横道世之介 (文春文庫 よ 19-5)

著者 :
  • 文藝春秋
4.09
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感想 : 872
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167665050

感想・レビュー・書評

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  • こんな表紙は嫌だぁぁぁ!!

    横道は野っ原を真っ赤なTシャツとジーンズで靴を持って裸足で走ってるあの表紙じゃなきゃ嫌だぁぁぁ!!

    取り乱しました(*´Д`)ハァハァ

    最近、★1評価が3回続いているので、ちょっと流れを変えようと思って選んだ有名青春物。
    しかも3作も続編が出ている人気作。
    ブグログのみなさんも軒並み高評価。
    ''`ィ(´∀`∩
    置きに行きました。これ以上四死球(★1)を出すわけにはいかんのです。押し出しになってしまうんです(?)

    世之介のキャラクターは好感持てるし、時代背景はバブルの頃でなんやかんやと懐かしい。
    世之介と出会った友人たちのその後なども描かれていて色々と考えさせられるものがあった。
    大学というものに行ったことがなかったが、世之介を通じていっしょに大学生活を送れたような気になって楽しかった。

    これは★3かな~って思ってましたよ。
    しかし……。

    あ、こっから先は著しくネタバレになるので未読の方はご遠慮ください。










    いいですか?









    抜粋します。

    【世之介は代々木駅で起こった事故で亡くなっていた。貧血を起こし線路に落ちた女性を助けようと、韓国人留学生の若者と一緒に自分も線路に飛び降りたのだという。二人は気を失った女性を抱き起した。しかし……。】

    いやいやいや。

    現実に起きたあの事故をほとんど丸パクりやん。
    たしかに世之介ならやりそうなことだけど、丸パクりってどうなのよ。

    それはないわ~。

    どうせならもっとおマヌケな感じの事故でもよかったんじゃない。
    いや、何歳のときの事故なのかわからないけど、そもそも事故死にしなくても良かったんじゃない。
    いっそ世界中を飛び回って、最終的には曾孫にまで囲まれて100歳まで生きました、でもよかったんじゃない。
    なんで急にあの事故を引き合いに出さねばならんのよ。
    妙に違和感ありまくりでした。

    そこだけで★ー1です。

    まあ、4連続★1だけはなんとか回避できましたが、しょせん置きにいった読書なんてこんなもんよなー。

    好きな人にはごめんなさいよ。

    • ゆーき本さん
      「好きがとまらない 幸せがとまらない」
      (´▽`*)アハハ
      自己啓発本みたいな表紙
      「世之介ーー」ってなったけど、続きは読んでないや
      「好きがとまらない 幸せがとまらない」
      (´▽`*)アハハ
      自己啓発本みたいな表紙
      「世之介ーー」ってなったけど、続きは読んでないや
      2024/04/17
    • kuma0504さん
      映画だけ観ている。ほぼ原作通りらしい。
      土瓶さんのソレはネタバレじゃない。重要なあらすじだけど、もはや巷間に広まっていて、出しても大丈夫なや...
      映画だけ観ている。ほぼ原作通りらしい。
      土瓶さんのソレはネタバレじゃない。重要なあらすじだけど、もはや巷間に広まっていて、出しても大丈夫なやつ。
      で、土瓶さんの書き方を読むと、そういう殺し方しなくてもいいんじゃないの?横道、もっと生かしてあげてよ!という心の声がだだ漏れ。吉田さんの戦略に見事にハマってるいるとしか思えない。
      2024/04/17
    • 土瓶さん
      1Qさん。ゆーき本さん。
      やっぱりこの表紙はないよね~。
      登録するときに違うのを探したんだけど、新刊本の表紙もなんか違くて。
      もういい...
      1Qさん。ゆーき本さん。
      やっぱりこの表紙はないよね~。
      登録するときに違うのを探したんだけど、新刊本の表紙もなんか違くて。
      もういいやってなりました。

