- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167682040
感想・レビュー・書評
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殺人を犯した3人の少年の運命を分けたのは何だったのでしょうか?罪悪感を感じたかどうか?
私は少年犯罪に限らず、「責任能力がないから無罪」というのに心情的に納得できていません。乳幼児は別として、子供が自分の行動の意味を理解せずにやったことであっても、被害者がいる場合には厳罰に処すべきであると思っています。それが被害者に対するせめてのも救済であり、加害者にとっては贖罪の機会だと考えているからです。この本を読んで、さらにその思いを強くしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻は、3人の男子中学生(14歳)が殺人を犯すまでの日常をポートレイト。
ヤバい、面白い。実に些細で突発的な、しかしながらどこまでも根強く鬱屈した感情から引き起こされてしまう3件の殺人は、読んでいて呆気ないくらいサラッと描かれている。が、それが何ともリアルで、実際の少年犯罪や殺人の動機、衝動ってこんな感じなのかな、と思えてしまった。まるでノンフィクションのようです。 -
下巻まで読了。
うーーーん…なんとも報われないというかやりきれない話でした。
3人の少年が人を殺すまではこの3人が一体どう絡んでくるのかと思いながら読みましたが、少年院で繋がるわけか。そして出てからも…なんでそうなっちゃうのかなあと思わざるを得ない。どんどん転がり落ちていく。
葛城は中学生らしからぬ大人びた考え方の持ち主、久藤の暴力は怯えの裏返し、神原は犯罪にむしろ喜びを覚えているような…とそれぞれが個性的。結局一番危うかったのは神原だったんだろうね。だからこそのあの結末か。
少年院を出るまでが面白かったかな。出てからはなんとなく好きではなかった。 -
少年法改正以前を舞台にした犯罪小説。この上巻では、三人の中学生がそれぞれ殺人へといたる軌跡が描かれます。
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貫井徳郎は「慟哭」以外読んでいなかったのだけど、もう何年も前のことか・・・。
あの時は読んだ人が驚いたという結末だったはずがかなり早い段階から、そういう仕組みかな?と思いなが読んでいたため特に驚きもなく。
それ以来で久々にBOOK・OFFで手に入れたものを読んだ。
で、この本。
・・・面白いです。
最初は3人の視点でどんな話になっていくのか、よくわからないままに途中から4人の視点で進んでいく話。
最後に1人目の結末にたどりついたときに、話としては同じ結末を3人が迎えるということになる気はしたが、そこにもっていくまでの流れがぐいぐい引き込まれる。
特に葛城の老成した考え方が、今の歳ならすんなり受け入れられるが、自分が中学生なら3人のどのタイプでもないと思う。
現時点では3人に接点はなく、今後のストーリーがどのようになっていくのか・・・。
展開が楽しみ。 -
この人の本ちょこちょこ読んでますけど、トリックよりも陰鬱な雰囲気が印象的ですね(例外もあるけど)。
今回も少年犯罪をテーマにした作品だけど、やっぱり重たい! -
読後本気で落ち込んだ
面白かったんだが、生活に軽く支障を来たすほどの落ち込みだったので★は3つで…
うぅ…言葉は悪いけど、胸糞悪い話だった -
面白い。少年犯罪について考えさせられるし、やっぱり殺人物は加害者の心理描写がこれくらい丁寧且つ自然じゃないと面白くない。人は弱さ故に悪を行い、人は弱い故に弱さを行使する人を悪人と呼ぶのだな、、、と。
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ガツンときた1冊。
(2010/8/4) -
上中下巻まとめて。
14歳の少年3人がそれぞれ殺人を犯す。
それぞれの心の闇を明確に捉え、現実的な描写。
少年院を出てからの展開は予想外だったけども、まぁ納得。
特に神原の心の動きがリアルで鳥肌が立ちました。
貫井さんの本は初だったけども、何度も同じ語句や表現が
使用されていたことがちょっと残念。