悪の教典 上 (文春文庫 き 35-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167839017

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻通しての感想。
    圧倒的な悪意が蓮実の行動を通して迫ってくる。
    後半のほとんどを占める殺戮シーンは、息が詰まるほど気味が悪かった。
    極端に臆病で他への恐怖心が大きい者。
    悪に骨の髄まで染まり、悪を理解しているからこそ吸い寄せられる者。
    蓮実が他人のために犯したたったひとつの殺人。それは憂実のためだった。
    残りの殺人はもっと簡単な理由。
    うるさい烏を排除するように、邪魔な人間を排除していく。
    逮捕されることをあまり意識していない蓮見の行動が怖い。
    特別に偽装工作もしないし、一応の考えてはいるようだけれどその場しのぎのような。
    衝撃的な題材と展開。
    その強烈さが良作と勘違いされてる部分が無きにしも非ず・・・と感じた。
    貴志さんの作品だし、はずれのない作家さんだと思っているので満足はしている。
    もう一歩・・・期待度が高いだけにそう思ってしまうのかもしれないけれど。

  • 読みやすい文章とキャラクターの魅力が割合漫画のような印象を受けて、すいすいと読み進めてしまう。やってる事最悪なのにハスミンに肩入れしながら読んでしまう自分がちょっと嫌w主人公の過去に一度殺せなかった女の子。でもその子は結局自ら死を選んでしまう。これは彼の最初にして最後の恋だったのかな…いや、己が忘れてしまった欠けた片方の心へのただの執着なのか…。その子が死を自ら選んだ時彼の心は完成してしまったのか…いや、そんな問題じゃないな、彼は生まれながらのサイコパス。

  • 最近の著者の本は深みがなくなった

  • 怖いけど気持ちよかった。

  • 知能の高いサイコパスというわりに短絡的であり、詰めが甘く、性欲に忠実。
    蓮見の設定が、結果ありきなのが残念。

  • サイコパス視点が新鮮だが臨場感にあふれていて入り込んだ 貴志祐介の本を初めて読んだが、新しい領域を開拓した感がある 読書人生で読んでおきたいなという一冊

  • 上巻は、ハスミンの頭の良さ、処世術の高さが際立つ内容。こんな人がいたら皆騙されますね。

  • ひとことで言えばサイコパスが淡々と人を殺していく物語なのだけど、殺人の動機は快楽ではなく営利目的である。目標達成のための障害となる物(人間)を排除するために殺人を行っているので殺人マニアというわけではない。それが故の無機質な狂気。
    現実世界で起こった大量殺人事件の記事(Wikipediaなど)では、正確な時間の表記と共に事件当日の流れが記載されているものがある。本作でも同じように、終盤の大量殺人の場面は、「PM9:51」といったように時刻が表記される。
    そうすることで、現場の時間を共有させられ、より一層恐怖を現実のものとして感じることができる。

    ※上下巻あわせての感想

  • 少し前に流行った作品だと思い出し購入ました。
    ご都合主義的な展開が多い気がしますが、下巻も併せて読んでいきます。

  • 上巻では完璧な人間を演じるハスミンが描かれているが、小出しに犯罪を散りばめている。ここまででも十分に怖さが感じられているが、何の前情報も無しに読んだので上巻の締めで「はい、こっからめっちゃヤバいことしまーす!」に若干引きながら下巻へと移った。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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