      クマさん。ありがとうです。
      たしかに長生きしそうなキャラだとは思ったんです。
      でも、いや、むしろね。殺すなら殺すでもっと阿呆な方法がいいなぁ~と思ったんですよ。
      死に方が真面目すぎる!!
      例えばそうだなぁ~。

      友人から大量のエロビデオを借りたもののなんやかんやとくだらないことで忙しくてまだ半分以上も観ていないのに、他のヤツにも貸すから明日までに返してくれと急に言われ、意地でも全部観てやると完徹して視聴。
      翌朝、眠気眼で駅の階段を下りているときに大あくびをかまして、足を滑らせて転倒。みごとな階段落ち。打ち所が悪くてあっさりお亡くなりに。
      返しに行くはずだった大量のエロビデオを駅のホームにぶちまけて死ぬという、後々の語り草となる死にっぷりを披露してしまう。

      とかならいいかな~(笑)

      吉田修一先生、ごめんなさい。
      2024/04/17
  • 凡才とは、平凡で、特にすぐれたところのない才能。世之介は「凡才」なのか?否、確実に違う。彼は誰からも愛される才能を持っている。これは誰をも愛すことができる裏返しなのだ。ラストページ、世之介の母親が祥子に宛てた手紙は母親の愛情しか読み取れないのだが、彼の両親に育てられたからこそ誰からも愛される才能を有していたんだと思う。祥子、京子(アパート住人)、片瀬千春(年上女性)、大崎さくら(同級生)が世之介の長所を引き出し、彼が生き生きしていたと感じる。彼は線路に落ちた人を「助けたい」と思ってしまったんだのだろう。

  • 余韻に浸る一冊。

    大学生、横道世之介の春夏秋冬を描いた物語。

    ごく普通の青年はいつのまにか人の懐に入り込むのがうまい。
    気づけばすぐ隣に自然にいて、笑いをふりまいて。この彼の魅力は自然体で実に気持ち良い。

    人との出会い、それが自分の人生の幸せの一つに組み込まれていくって、これも奇跡みたいで素敵。

    そしてたわいもない日常の出来事が生き方の道標になることもしみじみ感じた。

    祥子も素敵な女性だったな。

    明るさ全開の世之介にもまさかの"時"が隠されていたとは。

    涙止まらないラストだけど良い作品に出会えた、彼に出会えた余韻に浸る。

  • 大学進学。上京。友情。恋愛。家族。友の結婚や出産。横道世之介という青年の青春時代がギュッと詰め込まれた一冊。いつまでも物語に浸っていたい気分だった。世之介の、弱気で優しく愛らしい人柄が、人間らしくて好感を持てた。物語を通して彼に出会えたことに感謝。

  • 本作品は2008年4月から2009年3月まで毎日新聞に連載されていた。好評を博した作品で、映画化もされ、また、「続・横道世之介(文庫は「おかえり横道世之介」)」、さらには「永遠と横道世之介」という続編も書かれた。
    主人公の横道世之介は、長崎県から上京し、法政大学と思しき大学に入学した若者である。世之介の大学1年生の4月から3月を小説にしたのが本作品。この小説が少し変わっているのは、世之介が39歳の時に電車事故で亡くなるということを、物語の早い段階で明らかにしていることだ。ただ、本作品中に展開されている話と、将来、電車事故で亡くなることは関係がなく、そのこと自体がストーリーに影響を与えていることは、ほとんどない。

    5月の話に、下記のような記述がある。
    【引用】
    上京してすでに二ヶ月近く、すでに五月も終わろうとしている。何がどう違うのかは分からないが、この二ヶ月、地に足がついていない感じがする。新しい街に暮らし、新しい友達ができ、新しい生活が始まったのだから何もかもが最初からガシッガシッと噛み合うはずもないのだが、それにしても何もかもがつるつると流れていく印象が強い。いろんなものが大きく変化したはずなのに、その印象がとても軽い。
    【引用終わり】

    私も随分以前に、九州の田舎から大学入学のために上京してきた。最初の頃は、心細さと楽しさと同時に、上記のような少し現実感に欠ける(これまでと生活が違い過ぎることもあり)ような気分になっていたことを思い出した。
    あの頃の自分を思い出させるような作品だった。

