こいしいたべもの (文春文庫 も 27-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908942

感想・レビュー・書評

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  • この表紙からして森下氏のたべものへの愛情が伝わってきます。
    昭和に育った者として、和食一辺倒から少しずつ洋食が家庭に普及していった時代を懐かしく思いだしました。私は13歳のときに友達の家でご馳走になった「グラタン」に衝撃を受けました。食べ物にまつわる家族の思い出もまた大切で愛おしいものです。そうでした、あのころの母親たちはいつも台所に立っていました。子供たちがねだる洋食にも果敢にチャレンジしてくれていました。何もかもみな、懐かしい。

  • 前作に引き続き、こちらもとても美味しそうでした。
    しんみりと切なくなる思い出もたくさん…わたしの亡くなった祖母も、貝を捕るのが上手だったことを思い出しました。鳩サブレーは幼い頃の思い出のおやつです、母方の実家でよく食べました。
    今回も、素敵なイラストもいっぱいでした。和菓子の美しさにうっとりしました。実際に見て、味わいたくなります。
    しんみりとしてしまいますが、ほっとする良い本です。

  • 職場の人に薦められて読んだ本。
    イラストの温かさ、上品に流れる文章が素敵だった。
    ほっこりがほしいときに読むのがいいと思う。

  • 日常の食の中に、人との出会いや別れが描かれていて、ほっこりしたり、ほろ苦くなったり、そんな一冊。家族みんなでテーブルを囲む食事を大切にしたいと思えた。
    読中、その時代に生きていなかったけれど、頭の中でセピア色の映像が流れていた。読後、目次を辿りながら、どのエピソードが一番好きだったかを考えたけれど、どれも食欲とノスタルジーで選ぶのが難しい。
    でも、読み始めてからずっと、鳩サブレーが食べたい。一度あの素朴さを思い出すと、頭から離れない。
    前作に続き、出会えて良かった一冊。

  • 最初っから持っていかれた。家族団らんで幼心に感じ取った"しあわせ"がきゅうと切ない。母はテキパキと特別な料理を作り、父はお風呂上がりにビールを呑んでいる。きょうだいがいて、テレビを見ながら早めに晩ご飯を食べ終わる。そこには幸せがあったと、たしかに筆者には見えるのだと。

    食べもののまわりには、あらゆる物語がある。筆者の人間性がにじみ出るような淡くて暖かくてていねいな文章に心がときほぐされた。『日日是好日』が好きな人にはぜひともおすすめしたい。

  • 「いとしいたべもの」に続く二作目。
    こちらもおもしろかったです。

    文章は読んでいて心地いいし、優しいイラストはついつい眺めていたくなる。
    森下さんの思い出に自分の思い出を重ね、忘れていた幼い頃の記憶が呼びさまされました。
    食べ物って、一緒にいた人やその時の感情とセットで思い出すことが多いから、懐かしくてほっこり優しい気分になる。
    森下さんの子ども時代やご家族のことも感じられた。
    美味しい幸せな記憶のエッセイってやっぱり良いなぁ♪

  • 相変わらず巧みな語彙でテーマのたべものの造形や香り、味を伝えてくるので、読んでいてとてもお腹が空きます。
    1番心に残ったのは焼きビーフンの話。理由は私的なことですが、作中で語られる筆者のお父様が、私の父と重なったからです。私も筆者のように、時々思い出を振り返りながら、父の好物を作ってみようと思います。

  • 『いとしいたべもの』の続編。
    今回もそうそう、美味しいんだよなぁと思う物がたくさん登場。
    ペヤングじゃなくやき弁を食べてるけど久しぶりにペヤングをもう一度食べてみたくなった笑
    素敵なご家族だなと感じる作品。

  • 文章から伝わってくる雰囲気とイラストが好き。

  • 一人暮らしを始めて、実家にしばらく帰れてなかった時に読みました

著者プロフィール

森下典子(もりした のりこ)
1956年生まれのエッセイスト。『週刊朝日』のコラム執筆を経て、1987年その体験を記した『典奴(のりやっこ)どすえ』を出版。代表作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、大森立嗣監督・脚本、黒木華主演により2018年10月13日映画化され、樹木希林の遺作ともなり、大きな話題となった。他に、『いとしいたべもの (文春文庫)』『猫といっしょにいるだけで』などの作品がある。

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