子どもは判ってくれない (文春文庫 う 19-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679910

感想・レビュー・書評

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  • 内田氏のウェブサイトに収録されている記事を
    一冊にまとめた本。
    政治や愛国心についてはなじみがなく、
    理解できないところも多かったけど、
    呪いのコミュニケーション、
    自立のために知っておくべきこと、などはよくわかる。
    こんな風に物事を考えられる人に憧れているのかも。

  • 内田さん 私は好きだな。

  • p.104
    「自分の考え方」で考えるのを停止させて、「他人の考え方」に想像的に同調することのできる能力、これを「論理性」と呼ぶのである。
    「論理性」とは言い換えれば、どんな檻にもとどまらない、思考の自由のことである。

    p.176
    「自分の主張は間違っている可能性もある」という前提に立つことのできる知性は、自説を無限に修正する可能性に開かれている。それは「今ここ」において付け入る隙なく「正しい」議論を展開する人よりも、将来的には高い知的達成にたどりつく可能性が高い。

    p.326
    平和は退屈であり、あまりに長く続く平和は人間を苦しめるということはほんとうのことである。
    けれども、その退屈や苦痛は、戦争がもたらす飛散や苦悩とは比較にならぬものである。
    「戦争ができる国」になることによって日本人が今以上に幸福になるだろうという見通しには私は与しない。

    p.330
    「何かが『分かった』と誤認することによってもたらされる災禍は、何かが『分からない』と正直に申告することによってもたらされる災禍より有害である(ことが多い)」。

  • ブログ読んでるなら買わなくて良いかも。でも面白い。後悔、後に立たず!

  • 「「目には目を、歯には歯を」の矛盾」
    「日本人であることの「ねじれ」」
    「在日問題と国民の「権利と義務」」
    「ネオコンと愛国心」
    「動物園の平和を嘉す」
    の5編がとても参考になりました。何でもかんでも反対する人なのかな、と思っていましたが、まったくそういう事はありませんでした。
    これが書かれた時よりも、今の方が現実味があり、この事を誰かに話したくなりました。

  • 「愛国心」がたぶん間違った方向に行きつつある自民党第二次安倍政権下の昨今、読まれるべきテキストであると思う。

  • 若者に向けた、「大人の思考と行動」を書いた本。相変わらず切り口鋭いです。

  • 教養とはなんぞ?という気持ちになる。内容はそれだけじゃないんだけど。
    今って情報が多いだけじゃなく、学生って生き物がものすごく多い割に、一定レベルというか、「学生ならこれくらい出来て当然、知っていて当然」というくくりが通用しなくなっているのを実感。
    でもそれを良い悪いとか今の子供はこれだから、で片づけていいのかっていは別問題、という気持ちに。

  • 呪いのコミュニケーションがなるほどです。気をつけることにした。
    樹さんエッセイは同じ話を形を変えて繰り返しますが、この本はいつものテーマを大体網羅してて安心。繰り返して読んでるうちに根付いてしまうパターンです。飽きないし。

  • 購読

    ■母性愛は幻想か?
    事実と幻想は交換できない。
    幻想から別の幻想に移っただけ。
    母性愛幻想、サクセス幻想、恋愛幻想、承認幻想

    「あなたは幻を見ている。私はも幻を見ている。だが、私の見ている幻のほうが快適であるので、こちらを採択されてはいかがか?」

    母性愛/父性愛幻想の支援を必要とする人、「その幻想にすがって問題を片付ける方が生き延びるうえで有利である」人が存在するということについては譲れない。

    ■セ○クスというお仕事と自己決定権

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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