ましい。

  • 夢が始まった場所で何が言える? 「唯一真神」かもしれん^^四回目やはり五回目と思う(日本語を読むのはやはり初めて)しかし早期のストーリはハードコアの程度が今よりずっと高くなった

  • 「陰陽師」シリーズ第1作。晴明と博雅の物語の幕開け。するすると読め、雰囲気も心地良い。

  • イメージよりももっとずっとエンタメ小説。

    小中学生の時に『少年陰陽師』シリーズを読んでいたので、そこと重なる部分が多く、もしかして現在の晴明像ってここに起因している…?と納得した。
    一話ごとに晴明と博雅がお酒を飲みご飯を食べて事件の現場へと出発していてよかった。食事をすることは腹を割って自分の全てを見せることなので。

    「普通の人」である博雅の生活の中に、晴明と彼に関わる怪事がすっかり組み込まれていて、それが自然になってるんだよな。いつまでも自然体でいられる博雅が晴明にとって、とても得難い存在なんだろうな。大切に続刊も読んでいきたいね。

  • 陰陽師、大好きな作品です。
    安倍清明は有名ですが源博雅はなかなか知られてないですね。
    親友の源博雅として清明と二人で事件を解決していくのは不思議でわくわくし時に切ない。二人の言葉の掛け合いも面白い。
    お互いに心を許している関係がとても魅力的です。
    ゆこう、ゆこう、そういうことになった。が好きです。

  • 晴明と博雅の会話がよくて一気読み。
    無言でも時間を共にできる仲に羨ましさを感じる。
    最近は平安時代に興味が出てるので余計に楽しく読めたのかも。

    ゆったりとした時間を晴明たちと過ごせた気がする。

全499件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×