我らが隣人の犯罪 (文春文庫 み 17-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549015

感想・レビュー・書評

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  • 『本所深川ふしぎ草紙』読了後、「これは処女作を読まねば!」と即日注文した本です。
    短編集ゆえ、かもしれませんが、必ずしも人死にストーリーじゃない所にとても好感が持てました。それどころかちょっと感動するお話も。それでいて推理要素や途中のドキドキ感、最後の種明かしはキチンとあって。読後感さわやかな、良書です。

  •  1987年の第26回オール讀物推理小説新人賞受賞だから宮部さんが、27歳?26年前の作品だ。当然その後の作品に比べれば、謎も伏線も解決も甘く、宮部さんも、そんな昔の作品を引張り出してレビューされたくないと思うかもしれない。
     それでも『この子誰の子』には、後に日本を代表する人気ミステリー作家の一人になることを予感させる面白さがある。宮部みゆきさんの作品を楽しむ場合、最新作の方から遡る方が良いと思う。その方が、ミステリー界を震撼させた作品達が、どのように生まれてきたかという謎を解明する方法を見つけやすいからだ。

    我らが隣人の犯罪 >> 私にとって、宮部みゆきさんの代表作は『摸倣犯』です。そんな私にとって、この『我らが隣人の犯罪』は、とても軽いスケッチのような作品です。

    この子誰の子 >> ウィキペディアによると、日本での非配偶者間人工授精は、1948年に慶應大学病院で始まり、これまでに数千〜1万人以上生まれたと見られている。とのこと。宮部さんは、いつも社会で起きている出来事を、読者が身近に感じられるようなエピソードの落とし込んで問いかけてくる。

    サボテンの花 >> 6年生の卒業研究は、本来、自由にテーマを選べるはずなのに、学校の名誉と自分達の評判を気にして、「千年たっても子供が自発的にとりあげるはずのないテーマ」を押し付ける教師たち。しかし、自由にテーマを選んだ六年一組の子供たちは、最も大切なことを学んだのかもしれない。

    祝・殺人 >> 誰もが幸せになりたい。しかし、過去に負った脛の傷が幸せになることを妨げることもある。あなたらならどうしますか?

    気分は自殺志願 >> 表題作の『我らが隣人の殺人』同様に、そんなに上手くいくかなぁ~?と思うようなトリックが上手くいった?という話。まあ、ファンタジーとしては、良いのかもしれないけれども、ミステリーとしては、ちょっと物足りないかな?

  • 面白かったです。まだ初期の宮部さんなので今ほどのパワーはないかもしれませんが、どの短編も読ませてくれました^^
    ミステリーで深く考えさせられ、心に何かを残してくれる作家さんはそう多くはないと思います。
    『我らが隣人の犯罪』『気分は自殺志願』も良かったですが、一番好きだなぁと思ったのは『サボテンの花』です。
    「こうがい」の同音意義語、私は何個書けるかなぁと思いつつ、児童たちの好奇心、自主性を温かく見守ってきた教頭先生と、その教頭先生の定年退職の贈り物のために一致団結した児童たちに心を揺さぶられました。
    こんな素敵な教育現場だったら、のびのびとした個性的な人間が育つと思います^^

  • 軽くて読みやすくて、内容もホノボノとして読後感がよろし。
    次の展開に緊張したり、次どうなるの~とかのワクワク感は少ないけど
    なんも考えずに読めるから、暇つぶしにはもってこい。

    というわけで、チョット物足りない感があるのはしょうがあるまい。

  • 一番好きなのはダントツでサボテンの花。自由研究にサボテンのテレパシーというオカルティックで、保護者的に卒倒モノを選んだ6年1組。しかし、そこにあった本当の意図は、、という内容だが、シンプルなネタをあそこまで心温まる物語に昇華するとは、このころから既に宮部氏はすごかったの一言。くだけた文体と魅力的なキャラクター、綿密な社会背景に読み手はすぐに物語に引込まれ、登場人物を応援したくなる気持ちにさせるのは宮部作品の特徴。特に子供が主人公のときの作品が秀逸で、実に活き活きと描かれている。例えばソロモンの偽証など。

  • 宮部さんの初期作品だそうですが、やはりどれも読みやすく、短編集でしたし、どれも面白く軽くさっと読めました。

    他にもレビューがたくさんあるように、『サボテンの花』にはやられました。

  • 宮部みゆきさんの短編 小説。
    短編 小説は 初めてだったけど すごく読みやすく よかった。
    この作品の中で一番お気に入りは、「気分は自殺志願」だ。
    何となく心が温まる良いミステリーだと感じた。
    誰もが色々な悩みを少しはもっている。
    それを面白おかしく解決してくれる本作品は気にいった。
    僕たちの悩みすぎ前を向いて進んで行こう!\(^-^)/

  • 全体的に良い話

  • 脅迫なんかをしてお金を奪ってしまうのに、ほんのりと愉快さが残るお話でした。
    表題作と『気分は自殺志願』では「良かった」と言うのは不適切なのでしょうが、「めでたしめでたし」と思ってしまいます。
    『この子誰の子』と『サボテンの花』が好き。

  • サボテンの花 が一番好きです。
    予想できなかったオチに、ほっこりしました。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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