曙光の街 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679538

感想・レビュー・書評

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  • 久々のハードボイルド系。
    前から何回か本屋さんで見かけていたけど、ちょっとハードル高いかなぁと思って躊躇していたところ、このシリーズの最新刊をうっかり買ってしまい、それならと最初から読むため購入。
    確かにロシア、公安などちょっと苦手なところもあったけど、ヴィクトルのプロフェッショナルな仕事に思わずページを捲ってしまった。
    また倉島がいろいろと気づいて成長していくところも嬉しかった。
    しかし暴力的要素もかなりあるので、ちょいちょい軽めの小説を挟みながら読んでいこうかなと思う。

  • 元KGBヴィクトルと元プロ野球選手のヤクザ兵頭、公安倉敷と3人の生き方が絡み合う重厚なストーリーを楽しんだ。

  • 日本とロシアのハーフ。元特殊部隊の兵士。山田勝。
    元上司、現在マフィアから、ヤクザの暗殺を依頼。
    ヤクザのボディーガードは元プロ野球選手のヤクザ。
    山田はこの男に危険なものを感じた。実際に戦うと訓練をうけてないのでふがいない。殺さずに肩を撃った。
    公安の罠に感づくが山田勝はヤクザ暗殺成功。
    ヤクザの情婦は、公安の課長の娘。ロシア女スパイとの間にできた娘。自分がロシアに情報を流していたことを隠蔽する為に、それを知る人間を公安に処置(抹殺)を狙ったが失敗
    山田勝は情婦を実父に会わせる。情婦は自分を捨てた父親に復讐するつもりが、妻と娘の姿を見てやめた。
    山田勝と情婦は東南アジアの浜辺に逃げた。
    元プロ野球選手のヤクザが釈放後、堅気に戻った
    昔のチームメイトから仕事をもらった。ぬいぐるみ人形の中に入ってファンサービス。
    自分のミスを打撃で救ったチームメイトの恩返し。

  • すごくおもしろい。

  • 曙光とは夜明けに東の空にさしてくる太陽の光であり、転じて暗い状況に見え始めた明るい兆しを意味する。『曙光の街』は今野敏の極道小説であり、KGBを舞台にした国際スパイ小説、男たちの復活の物語を描いたハードボイルド小説でもある。

    本KGB特殊部隊要員だが、今はその日暮らしのヴィクトル・タケオビッチ・オキタ。元プロ野球選手だが、故あって極道に身をやつしている兵頭猛。警視庁公安部外事一課所属のノンキャリ警部補にも拘わらず公安業務に情熱を注げない倉島達夫。現状の生活に価値を見いだせない3人は、ヴィクトルのやくざの親分暗殺請負をキッカケとして、再び男たちに再び生きる意味やプロとしての目標を見出していく。

    『曙光の街』は、やくざの暗殺にとどまらず、ソ連と日本のスパイ事情、やくざ社会の変化、プロの暗殺家の活動、と幅広い話題をしっかりと関係づけている。しかも、一度人生の意味ややる気を失った男たちに光を当て、再び彼らの人生を取り戻すという人間ドラマもしっかりと組み込まれており、物語に厚みが出ている。

    今野敏の作品にはその芯に、プロとしてあるいは普遍的な人として忘れてはならないものは何か?という問いかけがいつも据えられている。だから、読後にはしっかりとしたものを読み切ったという達成感が残るのだ。

  • 評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    日本でKGBの諜報活動をしていたヴィクトルは、ソ連崩壊後に解雇され、失意のどん底にあった。そこへヤクザ組長を殺す仕事が舞い込んだ。再び日本に潜入した彼を待ち受けていたものは―。警視庁外事課とヤクザを相手にスリリングな戦いを展開するうちに、やがて明らかになる日ソ時代の驚くべき秘密。

    若き刑事が前向きに成長する姿を書いた小説は他にもあるが、こちらはかなり早めの時期から成長が見られるので展開が早いという意味で読みやすかったかなぁ。倉島の心の言葉を読んでいると真面目にやれよ!とも思えるほど軽い話か?と思ったが殺しの場面はリアルで残酷で・・・軽く読めば良いのかハードボイルドなのか迷った。

  • 有名なKGBはソ連崩壊後解体され別の組織になったなんて勿体無い話だけど現実見ないわよね。

  • 三人が係わりあったことによって生まれた科学変化が面白い。
    ヤクザや兵頭とのやりとりの中で、プロとしての本能に次第に立ち戻っていくヴィクトル。
    ヴィクトルを追いかける過程で徐々に自分の仕事を理解していく倉島。
    義理に縛られていた兵頭は、ヴィクトルとの闘いの中で男ととしてのけじめをつけようとする。
    大木天声をはじめとする登場人物もひと癖もふた癖もある連中だ。
    何が真実なのか?そもそも真実とは何なのか?
    倉島が最後に決断した行動が、読後感をすっきりしたものにしてくれた。
    三人三様の未来、変化を遂げた男たちの再出発が心地いい。

  • 読みやすかったが盛り上げにかける

  • 見逃していたことが悔やまれる。登場人物の、三者三様の生き様が素晴らしい!

    こういうフェイクも飾りも無い直球な個性、好きです

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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