  • 愛すべきキャラクター横道世之介。真面目だけど、ひょうきんで優しくて天性の人たらし。世之介のふざけた言動に何度も笑ってしまいました。心に残る爽やかなお話でした。

  • ブクログさんの評価高く、読んでる人も多かったので読みました。
    時代的には、1980年台の後半に大学生を過ごしている世代、なので今50代の人に一番刺さるのかな。
    そのちょっと下の世代でも共感できることも多く、世代に関係なく、青春期、大学期に感じる諸々を思い出させてくれる作品。

    うん。面白いっす。

    皆さん言うように、世之介サイコー。

    長崎の田舎から大学進学で上京した、平均的な普通の主人公、横道世之介。
    普通の人の普通の話なのに、なぜか惹かれるキャラクター。
    世之介と登場人物の出会い方から、人生って、偶然の産物なんだなぁって感じさせてくれる物語でした。

    いくつかの章で出てきた、世之介に関わった登場人物のその先の現在の生活にいきなり場面展開していくのも、読み進めて慣れると重要なスパイスとなる。
    過去と未来の行ったり来たりの物語は、ありがちだけど、各人物が世之介を微笑ましく思い出すって言う構成はなかなかよかった。

    みんな、誰かを思い出し、
    みんな誰かから思い出される…

    学生時代をしんみり、じんわり、ほんわかと
    なんとも言えない懐かしい気持ちに。。
    あったかくなりました。。

    読了

    最後の10ページくらいを残して、上の感想を書いた。
    最後まで読んで、思ったこと
    大学時代全部を物語にするとかじゃなく、1年で終わらせたことに意味を感じた。
    若い頃の1年って…変わってないようで…それほどの事件もないようで…成長すると言うか、感じる事が多いよなぁって

    そして思う
    今の1年を楽しもう、味わおう

  • 文句なしの面白さ。長崎から大学入学のために上京した横道世之介の大学1年生の4月から3月を描いた小説。大学の授業、サークル、バイト、新しい友達、恋人、夏休みの実家への帰省などなど青春だなーという要素が満載。少し前に読んだ瀬尾まいこさんの『戸村飯店 青春100連発』と個人的には同じカテゴリーに入る。話の合間に入る数年後〜20年後くらいの登場人物のその後の様子などから手放しにコメディーとは言えないが、世之介の18歳〜19歳が充実した濃いものだったことは事実であり、読んでいてとても楽しかった。1986年の大学生はこんな感じだった(もちろん携帯電話もネットもまだない!)のかということも興味深く読んだ。世之介のとぼけているが人情に溢れた人柄も最高だった。

  • いい奴だなぁ、横道世之介。なんか笑わせてくれるしホッコリさせられる。純朴で人に好かれる青年だ。楽しい青春小説。この時代の空気も感じさせてくれる。
    そして過去と未来が交差する中で、ある結論が明示される。エーッ!嘘でしょ?
    本作は序章なのか。こりゃ続編読まなきゃダメだわ。

  • 世之介は愛すべきキャラクターです。彼といるととにかく楽しいです。本人は大変だぁーって思ってても、その頑張りとそれに付随する笑いで周りを(読者を)笑顔にしちゃいます。
    これって実はすごいことじゃないですか。
    誰もが彼を思い出すとクスッとなっちゃいます。だから彼がどうなったのか知ってしまったら、みんな悲しくて泣いてしまうはずです。そして泣きながら思い描くのは、やっぱり彼ののほほんとした顔と笑いに包まれた彼との日々で、悲しいはずなのに、きっとみんなをほんのりと温かい気持ちにさせてしまうと思います。あっちこっちで泣き笑いが起こりそうです。
    世之介と出会えたことが一番の幸せと言うお母さんの気持ち、彼と共に過ごした日々のある人はみんな分かるでしょう。いつまでも悲しんでちゃいけないとお母さんが思えるようになったのは、世之介の力です。やっぱり彼は呑気な顔で、すごいことをやっちゃう人なんですよ。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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