- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167682040
感想・レビュー・書評
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まったく無関係の3人の少年が殺人を犯すまでの道程。
非常に緻密な構成で、テンポがよく、読み易い。
帯に「ふつうの少年がなぜ殺人を犯すのか」みたいなことが書いてあったが、
出てくる少年にいわゆる普通の少年はいない・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三者三様で結構引き込まれる。たまたま最近読んだソロモンの偽証と同じで14歳が主人公。2000年以前が舞台っつってるけどネットやらデジカメやら考証が適当なのが気になるところ。2000年の法改正がされないままの世界なのか、実際その以前なのか…
上下巻の2冊だと思ってブックオフで買ったら上中下巻の3冊だったから慌てて中巻を注文した。 -
家族構成や、家庭状況、住んでいる場所や学校も違うが、それぞれ少し欠落している部分がある3人の男子中学生の物語。
上巻はそれぞれの少年が殺人を犯してしまうまでの話。 -
【退屈な日常の中で飼いならしえぬ瘴気を溜め続ける久藤。恵まれた頭脳と容姿を持ちながら、生きる現実感が乏しい葛城。複雑な家庭環境ゆえ、孤独な日々を送る神原。世間への違和感を抱える三人の少年たちは、どこへ向かうのか】
読むの二度目。 -
久藤、葛城、神原という全く境遇の違う三人の中学生が、人間として道を外していく過程が同時進行でじっくりと描かれている。まだ、上巻、『胎動』という第一章のタイトルが示す通り、物語は始まったばかり。この先、どう物語は展開するのだろうか。三人の中でも、神原だけが一人称で描かれているのには何か理由があるに違いない。
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とんでもなく重たい
読み終わった後は2週間ぐらい他の小説読む気になれませんでした -
平凡な家庭に育ちながらも退屈な日々を持て余し、近所の犬や同級生に暴力を振るうことで瘴気を発散させる久藤。
病院を経営する裕福な家に生まれ、頭脳や容姿などあらゆる才能にも恵まれた葛城。
子育てを放棄した母に代わり、叔母と祖母に育てられている神原。
3人の少年たちが抱く現実への違和感から、殺人に至るまでを描く。
上巻はまだ序章のようで、3人それぞれの生い立ちと考え方、内面や言動を徹底して描く。3人それぞれの立場に共感し始めたとき、久藤は女教師を、葛城は使用人の息子を、神原は実母を殺す。それは衝動的でもあり、しかしある意味必然でもあったように描かれる。
重い話だが、案外人はこんな風に殺人を犯すのかもしれないと思わされる。そこに至るまでの描写が丁寧なので、無理なくそう思える。
普通に生きていれば出会うこともなかったであろう3人の人生が交錯する、続きに期待。 -
暗くて重いが続きが気になってつい読んでしまう。