勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫 ち 9-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914639

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  • 流し読みなので理解がざっくりとしている。勉強とはコードを言語によって俯瞰して、そこからズレること。ボケ(アイロニー)はコードからワザと自分をずらすこと。ツッコミ(ユーモア)はコードの幅を増やすこと?

  • 勉強は変身。
    言語偏重をテーマに、ボケとツッコミと享楽を問う。
    読みやすく夢中になれる内容。
    現代詩の話が新鮮で手に取ってみたい。
    俳句のフォーマットはカメラとレンズで切り抜きのアナロジーはおもしろい。
    アウトライナー派なので納得。

    勉強するにあたって信頼すべき他者は、勉強を続けている他者である(p.176)。
    そんな他者でいたい。

  • 勉強とは、「こうあるもの/あるべきもの」という規範に疑問を持つこと。いつか誰かが「学ぶことは眼鏡をかけること」みたいに言ってた(すべて曖昧)ことを思い出した。有限化がね〜〜難しいのよね〜〜。


    ---
    勉強とはノリが悪いこと。「問題意識をもつ」という、スッキリしない状態をあえて楽しもう、それを、享楽しよくとすること。
    自分の状況は大きな構造問題のなかにあり、自分一人の問題ではない、というメタな認識をもつことが勉強を深めるのに必須である。

  • 勉強とは、自己破壊。
    なるほど!

  • …ある分野を完璧にマスターしたなんていう「勉強完了」の状態はありえません。(p.204)

    勉強は、ただ愚直に深掘りすればいいというものではない。全く違う分野同士でも重なる部分はあり、それがどうしてそうなるのかと考えることは立派な問いになる。
    そして勉強は一人だけではできない。独学の人だろうと書物(特に専門書)、すなわち他の人の意見に触れずにいることは不可能。
    ある分野を勉強するにしても、視野を狭めないこと、他者との交流が鍵になる。

  • アイロニーとユーモア
    アイロニーは前提を疑う しかしそれだけでは真理を追い求める、答えのない旅に陥る ユーモアへ折り返し、「目移り」が始まる これを続けると全ての概念への「目移り」が可能になってしまう それを切断するのが享楽的こだわり 決断主義はアイロニーの境地(諦め)
    結論を出さずに比較を続けるユーモア的姿勢

  • 勉強するとノリや共感から外れて、その域を超えてばかやれる

  • 勉強は繋がる事を言語の仕組みから読み取ることが出来る。分かりやすくてさくさく読めて頭に入りやすかった。

  • 概要

    ・勉強とは、現在のコード(環境における共通理解)から別のコードへ乗り移って、言語自体を見ること
    ・思考にはアイロニーとユーモアがある。
    アイロニーは根拠を疑って真理を目指すもの。
    ユーモアとは根拠を疑うことはせず、見方を多様化する。
    アイロニーを追い続けると、「世界の真理」、「世界の絶対的根拠」を求めることになり、これは存在しないため実現不可能である。本書ではアイロニーをやりすぎず、ユーモアに折り返すことを推奨している。
    ユーモアも行きすぎると無限に発散してしまう。これを仮固定するのが「享楽的こだわり」。
    ・勉強の基本姿勢は比較を続ける途中で中断し、ベターな結論を仮固定し、また比較を再開する

    ・実践編。まず入門書を複数比較し、大枠を知る。
    その後、教科書や基本書で詳細を確認(完璧な通読はできなくてよい)
    ・勉強の本体は、信頼できる文献を読むことであることから、勉強こ1番底に置くべきは、歴史ある学問(哲学、歴史学、数学、法学、生物学、法学など)であり、その上に現代的・現場的な専門分野を載せる

  • ハウツー本かと思ったが、かなり哲学的な文脈が多い。でも勉強の本質を捉えていると思う。

    「勉強とは自己破壊である」こと、「有限性がある」ことがすごく印象に残っている。学校では「勉強すること社会での成功が確約される」といったこと刷り込まれ、常に将来のためだと言い聞かせられた。

    振り返ってみると、本書でいうところの「勉強」はできていなかったし、勉強していたとしても思考は完全にとまっていたのかもしれない。

    学生生活も終盤を迎えており、ちゃんと学問に向き合える時間はあとわずか。しかし大人になっても勉強が大事というように、今後も「勉強」は続けていくと思う。自分なりに勉強に向き合っていきたい。

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著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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